中国経済の動きがこれからの世界の動向を決める「アメリカの金融政策をも左右!」

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本当はAIIBに出せるお金がない?中国経済の動きと私たちの財布

一時期はアメリカに取って代わるかもしれないと言われた中国の経済に大きな動きが起こったことは皆様ご存知だと思います。

景気回復を受けたアメリカでも連邦準備制度理事会は利上げをしない方向としましたが、その理由に中国の経済におけるリスクを挙げるほど中国の経済は今変動しています。

中国の経済がアメリカの金融政策を左右するのは歴史上極めて異例で世界中の主要公的機関やビジネス関係者の人々も中国の経済の動きに注目をしているそうです。

中国の経済の不調を当然の成り行きと達観してみている日本人も多いようですが、この中国の経済の動きは対岸の火事を眺めているような場合ではない恐れがあるのです。

私たちの生活にも影響を大きく与えたリーマンショックもアメリカの出来事で「普通」に生活している人は「大変だなぁ」ぐらいに軽く考えていた人も居たと思いますが多くの日本人の生活状況は確実に悪化しました。

大国の大きな経済の動きは私たち日本人の一人一人の財布や銀行に預けたお金にも確実に影響が起こるのです。

今回はそうした中国の経済と私たちの財布、つまり日本の経済の関係性と与える影響について中国の経済のこれまでの推移について見直し、今後どうなっていくかを考えて見たいと思います。

中国の経済の躍進

中国の経済が大きく注目されるようになったのは、反対の意味で世界中の注目を引いたリーマンショックが切欠だと言えます。

リーマンショックによって先進国の総需要は激減し世界の金融市場は大混乱に陥りました。

日本でもこの事は大きく報道され、日経平均株価や外国為替市場に大きな影響を与え、それを自身で体感した人も少なくはないでしょう。

しかし中国はこの世界金融市場が混乱する中で4兆元、日本円で約56兆円の大規模で積極的な大型景気刺激策を発動し、自国のみならず中国経済の影響に大きく影響されざるを得ない新興国の成長を支え世界の注目を浴びました。

この中国の政策がなかったら、中国の経済が大きく動かなければ世界の不況はより深刻化していたでしょうし、日本だってバブル崩壊のときとおなじぐらいの生活水準レベルの低下を起こしたでしょう。

この時の中国の経済を大きく動かした大型景気刺激策の柱は4つ、一つは政府による大規模な投資、一つは広範囲な産業の調整と振興、一つは科学技術に対する大規模支援、そして最後の一つは社会保障レベルの大幅な引き上げでした。

例えば農村地域での家電普及促進策、その他の消費促進策はとても直接的な景気刺激策の一つであり、今まであまり積極的に世の中にお金を出さなかった人達の需要を作り出すことでお金を動かそうとする試みです。

他にも鉄道、道路、空港、電力などのインフラ整備、中低所得者層向けの社会保障となるような住宅建設、医療衛生や文化教育事業の発展といった国民への生活を重視した面が見られ、国民がお金を使えるようにすると言う方法でGDPを押し上げました。

「衣食足りて礼節を知る」と言う言葉もあるように、多くの人は生活の最低限の安定がなされている状態でないと社会の動きと言うものに参加する意思が沸かないのです。

中国の大金を投じて取ったこの大型景気刺激策は、正にこの最低限の生活を保障することにより、人々が中国経済の中に参加する意欲を刺激したのです。

しかしこの人々の需要を作ると言う政策には問題がありました。

それが現状の中国の経済が抱えた問題を引き起こしてしまったと言えるでしょう。

中国の経済に見えた陰りとその原因

中国の経済のみならずその中国の経済に大きく影響を受ける国の経済をも救った中国の大型景気刺激策にあった問題とはその柱の一つにあった政府による大規模な投資でした。

政府による大規模な投資とは言うもののその実態は、中央政府が財政を動かすにあたり、国有銀行による国有企業への融資が拡大するようにしたと言うものでした。

別にこの方法そのものは大きく問題とはありませんでしたが、この事が大きな問題を生む原因となりました。

国有銀行と言う巨大な資本をバックにした国有企業と言う権威ある企業の繋がりが太くなったことで融資を受けた国有企業は返済の当てのない、結果が出るかどうかが不透明なものにまで「無駄」となる投資を拡大して行ったのです。

経済成長において最も大事となってくるポイントは需要と供給のバランスです。

確かに大規模な投資は需要と供給を生み出し、それが拡大すればするほど経済は成長していきます。

実際GDPの需要側の方を見ると44%もの数字が投資需要から生まれています。

しかしあくまで投資したものに投資した以上の額の価値が生まれなければ投資行為は浪費行為と近いものとなります。

「官製投資ブーム」とも呼ばれたこの政府により行われた大規模な投資はそれこそ競うようにして行われ、将来性が不透明であろうと回収できなくなるかもしれない金額になろうとも続けられたのです。

