アメリカが9年半ぶりに金利を上昇させると決定!今後の経済の動向を考察してみた

アメリカの金利上昇がわれわれ日本人の生活にどのように影響する?

2015年12月15日、アメリカが金利を上昇させることを発表しました。

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の最高意思決定会合である連邦公開市場委員会(FOMC)を開き「利上げする」と全会一致で決定したのです。

これまでずっとゼロ金利政策が続いてきたアメリカにとって、なんと9年半ぶりの今回の利上げ、これはアメリカ国内だけでなく、お金がない人もある人も、また、日本を含む世界中の国に影響を与える可能性があります。

具体的に日本人にどのような影響があるのかを探り、あなたが備えておくべき対策をとりましょう。

 

アメリカで長く続いた「ゼロ金利政策」

アメリカでは7年もの間「ゼロ金利政策」が行われてきました。

7年前と言えば、そう、リーマンショックがあった頃です。

その後日本やヨーロッパもゼロ金利政策をとるようになっていくのですが、世界に先駆けてアメリカでゼロ金利政策を行ったのです。

リーマンショックで世界的に不況になりましたが、なぜアメリカはそのタイミングでゼロ金利政策をとったのでしょうか?

政策金利は、アメリカの金融機関どうしがお金を貸し借りする際の金利のことで住宅ローンや企業への融資などあらゆる金利に影響するものです。

FRBは、2008年に発生したリーマンショックのあと7年間にわたって、金利を事実上ゼロに抑えました。

そのことによって、企業が銀行から資金を融資しやすくなり、そのことによってアメリカの景気を下支えしてきました。

リーマンショックから7年経った2015年、シェールガスバブルなどの効果でアメリカの経済は堅調になり、もう危機は去ったので通常の金融政策に戻しても大丈夫だとFRBは判断したのでしょう。

なぜアメリカの金利上昇が世界でこれほど注目されるのか?

今回の金利上昇は、あくまでアメリカという一国の金利に関することです。

それが世界中、特に新興国で大きな関心を寄せられています。

その理由はドルが世界の基軸通貨であることに起因します。

そして、国内資本の脆弱な新興国ほどその影響は受けやすいのです。

新興国は国内資本がぜい弱なので、外国からの短期マネーでそれをまかなっているのですが、アメリカが利上げをすると、その外国からの短期マネーがどのようになるか不透明なのです。

アメリカの利上げ発表により金利が上乗せされることになり、新興国の通貨に対してドル高の状況になります。

そうすると、これまではゼロ金利政策によってアメリカから新興国にあふれ出したドルが、新興国の資産や資源を買って景気を支えてきたのですが、その効果が期待できなくなるのです。

それどころか、利上げによってそれらの資本がアメリカへ戻っていくことも懸念されています。

金利の上昇で影響を受けやすい国

すでにブラジル、南アフリカ、インドネシアといった新興国の通貨は大幅に安くなっているそうです。

その動きは今後他の新興国にも拡がり、さらに加速していく可能性が高いでしょう。

アメリカの立場で言えば、米ドルが新興国に流れていくことによって国内の産業が空洞化しているとも言われ、失業問題なども見逃せないレベルになってきています。

現在、アメリカ経済はリーマンショックの傷から徐々に回復しています。

それに伴い、賃金も上昇し始め、個人消費も回復傾向にあるのです。

だからこそアメリカは利上げを決断したのですが、これによりアメリカから世界(特に新興国)に流れていたドルが逆流を始めるのです。

これが、経済成長の著しいASEAN諸国やブラジルを中心とした南米、さらにはアフリカにまで影響を与えるといわれているのです。

それらの新興国からしてみれば、外国資本、特に米ドルは自国の成長のために必要不可欠なのですが、それが一気に減少してしまう可能性があるのです。

近年急速に発展を遂げている新興国ほどその影響は大きいでしょう。

今のところ、急激な利上げは行わないとFRBは発表していますが、これまでのように大量のドルが新興国に潤沢にいきわたる、という状況はなくなっていくと考えられます。

日本も金利が上がる?

さて、それでは一番気になる日本への影響はどうなるでしょうか?

