「最低賃金1,500円デモ」に賛否両論!あなたの意見はどうですか?

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「最低賃金1,500円」にあなたは賛成ですか?反対ですか?

お金がないと嘆いている人は、

2015年12月13日、新宿で

「最低賃金を上げろ」

「中小企業に税金まわせ」

などと訴えるデモが行われたことをご存知の方も多いのではないでしょうか?

デモを主催したのは、労働問題を軸に日本社会の不公平是正を訴える団体「AEQUITAS」で、福岡や名古屋でもデモを行う計画があるそうです。

「AEQUITAS」の一番の要求は“最低賃金を1500円以上にする”ことです。

このことに深く共感する人もいれば、反感を持つ人もいるようで、賛否両論が行き交っています。

あなたは「最低賃金1,500円」に賛成でしょうか?それとも反対でしょうか?


 

新宿で行われたデモの内容

まず、新宿で行われた「最低賃金1,500円デモ」はどのようなものだったか見ていきましょう。

実はこのようなデモは初めてではなく、2015年4月にもファストフード店の時給を1,500円以上に上げるべきだ、というデモが各地で開催されました。

そして今回も、主に低賃金で働かざるをえない人達が集まり企画したデモのようです。

デモを主催した「AEQUITAS(エキタス)」はラテン語で、「公平」や「正義」を意味する言葉で、「賃金が物価上昇や増税に追いついておらず、日本の貧困率は世界最悪水準だ」として、最低賃金を1,500円以上にするように要求するデモを行ったのです。

「AEQUITAS(エキタス)」は2015年10月にも新宿で700人規模のデモを開催したようで、12月にも500人のデモ参加者が雨の中にも関わらず参加したそうです。

アメリカでも最低賃金を時給15ドル(約1,850円)に引き上げる運動が行われており、それを参考にしたデモだと思われます。

このデモが共感を集めている理由として、中心メンバーである岩井佑樹さんのエピソードに賛同した人が多いことが上げられます。

「AEQUITAS(エキタス)」の中心メンバーで法政大4年の岩井佑樹さん(22)は、アルバイトで家族の生計を支え一時は進学も諦めかけた体験から、活動を続けています。

岩井さんは中学生の時、契約社員だった父が持病の悪化で失職し、しばらく家計を支えた母も疲れ果て岩井さんが高校2年の春に家を出てしまいました。

同居の祖母が預金などから授業料を出してくれたので高校中退は免れたものの、父と祖母の年金では生活費と大学進学の費用を賄うことはできないため父の介護の傍らコンビニ店でアルバイトを始めました。

ところが岩井さんが働いた店は労働法制を無視した働き方を強いるいわゆる「ブラックバイト」であり、「高校生だから」と時給は募集金額より100円低い850円なだけでなく、ただ働きが当たり前でした。

お金を貯めるものの次々と家族に災難も降りかかり、綱渡りで暮らしてきた岩井さんは、同じように事情を抱える高卒や高校中退で働く同年代と交流を深め、現状を何とか改善しようと市民団体「AEQUITAS(エキタス)」を仲間と共に結成したのです。

「最低賃金1,500円」賛成派の主張

このような岩井さんの現状は、現代日本において決して珍しいケースではありません。

近年増加して社会問題にもなっている「ワーキングプア」と呼ばれる人は全国各地にいます。

岩井さんのような若者はもちろん、シングルマザー、高齢者など様々な年齢幅がおり、都会から地方まで拡大しています。

また、いわゆるブラックバイトも増えています。

零細な企業では労働基準法の理解が不十分なところもあり、また安い賃金や低い待遇でもがまんして仕事をしなければならない人や、そもそも労働法について知識が乏しい高校生や大学生もいるので、その弱みにつけこんで低賃金、重労働を強いるのです。

そのような人にとっては、新宿で行われた「最低賃金1,500円」の実現は夢のような話に映ったかもしれません。

地方自治体によって最低賃金は違いますが、最も高い東京でも907円(2015年末現在)ですから、1、5倍以上になるわけです。

パートやアルバイトで働く非正規労働者の賃金の改善につながると期待されるこの「最低賃金1,500円」は、岩井さんと似たような事情を抱える多くの人から賛同の声がでているようです。

