お金がない境遇に立たされたことで夫婦が得たものとは?

お金がない夫婦のグッとくるエピソード

何たる偶然か。このキーワードは今の私たちの境遇を披瀝するのに、ピタリと当てはまるものです。

以下につづるエピソードは、今年、私たち夫婦に実際に起きた話です。

夫が家族に内緒で多額の借金をこしらえていた・・・。

結婚10年をゆうに過ぎた夫婦です。

新年を迎えて半月も経たないある日の晩のことです。

布団に入っていた夫がなかなか寝付けないでいる姿に気づきました。

以前から気にはなっていました。ここ最近、主人の寝つきが明らかに悪くなっていたことに。

それまでは、布団に入ると子供よりも早く、10秒もしないうちに豪快にイビキ立てながら寝付くような人でしたから.

でも、その晩は明らかに異質でした。

夜中にまでなってもモソモソ動きが止まらない。そしてついには、横向きになっている夫の布団の方からすすり泣く声が聞こえてきたのです。

これはヤバイ・・・。

意を決し、でもソフトに声を掛けました。「どうしたの?寝付けないの?」

でも、彼は答えません。

何となく察してはいました。嫌なほうの予感なようなものが。

何か話すに話せない隠し事を抱えているのではないか?と。

女の勘です。

これまでずっと心のなかでわだかまりとして抱えつつ、でも、内心、聞くことでどんな答えが返ってきてしまうのか?

その答えの中身の大きさを測りかねて、聞くのが怖くて半年ほどが経っていました。

でも、こうなったら話を切り出すしかありません。

一抹の不安を内に秘めつつ、これまでどうしても言い出せなかった質問をあえてしてみました。

「何か悩みがあるんだよね?」

彼は何も答えません。

続けて聞きました。

「もしかしてお金のこと?お金のことで困っているんじゃない?それで悩んでいるんじゃないの?」

彼は頷き、そして小さなか細い声でひと言、答えました。

「そうです。」

やはり・・・。女の勘は見事に当たりました。

嫌な予感に限って、結構当たったりしてしまうのです。

ここまできたら全てはっきりさせるしかありません。

「借金してるの?その金額は?」

彼は言いません。

質問を変えました。

「100万?」

彼「いや、違う」

私「300万?」

彼「もっとある」

結果的に500万を遥かに超える金額でした。

『こいつやってくれたー。』って感じでした。

想像を遥かに超える金額であったので、あまりの大きさビックリしたのと同時に、

次々と沸き起こる疑問を怒りまかせに次々とぶつけてました。

「よくもまあ、そんなに借りれたもんだね。どうやって、誰から借りたの?」

「いつから借りてきたの?何の目的で借りたの?」

彼はひたすらに、かつ、蕩蕩と説明を始めました。

でも、怒りに駆られた私には、すべては言い訳にしか聞こえませんでした。

なんだか呆れ果て、悲しくなってきました。

そのあとのことはよく覚えてませんが、

彼の言い訳の内容の概要はこのようなものであったと思います。

「借りた目的、すべて生活費の不足分補填のため」

「複数のカード会社から借入してきた」

「家を建てて住み始めた10年近く前から今日までずっと続いてきた」

「パチンコなどの個人の遊行目的には一度たりとも使ったことはない。一銭だって使ったことはない」

「自分自身が子供時代、貧しさでひもじい思いをしたので、自分の妻・子供たち家族に金銭的に窮屈な思いはさせたくない」

ほんと、言い訳ばっかりで怒りを通り越してうんざりしてきました。

そして次に、こんな相手と結婚したこと。夫婦生活とはなんだったのか?

自分が精一杯取り組んできた、自分自身の仕事を辞めてまで家族に捧げてきた、この10年間はいったいなんだったのか?

