ヤミ金からお金を「借りる」人はなぜ減らないのか?

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そもそも、誰がヤミ金からお金を借りているのか?

このコラムを読む方の中に、ヤミ金からお金を借りている方はいないでしょうか?

それとも、ヤミ金とは全く無縁、と思っている方ばかりでしょうか?

実際に、ヤミ金からお金を借りてしまう人は、必ずなんらかの事情があります。

人はお金を借りる相手に「銀行」「信金」といった金融機関、知人や親、親戚といった「個人関係」などがほとんどでしょう。

そのほかにお金を借りる場合、生命保険の「解約返戻金=積立部分」から借りる場合もあるでしょう。

以上のケースでは、担保があるケース(住宅ローン、教育ローン、マイカーローンなど)、個人的な信用で借りるケース(友人同士、親からの借り入れ、出世払い等々)、そして生命保険の場合は自らが払い続けている保険料から「積立されている」部分を、前借りするケースです。

そのほかにお金を借りる場合、どういう方法があるのでしょうか?

代表的なものに「信販会社」のクレジット、「消費者金融」のキャッシングなどがあります。

信販会社の場合は、常にクレジット払いを続け、銀行引き落としに滞納さえなければ、信用が付き、自動的にキャッシング枠が付いていきます。

これに対し、消費者金融の場合は全くの「無担保」で借り入れする、というイメージがあります。

特に、インターネット上で借り入れ審査を行うケース、街中の無人借入機でお金を借りるケース、あるいは担当者に直接いくら借りられるのかを審査依頼するケースなど、様々です。

消費者金融はお金を貸す場合、氏名と生年月日、勤務先などを告げるだけで、個人情報を手に入れることができます。

その個人情報とは「過去に借り入れて、返済できなかったことはないか」という一点に絞られ、他者からの借り入れ額の総額も「年収の3分の1を超えない」程度に限定されます。

では、ヤミ金に借りる人とは、どういった人でしょうか?

消費者金融は、現在は銀行の傘下に入ったり、金融グループに吸収されたりしていますが、これは過払い金問題で自己資本を大幅に減らし、自主経営が不可能になってしまったのがきっかけです。

法律改正によって、消費者金融は淘汰され、地下に潜ったのがヤミ金です。

ヤミ金でお金を借りる人とは、簡単に言えば「銀行からも、信販会社からも、クレジット会社からも、消費者金融からもお金が借りられなくなった人」なのです。

これ以上借りられない…生活も困窮し、今日生きるのも大変…という人がヤミ金を訪れるわけです。

借りたお金が返せない多重債務。そうした人になぜヤミ金はお金を貸すのか?

金貸しをテーマにしたテレビドラマや漫画では「難波金融伝・ミナミの帝王」や「ナニワ金融道」が有名。

こうした金貸しは「マチ金」と呼ばれ、主に自転車操業の自営業者や、中小企業オーナー、風俗関係者などが多く顧客になっていきます。

中でも、手形が落ちないために、資金繰りができなくなり、100万円、200万円と都合してもらう中小企業の経営者は御多分に漏れません。

ですが、こうしたマチ金は、現在姿を消し、個人を相手に金貸しを行うヤミ金が出現します。

マチ金の場合は、マチ金自体が金貸しでもあり、土地のブローカーでもあり、様々な事業でのし上がっていたのですが、ヤミ金の場合は完全に多重債務者一本に絞って、金貸しを行います。

通常、多重債務者ともなれば「お金を貸したら、返ってこないのではないか?」と思われるでしょう。

むろん、ヤミ金も10人に金を貸して1人に返して貰えばいいような「金利」を設定しています。

ですから、当然9人には「逃げられる=貸し倒れ」は想定内です。

ですが、中には1人くらい「ちゃんと返さなければ…」という人がいるわけです。

そこが、ヤミ金業者の「収入源」になっていきます。

「とさん」「とご」「となな」などという言葉がありますが、これは「10日間借りて、元金の3割の利息」「5割の利息」「7割の利息」というとんでもない高利貸しを指します。

現実は、1万円を借りて、10日後には1万5千円を返さなければならない、だけではありません。

10日後、返せない人にお金を貸すのがヤミ金です。

10日後に利息と元金、耳を揃えて返してもらうだけでは、儲けはほとんどありません。

要は、10日後返せない「多重債務者」だから、お金を貸し付けます。

返済期日に返せない。

ならば、そこで一旦借金を棒引きにして、新たに新規借り入れさせます。

これを「ジャンプ」と言いますが、最初の1万円が1万5千円になり、この金額が今度は3万円に膨らむ…というように、雪だるま式に金利が増えていくような仕組みが、ヤミ金です。

10日後、1万5千円が返せない…そういうお客に、ヤミ金は1万円を貸します。

この時の返済額は3万円、いや4万円になっているかもしれません。

つまり、一旦お金を借りた顧客は、その後返しても返しても借金が膨れ上がる現実に「溺れて」しまうわけです。

ヤミ金が「悪」とされる根拠とは?