その一方で「最低賃金1,500円」に否定的な意見はむしろ賛成派よりも上回ったようです。

「最低賃金1,500円」反対派の主張

最低時給を1,500円に引き上げることについて否定的な意見はいろいろありますが、特に多かった指摘は「雇用が減るのでは」「物価が上昇する」というものです。

まず、「雇用が減るのでは」という主張ですが、企業の立場からすれば最低賃金が1,500円になるということは、これまで最低賃金で雇っていたパート・アルバイトの人数を減らさなければ採算がとれなくなることを意味します。

ただでさえ収支ぎりぎりで経営している中小企業であればなおさらでしょう。

そうして雇用が減ると、労働者一人当たりの負担が増える結果になるかもしれません。

サービス残業も増えることになると、結果として以前よりも労働環境が悪化してしまう可能性すらあるのです。

そうならないために、企業としては収入を上げなければなりません。

そして、収入を上げるために「物価が上昇する」のです。

仮に最低賃金1,500円が実現されたら?

2015年末現在、最低賃金の全国平均は798円です。

これが、仮にデモ主催者の要求通り1,500円になったとしたら、どうなるでしょうか?

例えばコンビニであれば、人件費高騰をカバーするために売上を上げるか(人件費以外の)原価を下げるかしなければなりません。

原価を下げるのは商品の品質低下につながりますので、売上を上げる方が現実的ですが、そのために商品の単価を上げる可能性が高いでしょう。

そうすると、1個500円のお弁当が700円、800円、場合によっては1,000円にもなるかもしれません。

つまり、せっかく最低賃金が上がっても、物価が上がってしまうので意味がないと言うことになってしまいかねません。

さらに悪いのは、価格がそのままで品質が悪い商品が出回ってしまうことです。

商品偽装問題や賞味期限偽装問題などが過去何度も話題になりましたが、そのようなことが頻発してしまうかもしれないのです。

そのような物価の上昇は、まだ働ける人は良いのですが、年金生活者には大ダメージになります。

すでに高齢者の多くが下流老人化しているといわれています。

そもそも年金を受け取れていない老人も多くいますし、生活保護だけでは生活すらままならない人や、医療費、介護費用、その他の負担で押しつぶされようとしている老人が全国にいるのです。

その上、物価が上がったら食べる物すら満足ではなくなりますし、もし介護サービスなどを受けているのであれば、その人件費も高騰しますので、路頭に迷う年金生活者が今以上に増加することも考えられるのです。

また、最低賃金が高くなるのであれば、作業を人間ではなく機械でやったり、海外に工場を進出させて安価な労働力を確保しようとする企業が今以上に増えることも考えられます。

すでに人間が行う作業の多くが機械でもできるようになっていますので、高額の人件費をかけるよりも設備投資をして機械に作業をさせようという動きが増えるでしょうし、海外への工場移転も増えることが予想されます。

実は年々上昇している最低賃金

このように時給1,500円にすれば全てうまくいく、というわけではないのですが、実はこの最低賃金は全国で毎年少しずつ上がり続けているのをご存じでしょうか?

長くデフレ経済が続き、物価はむしろ下がっている中、数円単位ではありますが最低賃金は年々上がっています。

そして、このことがすでに多くの中小企業の頭を悩ませています。

多くのお店が「原材料費高騰のためやむをえず値上げします」というお詫びの言葉を載せていますが、実はこの原材料費に最低賃金の上乗せ分が入っているのかもしれませんね。

このデモに感じた違和感

さて、この新宿での「時給1,500円」を求めるデモは、なぜここまで多くの反響を生んでいるのでしょうか? デモに共感し賛成する人は分かるのですが、反発する人がとても多いのが特徴的だと感じました。 ちなみに、このデモは誰に対して行っているのか、それが少しあいまいなような気がしませんか? 最低賃金を決めるのは企業ではなく、国ですよね。 中小企業に税金をまわしてほしいのであれば、中小企業経営者も味方につけるべきだと思うのですが、どうもそういう主張はしていないようにみえてしまいます。 また、アメリカやヨーロッパなどの最低賃金を引き合いに出して比較していますが、税制や公共福祉など、国によって事情が違うので、諸外国と単純に金額だけ比較するのもちょっと違うような気がするのです。

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