日本も少しアメリカに遅れてゼロ金利政策を開始しました。

最近ではゼロ金利どころか「マイナス金利」になっているとも言われ、融資は受けやすくなっていますが銀行などに預金しても金利はほとんどつかないのはあなたも実感されていることでしょう。

国債の利回りすらマイナスになっているといわれている現状ですが、アメリカの利上げにならって日本でも利上げが行われるのでしょうか?

しかし、日本ではなかなかゼロ金利政策を解除しにくい事情もあるようです。

日本と似たような事情をEUも抱えています。

ギリシャショックなど、不況が続くヨーロッパ諸国の多くもゼロ金利政策を行っています。

ギリシャ経済は全く回復のめどが立たない状況とも言われ、スペイン経済もやや回復傾向にあるものの、あいかわらず失業率は20%以上をキープしたままです。

豊かというイメージが強いフランスですら、失業は多いですし、テロへの懸念なども話題になりました。

ヨーロッパで一番安定していると思われたドイツでもまさかのVW問題で信頼性が揺らいでいる始末です。

ヨーロッパ全体の低迷が、欧州統合という画期的で壮大な計画をむしばみつつあるようです。

ヨーロッパの政治家たちが正しい政策を実行しない限り、この状況から脱することはできないでしょう。

ECBのドラギ総裁はヨーロッパ景気を上向かせようと金融政策をやっていますが、各国では「独善的な政治家」が歴史の教訓を無視した政策を続けているのが実態なので、金融政策も有効には働いていないのです。

だからこそ、ゼロ金利政策に移行する以前の問題だともいえます。

ヨーロッパに比べれば日本は多少ましにうつるかもしれませんが、それでも日本産業全体の低迷を考えると、ゼロ金利政策を解除するには不安材料が多すぎるように感じられます。

ただ、日本はアメリカの後追いで経済政策を行うことが非常に多いので、それを考えると意外に早い段階で利上げを行う可能性もないとは限りません。

日本で利上げが行われたらどうなるでしょうか?

企業や個人が融資を受けにくくなり、せっかく回復傾向にあった日本経済が再び停滞してしまうのでは?と思えてしまいます。

リーマンショック以降の量的緩和策やゼロ金利の限界

前FRB議長であるベン・バーナンキさんが打ち出した「量的金融緩和政策」はご存じでしょう。

「ヘリコプター・ベン」と異名をとるベン・バーナンキさんは、景気回復のためにはヘリコプターからドル札をばらまくように市場にドル札を流せばよい!という考えを持っているからその名がついたようですが、その名の通り米ドルを市場に流しまくっていました。

その多くが新興国に流れたのです。

今回のアメリカの利上げは、いわばベン・バーナンキさんがばらまいたドル札を現在のFRB議長イエレンさんが回収しているともいえます。

アメリカと同様ゼロ金利政策を行っている日本においては、日銀の黒田総裁がとっているばらまきの回収は誰がするのでしょうかね?

それはさておき、金利を上昇させるのは簡単なことではありません。

過去にも1980年代に金利を上昇したことで南米諸国が破綻しましたし、1990年代はアジア通貨危機の引き金にもなりました。

それと同じ轍を踏んではならないので、アメリカは9年半も金利の利上げを見送っていたのでしょう。

事実、9月は上海株暴落のために、利上げを見送ったといわれています。

12月も原油価格暴落で再度利上げを見送るのでは?という憶測もあったぐらいです。

でも、さすがにこれ以上量的緩和政策やゼロ金利政策を続けるのは限界と感じているからこそ、今後も原油価格は低調が続くのは確実であるのにも関わらず金利の利上げを決断したのでしょうね。

あなたがとるべき戦略

このような金利変動は確かにこわいですが、対策をとっておけば安心できます。 対策はいろいろありますが、一つお薦めなのが資産分散です。 ここでいう資産分散は、株と不動産と・・・というものではありません。 日本円とドルとユーロと・・・というような様々な通貨に資産を分散することです。 もちろん、海外の不動産や株などでもかまいません。 そして、そのような海外マネーへの資産分散は年々条件が厳しくなってきているとも言われており、海外銀行の口座開設はすでにハードルが高くなっています。 なけなしのお金を、自分の生活を削ってまで資産分散するのはおすすめできませんが、余剰資金があって、運用方法に迷っておられるのであれば、日本円以外の資産をもつことによって、たとえ大幅な為替変動が起こっても安心できます。

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