大概の人は「ヤミの社会」「心の闇」などと、ヤミという言葉に暗いイメージを委ねます。

実際、マチ金やサラ金がどこの街にも店を出していた時分は、夜逃げ騒動や債権者が会社に押しかける…などという派手な事件が全国で相次ぎました。

ですが、マチ金やサラ金が「世間で問題化」したのは、サラ金最大手の「武富士」の弘前支店強盗殺人・放火事件(2001年5月8日)でした。

犯人は知人の頼みで武富士から金を借り、結局知人一家は自殺に追い込まれ、犯人も膨れ上がる借金に精神的に追い詰められて事件を起こします。

最終的に、犯人は逮捕され、最高裁で死刑が確定し、執行されています。

この事件は、サラ金の無謀な「借金取り立て」にマスコミが注目し、その異常な貸し付け金利は、国をも動かすことになります。

2010年6月18日に完全施行された、改正貸金業法において、全ての貸金業は上限金利を「10万円までは20%、100万円までは18%、それ以上は15%の利息制限法を適応する」こととされます。

もう一つは「総量規制」で、年収の3分の1を超える貸し出しはできなくなりました。

つまり、与信の段階で「源泉徴収票」「所得証明」などが必須項目になったわけです。

もう一つ、こうした上限金利を超えたまま、今なお返済し続けていたり、時効内(10年)であれば、過去にさかのぼって過払い請求ができることが、認められました。

これにより、世間一般で上限金利以上の借金返済を完了した人まで、過払い請求を行うこととなり、サラ金業者、消費者金融など、一斉に違法分を返済せざるを得なくなり、経営が立ち行かなくなった企業は破綻するか、大手銀行に吸収されていったのです。

こうなると、どうしても借りたくても借りられる場所が「無くなってしまった」のも事実。

それも1万円、3万円といったお金を借りようとしたくても、誰も貸してくれない場合、ヤミ金に出向いてお金を借りる…というケースが定番化してしていきます。

こうした場所で借りる人は、多重債務者ばかりですが、中には専業主婦なども数多くいます。

ヤミ金では「積極的にお金は貸そうとしません」。

ただ、お客がどうしても借りたい、ということで、やむなくお金を貸す…というスタンスを取ります。

ここで、お客とヤミ金業者の一種の「信頼感」が確立されてしまいます。

そして、10日後、お金を返済しようと店にいったところ、休業。

結局、顧客がお金を返せなくなって、ジャンプさせられてしまい、再び借金をする羽目になります。

つまり、こうした繰り返しが「事実上の追い貸し」であり、法定利息の数百倍にも上るヤミ金利へと駆け上っていくわけです。

返せなくなった人たちの場合、男性ならば「マグロ船」を紹介され、女性の場合は「風俗店」行きとなってしまいます。

つまり、ヤミ金の真実は「お金を貸すことをきっかけにした、他人の人生を破綻させる罪」そのもの、と言えるのです。

社会人とは、自分の力でお金を稼ぎ、人からお金を貸してくれるような信用をつけること

ヤミ金から脱出するには、弁護士や司法書士の力が必要です。 ですが、彼らも年々巧妙化していくヤミ金業者の手練手管に、手を焼く場面が少なくありません。 それは、ヤミ金自体が「架空の業者」であったり、携帯電話一本で営業していたりと、正体がなかなか掴めないことが多いからです。 ですが、大事なことは「お金を借りる相手を持っている、それだけ信頼に厚い人物になること」です。 現代社会は、何かと他人との距離が遠く、ネット上の付き合いばかりが目につきやすくなっています。 人は、やはりコミュニケーションを時下に行わなければ、心の中まで通じ合えません。 ヤミ金からお金を借りられざるを得ない人たちの多くは、他人との関係が希薄な場合は多いのです。 毎日を生きる、それは人と人との意義のある関係を結ぶこと、それが全てなのを、ヤミ金問題は証明してくれるのです。

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