銀行はお金を貸してくれないところ「自営業者がたどり着く信用保証協会」

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自営業者がたどり着く、信用保証協会

銀行にお金を借りたい!そういう経営者はゴマンといます。運転資金が足りない、手形が落とせない、業者への支払いができない…様々な問題が年末年始にやってくることもあれば、年度末にある場合も。

銀行はいったいどういうところなんでしょうか?

借りてくれ!とやってくる銀行員

全国各地の銀行が合併を繰り返すうちに、昔の通帳が使えなくなっていることがあります。

また、相互銀行が普通銀行に変わったり、都市銀行の北拓(北海道拓殖銀行)や日本興業銀行などの破綻で、銀行の勢力図も全くといいほど変わってしまいました。そして、最近はソニー銀行、イオン銀行、楽天銀行など、店舗を持たないネット銀行が増えており、その業務は非常に個性的です。

ですが、銀行を頼りにするのは、やはり事業主です。特に信用金庫は特定の地方にしっかり根ざして、支店を建てたからには、数十年も同じところで頑張って営業するものです。都市銀行や地方銀行が業績不振や合併などで支店を閉鎖したり、建て替えをするために、移転するのととは訳が違い、信用金庫は古くなっても建物にお金をかけずにそのまま、というところが少なくありません。

日本の銀行や信金など、全てが金融庁の監視下にあります。ですが、全国組織では珍しく、農林水産省の監視下にあるのがJAバンクです。日曜夜のテレビ番組「サザエさん」のスポンサーのひとつであることから、認知度は高く、JAバンクという名前から、農協が経営しているとは知らない人もいるようです。

JAバンクの職員は、農家に出入りするのが仕事です。農協組織はお金を貸し付ける、農機具を買わせたりリースを行う、農家に苗や種、肥料を斡旋する、などの諸々を行い、最後に収穫の際に農作物などを買い取りますが、その指定銀行がJAバンクです。ですから、農家や酪農家などはこの銀行に強制的に付き合わなければなりません。

JAバンクの職員も、営業マンなら「借りてください」と強制的です。日本の銀行は総じて同じなのですが、借りたい人には貸し渋り、借りたくないなあ、と考えている人には無理に貸そうとします。信用金庫はそういう体質とは若干違いますが、銀行の場合は、どこも変わりありません。

信用金庫は異動が少ないが、銀行は異動ばかり

銀行はなぜ、お金を貸してくれないんでしょうか?そして借りたくもないところに「借りてください」と回るんでしょうか?これは非常に簡単なことですが、銀行は規模がどうであれ、支店が数多くあることが理由です。お金を預かる職業は、長く同じセクションにいることが「慣れ」という温床になりがち、と見なされ、定期的に異動が発生します。

支店が変わる人もいれば、所属が変わる人もいるでしょう。最近は女性行員が増えていますが、その多くは正社員ではなく契約社員のケースが多いことから、異動する人としない人がいて、顧客が不思議な思いをすることがありますが、基本的には、銀行経営には金融庁のマニュアル通りにしなければならないのです。

さて、異動して初めての支店勤務で、営業の行員はなんの前知識もなく新規顧客開拓を強いられます。お金のありそうな住宅を回り、預金してもらえないか頼みます。例えば神奈川県鎌倉市は高級住宅街があちこちにあり、著名人が多く在住しています。そうしたところは、一流銀行の営業マンがすっかり縄張りにしているのですが、それでも果敢に攻めていかないといけないのです。

彼らは3年ほどしてようやく顧客を獲得したはいいが、異動になり鎌倉から離れます。そうなると、顧客はその銀行口座は残すものの、気に入った営業マンでなければ信頼関係は構築しません。そうした人間対人間の付き合いが必要にもかかわらず、大手銀行になればなるほど、その辺りがないがしろにされます。銀行も合併を繰り返したため、独自の文化がなく、与信能力がなかなか育ちません。その結果、企業を見る目も人を見る目も育たないことが多く、貸すことで大きく伸びそうな人材や会社に、融資することなく、結局チャンスを潰していることが多いのです。

銀行は、人として付き合えるかどうか

大手銀行であろうと、中小銀行であろうと、お金を貸してくれるところは「信頼関係」を持っているところでなければ不可能です。一部上場企業の場合は、社員の退職金積立や、引き落とし給与口座、会社の当座などを持ち、借り入れも社長、専務などが心変わりしなければ、まずそのまま取引成立になります。

ですが、銀行も国内だけでなく海外に打って出るケースが増えてきて、海外のビジネスを肌を知ることになります。海外ビジネスでは、現地で融資を行うことになるわけですが、与信能力は自分たちができないため、日本政府が持つ保証機関に依頼することになることが少なくありません。

つまり、信用保証協会に中小企業の経営者が訪ねるのと同じように、日本の銀行が政府の保証機関に厄介になるわけです。それは、リスクを多少とも減らしてはくれますが、税金投入といったことまでは政府はやりませんから、銀行は自ら、渉外を行わなければなりません。つまり、現地で人と人の付き合いを行うことになるのです。

 

お金を貸すリスクと、貸さないリスク

銀行にとって、お金を貸すリスクは、貸出利率として計算できます。貸す相手を財務諸表でランク付けし、危ない顧客は高い金利を付けて貸します。彼らは、顧客が自分のところ以外にも付き合いがあることを承知です。

A銀行よりもB銀行の方が金利が安いとなれば、顧客はBとの付き合いを重視します。かといって、A とも細いつながりを持っておくことも忘れません。企業も経営のためにはこうした資金インフラが何本も必要なのです。

銀行としても、お金を貸さないというリスクは業務を行わないことと同じです。自前で運用や生命保険の販売手数料をもらうだけならば、銀行業ではなく、ただの代理店業務でしかありません。

貸さないことは、銀行としての流動資産を確保できず、株主への責任も全うできないのです。ですから、銀行はお金を貸さないリスクより、貸すリスクをとることになります。

だから、消費者金融を傘下に持ち、貸金業を強化する矛盾を抱える

銀行が一般市民にお金を貸すには、担保が必要ですし、口座への預金と半年、1年、2年と様々な公共料金などの引き落としに利用されなければなりません。

ですが、消費者金融の場合は無担保です。借り手は債務状況を細かく提出する必要はなく、審査は非常に簡単です。だからこそ、金利は10%、18%と高いけれども、確実返済される度合いは高く、貸し倒れになったとしても、他の借り手の金利分で十分穴埋めができるように設定されます。

銀行は容易に貸さない。ですが、その代わりに容易に貸してくれる消費者金融を持ったことで、帳尻を合わせているのは、なんとも皮肉なことです。

銀行はお金を貸してくれない

銀行ほど、強い業種はありません。100万社もある日本の企業の99.9%までがどこかの銀行から資金を借りています。 ですが、その中身は本当に複雑であり、貸したくて貸しているのでもなければ、貸したくないのに、貸している場合もあります。銀行とはそういうものです。

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