ノマドワーカーという生き方「フリーターと何が違うのか?」

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ノマドワーカーはポテンシャルの高さ、フリーターは普遍性

ノマド=遊牧民という言葉は、最近聞かれるようにはなっていますが、実際にはごくごく一部のプロフェッショナルにしか当てはまらないのではないか?という意見が主流です。いったいどういうことなのか、推察してみましょう。

ノマドは自由ではない

区立図書館や県立美術館といった公共スペースには、談話室や新聞が読めるようなフリースペースが完備されています。こうした場所にノートパソコンを持ち込み、仕事をする人たちを「ノマド」と称するメディアがあります。いったいノマドの定義とはなんでしょうか?

もともと、図書館のフリースペースは「調べ物をする人たち、あるいは受験勉強をする人たち」などに使われるのが一般的でした。

それが、利用人口で一番多い60代以上の高齢者の憩いの場になっています。新聞や週刊誌を広げ、空いている時間をそこで費やす理由は、夏場は冷房が効き、冬場は暖房があり、トイレもあること。そして読書に事欠かないわけで、いつの間にか老人世代の占拠とでもいうべきスタイルが、どの地域でも定番になっています。

こうした場所で、ひたすらパソコンのキーを叩くことは、非常に勇気のいることです。

その微妙なカチカチという音すら、きになるような人たちが多く近くに座っており、実際に仕事がはかどるのかは疑問の余地が残ります。また、パソコンというのは充電の問題もあります。そして、携帯電話でのやり取りは、世界中どこでも必ず行われますから、突然静寂を破られるようなものを禁止している場所では、通話は不可能。ノマドは場所を選ぶのが実情です。

つまり、ノマドとは言っても、場所を自由に…というのは無理な話なのです。

ノマドワーカーはフリーランス。そのメリットとデメリットは?

ノマドがもてはやされている、とはいっても、重要な部分が欠落しています。それは「社会保障」がないことです。

雇用される、ということは社会保険に加入することを意味します。そこには「健康保険」「年金」「労災保険」「失業保険」の4つが含まれています。企業は人々を雇用するだけで、これらの義務が生じます。これは年収に応じて高くなりますので、場合のよっては会社負担は莫大なものになります。

これに対して、ノマドは仕事契約という関係でしかなく、単なるクライアントという位置関係です。そして、ノマドになる人も、いざ自分が病気にかかったり、事故で怪我をしたり…という場合の保障が全くありません。それは結局個人で加入する健康保険、年金、そして民間の収入保障保険など必要だと思えば、自分で手続きから費用から全て行わなければなりません。これは意外に高くつく経費の一部なのです。

確かに、場所を選ばず、会議やスーツなどを必要とせず…といったコストの少なさは有利でしょう。仕事ひとつの単価がそのまま収入になるわけですから、これほどおいしいことはありません。ただ、ネット上の取引はやはり未払いというリスクもあり、それが見えない相手だけに、信頼関係はなかなか大変かも知れないのです。

結局はフリーターと同じ、その位の気持ちが一番だ

現在、自分はノマドワーカーだ!と認識している人はそう多くはないようです。なぜか?ノマドワーカーの定義が全くないのが実情だからです。私はフリーターです…といえば自虐的な意味合いが高く、いかにも「収入は不安定、結婚は無理」などと枕詞がつくイメージが漂います。

しかし、よく考えれば、江戸時代は士農工商のうち、武士と商人以外はすべてノマドワーカーでした。特に江戸の街は何度も大火事に見舞われ、職人も長屋に住みながらいろいろな場所で物を作り、それを店先で売ったり、技術を買ってもらったりしていました。物を売る場所は寺の境内だったり、神社の一角であったりと、決まっていたのです。

結局は名前だけの話であり、どこでも仕事ができるのは、結局無線で繋がっているというだけの話。ノマドもフリーターもあまり意味はないのだ、と感じるのが正解でしょう。

 

特殊能力がノマドワーカー、それは過信しないほうがいい

よく、プロフェッショナルな人材をノマドワーカーという言い方をあえてする人がいます。ですが、それは例えば芸術家などがそれに当てはまるでしょうか?有名なヴァイオリニストやピアニストは、場所を選ばず、楽器があって楽器が弾ける場所だけで、生計を立てられる人も少なからずいます。

また、著名であれば、レッスンを受けたい人もいれば、ファンだ、という人には食事をおごってもらえて、お金がなくても生活できる人はごく一部にいるのです。

こういう人はノマドワーカーの一部でしょうか?いいえ、こういう人はノマドどころか、リムジンが迎えに来る高級な職人とでも言える人々。ですから、ノマドはあくまでもネット上の砂漠を歩き回って仕事をする、という前提だけなのです。

ノマドの危険性、それは結局インフラの遮断とモバイル機器の脆弱性

最終的に、仕事はインフラに尽きる…これが全ての根源だ、ということです。我々は大変な努力を経て開発した先達のおかげでIT環境を格安で使えるようになっています。ですが、それは格安だからこそ、ウイルスや悪意のあるメールなどで安全とは言えません。それがノマドワーカーの一番の危険性ということなのです。

ノマドワーカー

ノマドワーカーは良い面もありますが、実態は大変難しいといえます。フリーターと実態は変わりません。 むしろ、フリーターであることを自覚して、あまり肩書きに頼らないほうがのびのび仕事に熱中できるでしょう。

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