民泊ビジネスの今後は?問題点を考えてみた!

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民泊にはどのような問題点があるのか?

    
海外からの旅行者の急増により、日本での宿泊施設不足が問題になっています。

そこで、その救世主として、一般の人が宿泊先を提供する「民泊」がクローズアップされています。

しかし、そこには様々な問題があります。

民泊とは?

   
 民泊とは、旅行者などが、一般の民家に宿泊することを一般的に意味する日本語の表現ですが、特に宿泊者が対価を支払う場合に用いられます。

また、ホームステイと同義で用いられることもあります。

海外のおける民泊

    
日本の民泊に相当するサービスは欧米で広く行われていますが、広い範囲を含む用語としては、一般的にバケーションレンタル(英: Vacation rental)の語が用いられています。

バケーションレンタルの対象施設は、ハワイ・フロリダ・地中海などのリゾート地における別荘から、ニューヨーク・ロンドンなどの大都市におけるコンドミニアムまで包含しています。

また事業規模も様々であり、個人が所有する資産の活用によるホームステイやファームステイから、不動産企業などが仲介する大規模なレンタル事業までが含まれます。

いずれもホテル宿泊に飽き足りない旅行者層に向けた、あるいはホテル等の施設でまかなえない需要を補う選択肢として、広く利用されています。

    
2000年代以降、インターネット上で、ホスト(貸し手)とゲスト(借り手)の間の賃貸のプラットフォームを提供する企業が現れ、バケーションレンタルは新たな展開を見せました。

Airbnb(エアビーアンドビー)、HomeAway(ホームアウェイ、エクスペディア系)、FlipKey(トリップアドバイザー系)などが、バケーションレンタルに特化した企業として知られ、またブッキングドットコム(プライスライングループ)など、ホテル予約とバケーションレンタルの両方に関与している企業もあります。

これらの企業では、個人ホストによる賃貸物件を扱うAirbnbやHomeAway、企業によるレンタル物件を多く扱うブッキングドットコムなど、取り扱う物件による違いも見られます。

欧米におけるバケーションレンタルは、広い範囲を包含する概念ですが、日本語の「民泊」は個人所有の資産活用(個人の貸し手による賃貸)に限定した意味で用いられる場合と、企業によるレンタル事業を含む場合とがあり、後者の場合、民泊の意味はバケーションレンタルとほぼ同一です。
 

日本の民泊

    
日本では、旅館業法などの規制の下に置かれているホテルや旅館など、正規の宿泊施設が不足している状況が生じた場合に、一時的に一般家庭で旅行者を受け入れる場合に、宿泊施設に対置される言葉として「民泊」が用いられています。

民家であっても、旅館業法上の簡易宿泊営業を行なう施設は「民宿」と位置づけられており、こうした旅館業法上の位置づけがない営業に限って「民泊」という場合もあります。

2008年にAirbnb(エアビーアンドビー)がサービスを開始したことを契機に、民泊が過熱する事態が発生しました。

この背景には、従来からのホームステイ需要に加え、投資を目的とした貸し手がAirbnbのサービスを利用し多数参入したことが指摘されています。

    
観光庁は、空き室を旅行者に対して仲介する行為自体は規制対象ではありませんが、Airbnbなどの仲介サイトを通じて反復継続して有償で部屋を提供する者は許可が必要との見解を示していて、この観点から、無許可営業については指導が行われています。

民泊の過熱に関して、各省庁による実態把握は遅れていますが、厚生労働省と観光庁は、2015年11月、民泊に関して有識者による検討会を設置、この中で、旅館業法や不動産賃貸業・建築基準法など各法律上で、実状に沿ったものにしていく必要があると説明しています。

    
政府は、2014年、国家戦略特別区域法を制定し、これに呼応する形で、外国人旅行者の増加への対応策としてマンション等の空室活用を進めるという趣旨から、大阪府議会や大阪市議会に、民泊を推進する条例案が提出され、2015年10月に大阪府議会で可決、条例が成立しました。

同じく2015年10月、国家戦略特別区域に指定されている東京都大田区が、「外国人旅行者の増加に対応するため、個人宅やマンションの空き部屋を宿泊施設として営業できるよう」旅館業法上の特例扱いが認定されました。  
 
また政府は、2015年6月に、民泊に関連する規制緩和について、2016年内に結論を出すことを閣議決定し、大阪府や大田区の運用実績を参考にした上で、個人の貸し手による民泊と、企業が事業として行う民泊の両方を、2016年から2018年にかけて、一定の法規制を定めた上で、段階的に全国規模で解禁する方針を表明しています。

民泊の問題点

    
民泊の利用料においては、Airbnbなどのサービス提供者が介在するため、支払いトラブルの可能性は小さいと言えます。

しかし、ゲストが借りた部屋で、何がされるかわからないのが一番の問題です。

Airbnbなどを利用した民泊で問題とされているのが、周辺住民の不安感で、見たこともない人が、入れ替わり立ち替わりで一室から出入りしている状況は、特に集合住宅ならよく思わないのは確かでしょう。

