東芝不正会計事件から知ることの出来る日本の抱える問題点

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東芝不正会計の衝撃「お金がないわけではないのになぜ?」

不正会計事件で取り上げられなかったとしても日本国民で東芝と言う企業を知らない人はかなり稀でしょう。

大手総合電機メーカー東芝はソニー、パナソニックなどの大手電機8社の一角を担い、日立製作所、三菱電機と並ぶ大手重電3社一角でもあるという企業です。

年間売上高で日本国内で有数の総合電機メーカーとして2位の地位を持ち、半導体メーカー国内最大手と言うほどの大企業でTVのCMや広告などで目にした事がある人も多いでしょう。

正に日本を代表する企業の一つとも言えるほどのこの東芝が今各種メディアで発信されているように今回、不正会計または不適切会計が行われていたとして話題に上りました。

その不正会計で誤魔化した損失は7年間で実に2000億円を超えるという凄まじい金額です。

それだけの企業でそれだけの期間、それだけの金額を不正会計で誤魔化すという行為が何故行われてしまったのか?

私には日本有数の大企業でもそれをしてしまった、寧ろそうせざるを得なかったという事がとても印象深い事件だと思いました。

この事件は一つの企業の起こした不正会計と言うだけではなく、日本の企業のこれから、日本経済のこれからを暗示するような事件であったように思います。

今回はこの東芝の不正会計で話題になった東芝と言う企業について考察し、それが暗示していると考えられる日本経済のこれからを考察します。

東芝不正会計事件

今回不正会計事件を起こした東芝と言う企業の世間の評価はどうかと言うと当然大きく下がっております。

それが一番はっきり分かるのが東芝の株価の値動きで不正会計問題によって日本有数の名門優良企業が一転、株価下落そして経営の立て直しを迫られている状況にあります。

ではこの東芝の不正会計事件がどれほどの事件だったのかという事を詳細に見ていきましょう。

具体的に7年間で2000億円の損失を計上していたことが発覚したのですがその内訳で最も大きな損失を出したのがアメリカにある子会社のウェスチングハウスという原子力発電会社です。

このウェスチングハウスでの原子力発電所の建設が思うように進まず2012年度と2013年度の2年間で1600億円と言う巨額の損失を計上していたことが今回明らかになりました。

当然このウェスチングハウスは赤字、しかし具体的な情報をこれまで一切開示せず事業は安定して順調に進んでいると説明し続けてきたそうです。

多くの投資家達にとって一番重要な事は何よりも情報。

その為不正会計という事をした東芝は歴代の3社長が辞任に追い込まれ、株価が下落したのはもちろん、金融庁から金融商品取締法違反でかなりの課徴料が科されることになるでしょうし、今後の風評被害を考えるとかなりの窮地にう会社は追い込まれることに違いないでしょう。

もちろんしっかりと不正会計などせずに情報を開示してさえいればこれだけですんだはずなのですが今回はこれに加えて本来の状態を隠し、嘘の情報を発信していたことが更に追い討ちをかけます。

それが訴訟問題です。

旧経営陣に対して企業は損害賠償を求める訴訟を起こしましたがその金額は合計三億円。

損失の規模を考えたら甘すぎるといっても良い金額ですがこれはあくまでオマケのようなもの、今回の不正会計で起こる訴訟問題の核となるのはこれではなく投資家達からの訴訟です。

この情報が今回公開されたことにより起きた株価の下落で損失を被った国内株主が損害賠償を求めて集団提訴をすることになったのですがこの原告団はなんと1000人規模。

アメリカでは既に個人投資家たちによる企業や役員を相手取り提訴、法律事務所はこの訴訟に参加する投資家をいまだ集めている現状です。

更に日本とは違いアメリカでは株主一人が勝訴すると訴訟に参加していない株主にも損害賠償を支払う制度である「クラスアクション」と呼ばれる集団訴訟制度があるので恐らく相当な規模の賠償金が発生することになるのは間違いないでしょう。

日本にある問題点

今回の東芝の不正会計事件で一番問題があったのは本来の状態の情報を隠し嘘の情報を流したという所にあると言えるでしょう。

東芝と言う企業に関らずこうした情報についてのリスクの認識に関しては日本と言う国は少々甘いところがあります。

個人でも企業でも政府にしても日本全体に関してそれは言えることです。

情報化社会と呼ばれるようになってかなりの時間が経ちましたが、企業による情報漏洩問題が世界各国で大事になっているのにも拘らず日本の企業の個人情報に対するセキュリティはまだ甘いところがあるようで未だに外部に漏れてニュースになります。

