利益率50%!家具屋が儲かるその理由とは?

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大塚家具の騒動は、実は裏がある

関東に8店舗、関西と東海に3店舗ずつ、そして福岡と仙台に1店舗を展開する、大塚家具。

2015年7月には創業者一族の経営権を巡る争いが、世間で注目を浴びました。

実は、大塚家具が有名だ、とはいっても、それは日本全国でも一部の地域にしか過ぎません。

ほとんどの方は家具をどこで購入しているのでしょうか?

ネットでしょうか、それとも家具屋さんでしょうか?

それには、この業界の古いしきたりが色濃く反映されているところから、話を始める必要があります。

ニトリは熱帯地方の木材で、家具を作る

ニトリやIKEAといった量販店が日本国内を席巻しています。

ニトリは2013年に、国内店舗数が300、そしてアメリカにも2店舗を進出し、家具大国への挑戦が始まりました。

では、ニトリとはメーカーから安く商品を仕入れ、販売することで利益を得ているのでしょうか?

実は、ニトリはインテリアデザインを行い、自らメーカーとして家具を生産しています。

実際にニトリに入店すると、生活雑貨とインテリアは全て調和の取れたものになっており、ディズニーやキティちゃんなどのキャラクター商品はありません。

つまり、キャラクター商品ではなく、白やグレー、クリーム色を基調としたシンプルなサイドボード、タンスや食器棚、サイドボード、キッチン周りなどを商品化しています。

ニトリの生産拠点は、インドネシア(1994年稼働)、ベトナム(2004年稼働)の2ヵ所の工場。

インドネシアといえば、日本の楽器メーカー、ヤマハがボトムレベルのグランドピアノを生産するなど、実は木材が豊富なことが知られています。

ただ、ニトリの家具の場合、キッチンボードや食器棚など、多くは MDF といわれるチップボード製品。

これは木屑などを集めて接着剤で固め、板状にするものです。

これに化粧板を張り、木質そっくりにみせるのですが、実際の木質よりも軽く、格好しやすいところから、製品化の中心になっているわけです。

イケアは本国、スウェーデンで何も作っていない

ニトリがモデルにしている、世界的なファニチャーデザイン、そしてファニチャーカンパニーがイケアです。

今でこそ、北欧家具はメジャーな存在になりましたが、もともとスウェーデンで有名なのは、テキスタイル。

つまり、壁掛けや布団カバー、テーブルクロスなどでした。

王室が存在している国は、工芸品が連綿と受け継がれているのですが、家具がメインとはいかなかったのです。

いま、世界で力のある衣服ブランドに H&M がありますが、これもスウェーデンの企業。

日本で言えばユニクロに当たりますが、その色使いはとてもカラフルで、ファッション性が優れていることから、世界中の大都市に店舗を構えるまでに成長しました。

イケアに行ってみると、全ての商品がとても安いことがわかります。

照明器機、スリッパ、クッションからカーテン、そしてハンモックからテーブルまで、全てがカラフルで安い。

ですが、最後に支払いレジに到達するまでに、お客さんは巨大な倉庫内で自分が購入するソファーやテーブルなどのパーツセットを、探さなければなりません。

時には梯子を上って、それを見つけ、それをゆっくり下ろしながら、巨大なカートに載せるのです。

そこには誰もスタッフおらず、セルフサービスで品物をレジまで運び、最後に自分の車に運び入れるのです。

ここで、ようやくイケアの戦略がわかります。

そう、家具の代金で、もっとも高額なのは「運送費」だということを!

ちなみに、イケアの家具はアメリカ、ドイツほか中国でも作られています。

世界11カ国で生産、という説明もあり、スウェーデンで行っているのはデザインだけです。

つまり、イケアはワールドワイドのビジネスとコストカットのビジネスを見事に融合させているわけです。

ニトリやイケアの利益率はどうなのか

ニトリ、イケアの粗利率は44%前後と言われています。

粗利はそのまま純利益となるわけではありませんが、単純に10,000円の椅子を一脚販売して、4,400円もの利益が出ることから、驚異的な数字と言えます。

イケアの場合は、さらに驚くべきことがあります。

それは広告宣伝費がほとんど無い、という実態です。

さらに、イケアの利益を上げているのは「配送料」です。

日本の会社は配送料無料、あるいは何円以上の買い物の場合は無料…などとサービスを行います。

ですが、イケアではこのようなサービスは一切ありません。

ですから、机一台購入して、都内5km圏内で配送料が5,000円、ということもありうるのです。

名古屋では結婚式をする場合、トラックに大きな嫁入り道具を乗せて、新居に運ぶ伝統があるようです。

結納品を売る商売、あるいは新婚家電品、家具などを一式揃えて販売する商売では、おめでたいイベントということで、おもいっきりサービスを行います。

もちろん、花婿花嫁両家では盛大に式を行い、お金を使いまくります。

ですから、配送という文化が栄えているわけです。

でも、よく考えれば、家具の代金と配送の代金は全くの別物です。

配送業者は家具屋と顧客の都合で車を走らせるわけですし、そのタイミングがいつなのかはわかりません。

ですから、トラックを常に待たせておく、というわけにも行かないのは自明です。

配送業者も毎月収入がなければいけません。

だからこそ、大きな家具屋やたくさんの家具屋と契約することで、収入の保証を得るのです。

イケアでは、これがありません。

配送ですか?はい、そうです…そんなダジャレでも出そうなくらい、配送サービスには無頓着です。

ですが、本来これが欧州の商売のやり方、といってよいでしょう。

大塚家具の粗利はなぜ高いのか

大塚家具や東京インテリア家具、といった会社の粗利が高いのは、なぜなのでしょうか?

