借金で困っているけれど、住宅だけは手放したくないなら民事再生

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マイホームを残しながら借金を縮減する方法:民事再生

借金に追われ続け、疲弊して自己破産したいものの、せっかく手に入れたマイホームだけは手放したくないという方が、マイホームについては手放すことなく他の借金については縮減・免除してもらうという手続きを民事再生といいます。

この民事再生という手段は少しトリッキーな債務整理の方法ですので、その内容について簡単に説明していきたいと思います。

借金はたくさんあるがマイホームだけは何とか残したい

民事再生は、主として、マイホームだけは残してあげるから、残りの借金については1/5に縮減したうえで3年で完済しなさいという法的手続きを言います。(この時、マイホームに対する住宅ローンは縮減されませんので、その点は理解をしておいてください。)

この民事再生という方法は、自己破産や任意整理等と比べると複雑な手続きとなります。それもそのはずで、家は残して、かつ、他の債務は1/5に縮減して支払うという、はたから聞くと都合の良い債務整理の方法である以上、多くの条件が課されるのです。

民事再生の条件

借金による債務整理でも自己破産等とは異なり、民事再生には独特の条件があります。
それは、

(1)5000万円以下の債務であること
(2)継続して収入を得る見込みのあるという事
(3)1/5に縮減した債務を36か月で返済できるという事(特別に60か月に延長してもらえることもありますが、非常に稀なケースです。)

の3点です。これらの条件を満たしたうえで民事再生ができるという事になります。

特に、(3)36か月で完済が可能であるという事が非常に重視されます。

以上3点を満たしたうえで、民事再生の手続きの申立てが行えるわけですが、民事再生には2つの方法がありますので、弁護士と相談の上、自分に合った民事再生手続きを選択することになります。

小規模個人再生

借金の小規模個人再生とは、民事再生手続の1つの方法です。具体的に説明していきましょう。

小規模個人再生は、上記に挙げた3つの条件に加えて、

(4)再生計画(民事再生の返済計画)が、債権者の数の1/2以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の1/2を超えていない

という、4番目の条件が必要です。

たとえば、債務者Zさんには、5人の債権者A:100万円・B:300万円・C:800万円・D:1000万円・E:1500万円がそれぞれ居たと仮定しましょう。Zさんは、5人(社)から合計3700万円の借金があるとします。この時、(1)〜(3)の条件は満たしていたと仮定して、(4)の条件についてのみ考えてみたいと思います。

パターン1:DとE(合計額2500万円)は返済計画に賛成、AとBとC(合計額1200万円)は返済計画に反対という場合、民事再生は認められるでしょうか?
答えはNOです。

(4)の条件前段「債権者の1/2以上の反対がなく」という点を満たすことが出来ていません。

したがって、Zさんは小規模民事再生を申し立てても却下されてしまいます。

パターンB:AとBとD(合計額1400万円)は返済計画に賛成、CとE(合計額2300万円)は返済計画に反対という場合、民事再生は認められるでしょうか?
これも答えはNOです。

今回は条件の前段はクリアできていますが、後段の1/2以上の債権額を超えてしまっています。

したがって、この場合も小規模個人再生という民事再生手続きは行うことが出来ません。

それでは、どのように借金を返済するのがよいのでしょうか。

それが、2つ目の民事再生の方法「給与所得者等再生」という方法です。

給与所得者等再生

給与所得者等再生とは(1)〜(3)の条件を満たしているもののうち、給与等の安定した収入があり、収入の変動の幅が小さい人が利用できる手続です。

この手続においては先の(4)の条件が課せられません。したがって、債権者が賛成するか反対するかという事は問題となりません。しかし、新たな条件(5)が存在します。

条件(5)とは、(ア)「1/5に縮減した弁済額」と(イ)「清算額(財産の処理額)+可処分所得の2年分」のいずれか大きな方を全額36か月で完済できるか

というものです。

この場合、小規模個人再生よりも、弁済額が多くなりますので、月々の負担が大きくなります。

例を挙げましょう。先と同じ事例でZさんの可処分所得(要するに年収-生活費)が900万円だったと仮定します。

となると、(ア)は3700万円の1/5なので、740万円が必須弁済額で月々の支払は約20万円です。

一方、(イ)は900万円×2年分ですので、1800万円が必須弁済額となります。

(ア)<(イ)なので、Zさんは1800万円の弁済が必須となります。つまり、借金の返済が月々50万円の債務弁済をしなければならないという事です。

このように、債務整理をする際の給与所得者等再生という方法は、小規模個人再生よりも多くの額を弁済しなくてはならないので、ある意味かなりの節約生活を強いられるという事になりますし、そもそも、借金の返済が月々50万円の弁済を裁判所が現実的に認めるかというのも、疑問符が付きます。

そういうわけで、給与所得者等再生は債権者の意思に関係なく民事再生が可能になりますが、その分弁済額が大きくなってしまうという短所があります。

結局、どの方法を使うのか?

民事再生の1番のポイントはマイホームだけは残すという事です。その代り、節制した生活をしましょうという事ですが、そこには、債権者の賛否、現実的に給与所得者等再生を選択した場合に弁済が36か月で可能なのかという色々な要素を考慮せねばなりません。

やはり、一番は所得がどれくらい見込めるかに左右されますので、そこが民事再生の見極めどころといえます。

民事再生手続きは家を残しながら借金を返済

民事再生手続きは家を残しながら借金を返済していくという過程がある方にとっては非常に良い手段ではありますが、様々な条件が課せられますので弁護士との相談が必須となります。 また、残念ながら、民事再生が現実的なものではないとなった場合には、自己破産という手続きに移行せざるを得なくなります。

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