など、自問するようになってました。

彼にとっての家族に対する愛情表現が、「借金をしてでも家族に不自由ない生活をさせること」であったようなのですが、

妻である私に相談はなく、お金に困っているという相談もしてくれず、自分だけ勝手に決めて、負債を積み重ねて10年も黙っていたなんて・・・。

私の考えとは正反対でした。

私の考える家族とは、「貧しくても、家族のなかでは嘘、偽り、隠し事のない、そして困難にあたっては共有し、たとえ生活に制限が及び貧しくなろうとも、一致団結して乗り越えていくこと」が本当の家族の姿、私の理想とする姿です。

(おそらくは私だけではなく、多数の婦人は共感いただけるかとは自負しますが)、

小一時間ほど経ち、ほんの少しばかり冷静さを取り戻せました。頭に上っていた血も少しは引いたようです。

『さぁて、そしたら、この問題をどうやって乗り越えようか?』と、次のことを考え始めている自分に気づいたからです。

彼に考えがあるか問いただしてみました。

彼は法律をよく調べてました。

「任意整理」、「個人再生」、最終手段の「自己破産」まで視野に入れて色々と考えていたようです。

かなり思いつめて日々送っていたんだなぁと、ほんの少し、相手が気の毒に思えました。

でも、女はドライです。

今回の件ではっきりしたことがあります。

「私は彼に裏切られた。私は妻としても裏切られたのだ」

もともと結婚する際も、恋愛感情はあまり湧かず、情熱的な彼を尻目に、むしろなく結婚に憧れも持てなくなってしまっていた私にとって、今回の事件は

夫婦としての愛情というか、絆というべきか、信頼というものを完全に断ち切ってしまいました。

そして彼に言い渡しました。

「あなたは家族を裏切った。妻としての私をも。どんな言い訳も通用しない。この事実はもう消せない。覆せない。」

「離婚はしない。でもそれは、片親にしてしまったら子供が不憫であろうから、という理由だけ。もうあなたへの夫婦としての愛情はない。無くなった。」

「もう、あなたとは夫婦ではない。同居人として付き合う。子供のためだけに表面上夫婦を演じていく。あくまでも仮面夫婦としてやっていく。そこだけは勘違いするな。」と。

彼は何も反論しませんでした。

その後は、彼はより手取りの良い職業に仕事を変えました。

出費も見直しました。複数保有していた車を軽自動車1台にしたり、20年来掛金を支払ってきた積立型の生命保険を解約もし、借金の総額を可能な限り圧縮しました。

今後は私自身も働きに出るつもりです。

日々の生活費に頭を悩ませる日々が始まりました。これまでの生活を考えると、やはりストレスが溜まるのは実感します。ここ何ヶ月は体調も変調を来たしました。

自分の人生観で一番嫌だと思っていたのが、「お金に振り回されること」でした。

それが今、自分自身に降りかかってきたことで、割り切れない、どうしても夫を許せない自分がいます。

でも悪いことばかりでもありません。

その後、いくつかの大きな変化が生まれました。

これまで子供のことを顧みなかった夫が子供達にやさしく接するようになったのです。

いつも子供を叱り飛ばすだけの父親で、子供達もなつくことがなかったのですが、やはり子供はわかるもの。夫の心境と態度の変化を素早く察知し、今では無邪気に父子で楽しむ姿を見るようになりました。

そして、隠し事がなくなり安心したのか、憑き物がとれたかのようになった夫は、私にいっぱい話かけるようになりました。

この事件前と比べる、毎日の私との会話量は確実に倍以上に増えました。そのことで、夫婦で家族のこと、これからのことなど、色々なことを話し合えるようになりました。

こうして振り返ると、お金の心配をしていなかった事件前の家族は波風が立つことは少なく済んだかもしれないが、それは表面的は姿でしかなく、

事件後の今のほうが家族としてより深くつながるようになり始めたと思うのです。

お金に困ることは無いにこしたことはありませんが、「お金がない」、お金に困る境遇に立たされて、初めて得るものがあった家族もいることを、エピソードとして紹介して、話を終わります。

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