これだけは知っておきたい「過払い金」の制度

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過払い金制度を理解しよう

   
テレビなどで、弁護士事務所が「過払い金を取り戻します」等のCMを流しています。

「過払い金払い」が払いすぎた利息ということぐらいは、何となくわかるかと思いますが、どのような仕組みなのか、一般の消費者には意外と知れていません。

過払い金とは?

   

過払い金(グレーゾーン金利)とは、消費者金融、クレジット会社、大手デパートカードなどの貸金業者が、「利息制限法」と言うで定められた利息の上限を超えて、取り続けていた利息のことを言います。

言い換えると、1000万人以上の日本の消費者が、知らず知らずのうちに取られ続けていた、払い過ぎた利息のことを言うのです。

複数の借り入れがある人(多重債務者)や、年収の少ない専業主婦の方は、毎月の利息の返済だけでも大変であり、なかなか元金を返済していくことが難しい人もいると思います。

キャッシング利用者は1400万人以上で、実に日本の労働者の5人に1人とも言われています。

キャッシングをすると、利用者は貸金業者(消費者金融など)に利息を払わなければなりません。

日本では、昔から「利息制限法」と言う法律で「総額10万円~100万円未満のキャッシングについては、18%以上の利息は取ってはいけない」と定められています。

   
しかし実際には、多くの貸金業者(消費者金融など)がこの法律に違反し、18%以上の利息を長年にわたり取っていたのです。

このような事態が長く続き、当然ながら裁判で訴えられました。

その結果、最高裁判所は「貸金業者(消費者金融など)は、利息制限法で定められた以上の過払い金(グレーゾーン金利)を、キャッシング利用者に返還しなければならない」という判決を出したのです。

過払い金の返還請求とは?

   
貸金業者(消費者金融など)から違法な高金利を要求され、それを返済し続けていたキャッシング利用者が、払い過ぎた利息を取り戻すために行う手続きを、「過払い金返還請求手続き」と言います。

これは、裁判所も認めている、キャッシング利用者の当然の権利だと言えます。

一般的な貸金業者(消費者金融など)の多くは、「利息制限法」と言う法律で規定された18%の利息よりも多い29.2%もの利息を取っていることが多いために、今までに払い過ぎた差額の11.2%(29.2?18=11.2)の利息を貸金業者(消費者金融など)から返してもらったり、現在ある借金の元本に充当することで、借金の減額をしてもらったりする手続きが可能となっています。

   
この制度は、キャッシング(借り入れ)を完済している人にとっても、過払い金返還請求手続きを行うことによるデメリットはありません。

なぜなら、簡単にしかも誰にも知られることなく、払い過ぎた大切なお金を取り戻すことができるからです。

ただ、過払い金返還は10年経過してしまうと「時効」となって請求できなくなります。

また、消費者金融等が倒産しても返してもらえませんので、速やかに手続きを行う必要があります。

過払い金返還請求の注意点とは?

  
 過払い金返還請求で注意することは、まず「時効」が設けられているということです。

過払い金返還請求ができるのは、借金を完済した翌日から10年間であり、その期間を過ぎてしまうと返還請求することができなくなってしまいます。

また、次に注意することは、取引きしていた貸金業者が倒産している場合、過払い金が存在していても過払い金返還請求はできなくなるという点です。

また、訴訟や調停は裁判所で平日に行われますので、過払い金を自分で請求することは、可能ではありますが、多くの判例を参考にでき、実績ある専門家(弁護士、司法書士)に任せるほうが、安心です。

過払い金返還請求の和解

 
 ところで、最近弁護士が交渉を行っても、過払い金を全額返してくれる会社が減ってきています。

もちろん、訴訟を起こして判決をとれば全額返還が可能ですが、時間と手間がかかってしまうのが難点です。

話し合いでの解決は、「和解」といい、両者が互いにゆずり合って問題を解決させるのです。

しかしながら、金融業者の中には、「この金額でないと和解できない。これ以上を求めるのなら訴訟でも何でもしてくれ」という業者もいます。

このような業者への対応はとても難しくなってきています。

弁護士・司法書士事務所に依頼する場合にも、自分で過払い金返還請求をする場合にも、和解書(合意書)は、重要な書類であり、一種の契約書だとも言えます。

では、その若い所にはどのような内容が書かれるのでしょうか。大まかには、以下のようになります。

1和解する当事者の名前

2和解する具体的な内容(金額や返還を行う時期など)