中国の経済の現状

中国の経済状況は投資した先の現状が引き起こした問題だと言えるでしょう。

例えば世界盛大の鉄鋼生産国である中国は世界の鉄鋼生産量の約半分を担う国です。

そしてそれを作り出している巨大な資本設備がフル稼働するとなると、そこには世界の鉄鋼生産関係の需要の半分近くと言う大きな需要がないと元を取れたという事になりません。

そうでないと巨額の投資を実行したのにも拘らず、過剰設備を抱えたこととなり国有企業は投資に失敗、債務問題を抱えることになります。

こうした投資した額に見合わなかった施設や設備、投資したものの結果が出なかった制度や政策が徐々に現れだしてきたのです。

そうなると当然経済状態は徐々に悪くなっていきます。

国が使えるお金によって生み出していた需要と供給ですから国が使えるお金がなくなってくると同時に中国の経済を回していた需要と供給がなくなっていくのです。

そうなってくるとことは中国の経済の問題だけでなく、世界経済に影響を及ぼすことになります。

対中国に対する輸出に依存する国の中にはGDPの約二倍と言う数字に達する民間債務の発生しているところもあり、中国の経済の成長が弱くなる又は鈍くなる悪影響をもろに受けます。

一番の、それこそ売り上げの半分近くの取引をしていたお得意様が買ってくれなくなるのです。

そういわれたら誰もが理解できる通り、買ってくれる人が貧乏になれば自分はそれに輪をかけて貧乏になるという負のスパイラルの出来上がりです。

経済成長を上回る輸出成長率による経済の伸びを見せていたアジアの新興国と呼ばれる国は多数あります。

そんな国のお得意様とは誰かと言えば中国です。

中国の経済が伸び悩めばそうした国々はどうなるのでしょう?

中国の経済が鈍って来たことで受けた影響

中国の経済が伸び悩めばもちろん中国が輸出先だった国、中国の経済の影響を受けざるを得ない国はもちろんその影響を経済に受けます。

輸出によって得ていた収入が減るという事は自国の政策で使えるお金が減るという事であり、自国のGDPにも影響を起こします。

稼ぎがなければ使えない、使えなければ満たされない、満たされなければ稼ぎが減ると言う負の連鎖に陥るのです。

こうした中国の経済状態やその影響を受けた新興国の経済の動きを懸念し、国際通貨基金IMFは世界経済の成長見通しを2009年以降最低の数字となる3.1%と下方修正をするほどに中国の経済が世界に齎した影響は大きいと言えるでしょう。

今後この中国経済の悪化が起これば中国の経済を躍進させるきっかけとなったリーマンショック以上の世界不況が起こる可能性も懸念され、その影響は間違いなく日本も受けることとなるでしょう。

現在日本の阿部首相が主導で行っている経済政策アベノミクスは円安に導くことでの金融緩和とTPPのような自由貿易協定での輸出による経済状況の好転を狙ったものです。

その為大きな中国の経済の状況悪化はこの日本の経済政策の柱である輸出の面での問題として浮上してきます。

それだけでなく、中国がもし今以上に自国経済の回復の方法を輸出へと比重を置いてきた場合、アメリカに続く世界2位と言う経済規模を持った近隣国と言うライバルが登場します。

中国は輸出分野では皆様ご存知の通り低価格による物量作戦を得意としていますので、これが仕掛けられた時点で日本の期待する輸出での収入は大きく減ることになります。

日本と中国の輸出における関係は方向性が若干違いますが得意とする技術と製品の一致があります。

安い方が世界不況の世の中では好まれますし、一時期はアメリカの経済もその射程圏と豪語しただけあって大きな市場へのノウハウが段違いです。

中国の経済がそうした競争相手となると日本に分が悪くなるのは残念ながら明らかでしょう。
 

中国の経済と日本のこれから

これまで述べたように中国経済の悪化は対岸の火事だと思っているとその対岸にいる私たちをも飲み込んでくる大火になる恐れがあります。 中国の経済の悪化は歓迎すべきことではなく、寧ろ危機を感じる事態だと得います。 私たち個人個人が中国の経済をどうするという事はもちろん出来ませんし、したいと思う人も多くはないでしょうが、そうした中国の経済の悪化によって日本も被害を受ける可能性があるという事だけはしっかりと覚えておかねばなりません。 現状以上に私たちの生活は悪くなる恐れも充分あり、これからの日本で生きるためにも今以上にお金の備えは必要でしょうし、企業としては投資や取引先に中国を選ぶ際も注意が必要です。 TPP参加により輸入品が安くなる、アベノミクスで景気がよくなるとただ楽観視している人は多いとは思えませんがもし万が一そうした楽観的な思考で今を生きる人たちは注意した方が良いかもしれません。 現状の世界経済の動きを知り、どういう関係性から何が起こるのかを考える事により、それに備えて自分が今どうやって過ごしたらいいのかを決め、これからの時代を少しでも楽しく生きれるようにしていきましょう。

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