不正会計で情報を誤魔化す企業も見つかっていないだけで他にも恐らくあるでしょうし、情報と言うものがどれほど大事なのか頭で分かってはいるものの行動が伴っていなく見える企業は少なくありません。

個人の認識にしても同じで、個人情報を抜かれたことによる詐欺事件や、使うパスワードの単純さ、スマートフォンの個人認証機能をちゃんとしていないという人が未だにたくさんいる現状。

政府がそうした情報のリスクに関して認識が甘いところはマイナンバー制度が始まったことからも明らかで、このマイナンバーを知られてしまえばそれだけで多くのセキュリティを通過されてしまいます。

国民性と言うか、国の風土として日本は他人を信用したり、信頼したりをすることが大事とするところは非常に素晴らしいことですが、グローバル化が進みシステムや制度も外国に習えで変わっていく中でその風土のままでいる事は危険すぎるといって良いでしょう。

例えば上場企業による不正会計をした側の企業はそれを行ったことにより発生するリスクの見積もりが甘いといわざるを得ないですが、不正会計で騙された側も明らかにおかしなところがあっても「企業がそう言っているのだからそうなのだろう」と思って楽観的に考えているところがあるとも言えます。

日本はそうした情報に関してのリスクについての認識が諸外国に比べて甘い、東芝ほどの世界に出ている大企業であろうともそれは同じだったようです。

これが今回の不正会計事件から分かった多くの日本企業のみならず日本全体が抱えていると考えられる問題です。

情報化社会においていかれてしまった日本

今回の不正会計問題が切欠でそうした情報化社会に生きているのに日本は情報に対するリスクの考え方が甘いと考えられるポイントはもう一つあります。

それが海外の事に関する情報をあまりにも他人事だと思っているところです。

リーマンショックの時かなりニュースで騒がれましたが多くの人にとってはどこか他人事だったようでテレビが取り上げなくなったとたんリーマンショックと言う言葉は人々の間で話題に上らなくなりました。

中国経済の変動やISILのテロ行為についても同じ事が言え、どこか他人事と思っている人が多いようです。

メディアやネットで話題だからと関心は持つもののその殆どはそれどまり。

そうした情報が齎してくれるものや、自分にどういう影響があるかを考えている人は残念ながら多くないです。

こうした情報への認識がしっかりしている人としていない人の間で貧富の格差を作るのが今の社会であるというのに自分でそうした情報を集めもしない、考察もしない人が多いのは大変残念な事だと思います。

例えば不正会計の事だって情報と言うものが大事なもので強い影響力と高い価値があると理解していたならそれに関して不正があれば大きなリスクもあるという事は分かっていたはずです。

そう考えると情報化社会の中で我々日本は置いて行かれ、後塵を拝している事が分かります。

危険物を取り扱うのにその取り扱い方が分かっていなければ扱うことは出来ないでしょうが、危険物の特徴と取り扱い方を分かっていても、危険であるという事の認識が薄いと何かあった時に大事故が起きることにつながるのです。

取り扱いに慣れていないほど危険なものだと言う思いが先行しすぎ、手元ばかり気にしすぎて転んで事故を起こすこともあるでしょう。

今回の不正会計事件はそうした情報と言う危険物に対する危機感のなさ、危険と言う認識のなさが生んだもの。

あるいは目先の危険かもしれないという思いに囚われすぎたが故に起こしてしまった事件だと言えるでしょう。  

不正会計事件は今からでも遅くはないことを教えてくれた

このように不正会計事件は私たちに情報化社会で生きる上で足りないものを教えてくれたと私は思います。 情報と言うのは受け取る人によってその価値が変わる危険物であり、貴重なものでもあると言えるでしょう。 我々日本人は情報化社会と言われてかなりの月日が経過しているのにいまだ情報と言う物に関して疎い人が多いようです。 しかし情報が持つ価値と危険性をしっかりと認識した上で、適切な取り扱い方と正しい運用さえしていれば資本を増やすチャンスが増えて行くのが今の社会の良い所でもあります。 情報と言うものを取り扱うにはそれに触れて慣れる事、そして知識をつけることが先ずは肝要です。 不正会計事件は失敗するととんでもない事になることを教えてくれましたが、訴訟問題が起こるほど逆に情報と言うものの価値の高さも教えてくれています。 今からでも遅くはありません、情報と言うものについて今一度考え直してみて下さい。

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