  3和解したことによって、どういった効果が生まれるのかの記載

  4その他特記事項

  5和解した日付

  6当事者本人の署名・捺印

和解書は契約書であるため、一度やりとりが完了してしまうと、その内容をくつがえすことは難しくなりますので、慎重に作成しなければなりません。

 大手貸金業者の決算結果が見てみると、収支内容はどこも芳しくありません。

貸金業者の言い分としては、「昨年度も赤字だったので、もうお支払いが厳しいです」といったものが少なくありません。

中小貸金業者のほとんどが「0円和解」を提案してきますし、最近では大手貸金業者でもそう提案する場合があります。

この「0円和解」とは、「貸し借りの関係は、もうなにもありません」ということです。

「借金をなしにします」という連絡がきたので、有利な内容だと思い、契約書の取り交わしをされてしまう人がよくいますが、少し思いとどまる必要があります。

なぜなら、本当は過払い金が発生している可能性があるからです。

しかし、「債権債務なし」と書いてある契約書で契約してしまったら、後で過払い金を取り戻すことは難しくなります。

「借金をなくします」といった一見有利なことを提案されても、まずは専門家に相談することが大切です。

過払い金が回収できない場合とは?

   
以上、説明したとおり、上限金利を超えた利率で返済していたことがあるのなら、ぜひ「過払い金返還請求」を検討する必要があります。

もちろん、自分で計算をして実際に貸金業者に対して請求するという方法がないわけではありませんが、やはり過払い金請求に詳しい弁護士や司法書士に依頼して任せてしまうのが、最も確実です。

素人が請求しようとする場合には、かなりの労力・時間がかかりますし、やっとの思いで請求しても、相手にしてもらえない可能性があります。

ただし、弁護士や司法書士に依頼しても過払い金を取り返せないケースがありますので、注意が必要です。

  
 まず、「時効になっている場合」です。

他の法律行為と同様に、過払い金請求にも時効があります。

最後に取引をした日か10年以内に請求しないと、請求権が消滅してしまうのです。

最後に取引した日とは、すなわち完済日のことになります。

例えば、2010年4月1日に完済した場合、2020年4月1日に時効となってしまいます。

時効になってしまった後に、過払い金請求をすることは非常に困難です。

それでは、完済後に再び借入れした場合は、どうなるのでしょうか。

完済後に、再び貸金業者から借入れる人は少なくないと思います。

この場合、時効はいつから計算されるのでしょうか。

例えば、Aさんが2005年9月1日にB社でローンを組み、2010年9月1日に完済したとします。

これを「取引C」とします。

Aさんは、2011年4月1日に再びB社でローンを組み、2015年4月1日に完済しました。これを「取引D」とします。

本来なら、取引Cの時効は2020年9月1日、取引Dの時効は2025年4月1日です。

しかし、この事例では、取引CとDの間隔があまり空いていないので、「CとDは継続した一連の取引である」と主張できるのです。

もし一連の取引であることが認められれば、取引CとDの時効は、いずれも2025年4月1日となります。

それでは、2つの取引が「一連のものであるかどうか」はどのように判断されるのでしょうか。

まずは、取引の間隔が重要です。間隔が何年も空いてしまうと、難しくなる確率が高まります。

また、契約書やカードが同じものを使っていることも大切です。

2つの取引に同じ契約書、同じカードが使われていたら、「一連の取引である」と主張しやすくなります。

ただし、実際にはその他の条件で含めて判断されるため、一概に「これなら大丈夫」という条件は確立していません。

ケースバイケースですから、必ず弁護士や司法書に相談する方が確実です。

   
次に「業者が倒産してしまった場合」です。

過払い金を請求したくても、請求先が倒産してしまっていたら、請求の方法はありません。

消費者金融のなかには、経営がうまくいかず、倒産してしまう業者が少なくありません。

   
最後に、借りた業者が「違法業の場合」です。

過払い金請求ができるのは、あくまで相手が正規の業者である場合です。

もし相手が違法業者ならば、過払い金を回収するのはまず不可能です。

違法業者は、利息制限法の上限金利など守りません。

平気で法外な金利を付けてきますし、そもそも実態がつかめません。

唯一の手がかりである携帯電話は、他人名義のものを使っていることが多いです。

相手の名前や住所がわからないかぎり、過払い金を請求することはできません。

そのため、違法業者からの借入れは過払い金発生の可能性が高いものの、回収は難しいのです。

過払い金は当然の権利である

    過払いした分を返還してもらうのは当然の権利ですが、専門的な知識が不可欠なので、弁護士や司法書士にまず相談しよう。

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