連結納税のデメリット「税金の仕組みをもっと知ろう!」

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連結納税というのは、メリットばかりが注目されていますが、実際にはデメリットとなる部分もあります。

デメリットを知っておくことで、連結納税に加入するかどうかを決める判断の規準にもなるでしょう。
では、連結納税制度にはどんなデメリットがあるのかについて、紹介していきたいと思います。

1.法人税のみに適用されるものであるため控除額が減る

連結納税は、法人税のみに適用されるものなので、その他の控除額が減るなどのデメリットがある場合があります。
試験研究費や教育訓練費など、法人には様々な税額控除があります。
連結納税を選択する場合、法人税が生じなかった場合には、試験研究費などの控除額が少なくなってしまう可能性があるのです。
その場合、単体納税のときには受けることが出来た控除が受けられないという事態になってしまうので、税金の負担が大きくなってしまうというデメリットになります。
連結法人税が生じていれば、控除限度額が連結グループ全体の法人税額の30パーセントになることもあるので、メリットは大きいと言えるでしょう。
ですが、メリットがあればデメリットもあるのが連結納税の制度なので、自分の法人はどのような方法をとったほうが節税になるのかということを考えて決めるといいかもしれません。

2.連結子法人の時価評価によるデメリットがある場合もある

連結納税を行う場合、連結子法人の時価評価によるデメリットが発生する可能性があります。
連結納税を行う場合には、開始の直前において、連結子法人が保有する一定の資産に対して時価評価をする必要があるのです。
なので、含み益がある資産を保有している連結子法人は、単体申告最終事業年度で課税されてしまうというデメリットがあります。
連結納税と単体納税では、納税の単位が違います。
単体納税における含み損益を清算してから連結納税制度を開始するためにも、必要なことであると考えられているのです。
ですが、連結親法人の保有する資産については、連結納税グループが「連結親法人が中心となる企業体である」とみなしているために、時価評価の対象外とされています。
また、株式移転による完全子法人になった場合など、子法人についても、連結納税前の時価評価が必要ない場合もあるので、場合によってはデメリットにならない場合があります。

3.連結納税による繰越欠損金の切捨てはマイナスになる可能性がある

連結納税を行う場合、連結子法人として納税を行うときには繰越欠損金の切捨てがデメリットになることもあります。
連結親法人の場合、連結納税制度の開始前に有していた繰越欠損金は連結納税のグループに持ち込むことが可能になっています。
ですが、連結子法人の場合には、繰越欠損金を切り捨てる必要があるので、その部分に関してデメリットとなりえる場合があります。
ですが、特例として、連結親法人を設立した株式移転による株式移転子法人の場合には、繰越欠損金は、実質的に親法人が有しているものと考えられるので、連結納税グループに持ち込むことが出来ます。
また、平成22年からは、時価評価の対象外となる連結子法人に関しても、個別所得を限度として繰越欠損金が使用できるようになりました。
繰越欠損金が切り捨てになってしまうデメリットを考慮して、連結納税の採用を考えるといいでしょう。

4.子会社株式の売却時などで発生する修正ではメリットやデメリットがある

連結子法人の株式を売却する場合には、連結納税制度において、デメリットが生じる可能性があります。
連結子法人の株式売却による利益積立金に基づいて、連結親法人の有する連結子法人の株式の帳簿価額を修正する必要があるためです。
この修正は、連結納税における損失や利益の二重計上を是正するためのものです。
本来、連結納税制度というのは法人税のみに適用され、住民税や事業税については適用にはなりません。
なので、連結納税の対象外である住民税や事業税の計算は、帳簿価額修正の影響を受けることになります。
住民税や事業税の計算は法人税の計算結果に基づくため、結果としては帳簿価額集成分の影響を受けることになります。
譲渡対象になる連結子法人が赤字体質の場合には、帳簿価額修正で譲渡損が減少するので、住民税などの負担が増加する場合があります。
連結子法人の株式の売却等について、連結納税を行うとデメリットになりえる可能性があるということを覚えておきましょう。

5.連結納税制度では事務負担やコストの増加が懸念される

連結納税制度を導入すると、経理等の面で人的コストがかかることになり、事務負担などのコストが増加するというデメリットがあります。
連結納税による申告作業は、連結納税グループ全体を1つの納税主体とみなして行われます。
ですから、連結子法人を含めたグループ全体について、税度説明会や導入による業務の見直し、連結親法人との情報伝達整理や迅速化などの業務を行わなければならず、今までよりも納税に関する業務が増えてしまう可能性があるのです。
連結納税は、法人税のみに適用されるものなので、通常の申告作業に追加して、連結納税申告作業を行わなければいけなくなります。
このように、事務負担が増えてしまうことは、社内における人件費等についてのコストというデメリットに繋がるのでs。
また、連結納税申告は、グループの各法人の所得金額や欠損金を通算した上で行うので、修正が生じた場合などには、全体に影響を及ぼすなどのデメリットもあります。

まとめ

1.法人税のみに適用されるものであるため控除額が減る
2.連結子法人の時価評価によるデメリットがある場合もある
3.連結納税による繰越欠損金の切捨てはマイナスになる可能性がある
4.子会社株式の売却時などで発生する修正ではメリットやデメリットがある
5.連結納税制度では事務負担やコストの増加が懸念される

編集後記

連結納税を行うときには、デメリットもしっかり確認することが大切です。
メリットとなるはずだったものが、逆に負担になってしまうというパターンもありえるので、連結納税を導入する前には、一度専門家などに聞いて、内容等を確認してから行うことをオススメします。

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