これは、家具メーカーから仕入れる価格が最初から決まっていることが原因です。

例えば、岡山のデニム地を使ったソファですが、ひとつが63万円程度で販売されています。

岡山はジーンズメーカー生産地で有名ですから、その生地はまさに一級品です。

ところが、その仕入れ価格はおよそ半分、と言われています。

大塚家具は仕入れ価格同額の儲けを出しますので、さらに多くの家具を仕入れることができるわけです。

自己資本率が70%にも及ぶのは、このため。

特段宣伝もしない高級店なので、顧客は大塚家具で購入した、というプライドを持つことができます。

これに対して、地方の中規模家具店に行くと、値引き交渉が普通です。

それが当たり前だと思う客は、仕入れ価格と販売店のマージンの差が結構あることを知っているからです。

こういう家具店へ家具を納めるメーカーは、非常に苦慮しているのが実情です。

ニトリほど徹底して安い家具は生産できず、イケアのようなエンドユーザーが組み立てるような家具は作れない。

そうなると、日本で一番多い、問屋を通して販売してもらう家具メーカーは、いかにコストを下げて、統一した商品を淡々と作り続けるか、ということを考えるようになります。

その結果、見てくれはそれ相応ですが、蝶番の位置が狂っていたり、数年で歪みが出るような家具が平然と売られるようになってしまいます。

こうした家具は数年で色が変色し、中には取っ手が取れてしまったり、最悪壊れてしまうことも少なくありません。

結果として、日本では値段そこそこの家具が作られない状況が続いてきました。

大塚家具や東京インテリア家具で購入するような数十万、数百万円もの家具か、あるいはニトリやイケア、無印良品の家具かのどちらかしか選べなくなる日も近いのです。

結局、それは消費者が良い家具を安く買うことが不可能になることを意味します。

これが、現在の日本の家具購入の実態でもあります。

オーダーメイドの家具を手に入れる

では、どうしたら安く、良い家具が手に入るのでしょうか?

これには、ちょっと視点を変える必要があります。

日本には家具を作る職人はほとんどいないのが実情です。

秋田の天童木工のような超高級家具店の職人などはもちろん例外ですが、全国各地に椅子やタンスを作ってくれるような職人は、まず存在しません。

その中で、実はオーダーメイドの家具を作ってくれる職人が身近にいるのをご存知でしょうか?

それが大工です。

大工の多くは建物の施工段階で、仕事が終わりだと考える人が多いようです。

確かに、構造部分だけを専門に行う大工はたくさんいます。

ですが、実際には建物の内装ばかり請け負う大工も多くいます。

こうした人たちに、デザイン性のすぐれた椅子を作ってくれ、というのは無茶な話でしょう。

ですが、家に適した棚、テーブル、あるいは階段した部分の収納など、様々なアイデアは彼らの領域です。

つまり、作り付けの家具を頼んでしまえば、新たに家具を買って運んでくる手間が省けるどころか、家ぴったりの家具が備わってしまうわけです。

もちろん、気に入った椅子やソファーは別に購入すればよいわけですが、ビルトイン冷蔵庫や、収納のためのタンス代わりの棚とスライドドアを作ってもらえば、新たなタンスを買う必要は無くなります。

そうすれば、コスト的にもワンランクいい椅子やソファーを購入することも可能になるのです。

お金をうまく使うことは、人を使うことそのもの

大工さんに家具を作ってもらう、そう考えると「無理だろう」と誰でも考えます。 ですが、家具付きの家を大工さんに作ってもらう、と考えれば「できるかも」という話になります。 つまり、家具をどうとらえるのか、それが大事になります。 気に入ったマンションで、内装に手を入れず、好きな家具を揃えたい人もいるでしょう。 ですが、一方で新築一戸建てやリフォームの家を大工さんに切り盛りしてもらうケースもあるはずです。 大工さんは客の注文に応じて、力を発揮したいと考えるもの。 つまり、職人は頼まれれば、誇りにかけてやり遂げようとします。 ですが、家具屋さんはそういうことはしないもの。 家具と部屋のレイアウトを考えて、いかに客の希望を叶え、あるいは新しい家具の見方を伝えようとするのです。 どちらが良いかは、あなたにお任せします。ですが、うまくお金を生かして、住まいを快適にすることが、大事ということはお分かりになるでしょう。

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