賃貸物件は、所有者が転貸を許していない限り、居住用として賃貸借契約されるのが普通で、転貸トラブルもよく聞く話です。

    
分譲物件を賃貸することは禁止されていませんが、民泊の場合は賃貸ですらなく、賃借人よりもマナー低下が心配されます。

しかも、マンションの共用部分は、区分所有者の共有持分ですから、民泊の利用者に使われることに抵抗ある人がいて当然です。

高級タワーマンションの一室を購入し、豪華な部屋と設備の提供で運用しているケースもあるようで、高所得層のモラルを信じて購入した所有者から不満が出ています。

現に、Airbnbへの登録を、管理規約レベルで禁止するマンションも出始めました。

不安感を拭いされない既存住民が多い中、この動きは拡大していくと思われます。

    
また、東京都渋谷区で、マンションから幼児が転落事故を起こしたケースでは、民泊による外国人観光客だったと推測されています。

それが民泊を否定するものではないとしても、駐車場や共用施設・部屋の設備などにおいて、所有者と同等の意識で利用してくれることは期待できまぜん。

何か起きたときはもちろん、何も起きていなくても、周辺住民からのクレームや通報も予想できますし、そうなると所有者の管理責任が問われかねません。

ましてや、貸した部屋で不法行為が行われたり、不法滞在に使われていたりなど、「貸しただけなので自分には関係ない」で済むかどうかです。

    
話が戻りますが、民泊ビジネスは旅館業界にとって大きな痛手となることはかんたんに想像できます。

元々のコストが、旅館業と民泊ではケタ違いで、防災・衛生・安全面で一定条件をクリアしないと許可を受けられない旅館業が、民泊に不満を持つのは無理もありません。

表現の仕方は悪いですが、常時行われる有償の民泊は「モグリの旅館業」ですから、許可と規制を受けて正規営業を続ける旅館業界から、批判されるのは当然のことです。

民泊で使う空き家・空き部屋のオーナーは、自分が旅館業を経営しているつもりなどなく、安易な気持ちでAirbnbに登録しているでしょう。

だからといって、摘発を受けて「知らなかった」で済まされないのが法律です。

旅館業の意識があって行われる民泊も、知らないで行われる民泊も法律上の刑罰は同じで、6ヶ月以下の懲役刑または3万円以下の罰金刑となります。

民泊の今後

    
東京オリンピックに向けて、外国人観光客を増やし、観光立国を目指す政府の取り組みは、これまで一定の成果を上げています。

例えば、中国人へのビザに対する規制緩和は典型例で、「爆買い」と称される、強烈な購入力は、日本経済(特に小売業)にとって無視できないほど大きいものです。

外務省は、人的交流の拡大が「日中両国の相互理解の増進、政府の観光立国推進や地方創生の取組に資する」としていますが、やはり政府の目的は経済効果でしょう。

人口減少と少子高齢化により、日本の生産力が落ちていくのは明らかで、内需も減少していく以上、外需に頼って経済を支えていかなくてはならないからです。

    
そのような時代背景の中、インターネットを利用した新たな民泊ビジネスは、旅館業法の想定外でしたが、消費を生み出す可能性がある点、宿泊施設不足が外国人旅行者の増加にブレーキを掛ける点を考慮し、単に違法とするわけにもいかなくなりました。

つまり、違法だとして取り締まる方向にするべきか、その経済効果を取り入れて規制緩和により受け入れる方向にするべきか、政府の検討が始まったということです。

そして、どちらかというと、受け入れる方向で進むと考えられているのが現状です。

    
羽田空港を抱える東京都大田区では、区が民泊を認める条例を制定することで、外国人観光客の増加による宿泊施設の不足を解消しようとする動きがあります。

関西国際空港からの外国人観光客が多い大阪府・大阪市でも、同様の動きがみられます。

これは、国家戦略特区に指定されていることを踏まえ、規制緩和を利用したもので、一部の地域が民泊を認めたからといって、全国で許されるわけではありません。

    
具体的には特区に許される特例を利用し、都道府県知事(保健所を設置する市や特別区では市長または区長)の特定認定で、旅館業の許可を不要とするものです。

勘違いしやすいですが、例えば大田区で民泊条例が制定されても、大田区なら無制限に民泊が許されるのではなく、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」として、大田区長の特定認定を受ける必要があります。

まったく同じ民泊ビジネスでも、特定認定があれば合法、特定認定がなければ旅館業法違反が濃厚である点に変わりはないので注意しましょう。

    
なお、特区での民泊は7日~10日以上を想定しており、旅行者が求める1泊~3泊程度を満たさないので、民泊ビジネスから特区民泊事業に流れる事業者・宿泊客のどちらも少ないと予測され、実状を把握していない相変わらずの失策だと批判されています。

要するに、特区による民泊が可能になっても、Airbnbなどのサービスを使った民泊ビジネスへの影響度は小さく、その手間を考えても移行は進まないでしょう。

その代わり、行政から合法の民泊モデルが示されることで、より一層、既存の民泊に違法性が問われやすくなるのは必然だと考えられます。

民泊の整備は急務である

    外国からの観光客が今後も増えることを考えると、早急な対応が求められます。

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