ポートフォリオ」とは何か?‐証券投資の基礎2

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最適な「ポートフォリオ」を構築して資産を増やそう

「証券投資」のプロセスを大きく分けると2つあります。1つは「証券」それ自体の分析と、その「証券」が取り扱われる市場全体の分析です。

そしてもう1つは最適な「ポートフォリオ」をつくりあげることです。

前者は特に説明することなく理解できると思いますが、後者は聞き慣れない人もいらっしゃると思います。

そこで、今回はこの「ポートフォリオ」を中心に取り上げたいと思います。

「ポートフォリオ」?なにそれ?

 
冒頭で述べましたが、「証券投資」を理解するうえで実務の面においても、また様々な理論を構築するうえでも「証券投資」のプロセスを2つの部分に分けるのがわかりやすいと思います。
 
即ち「証券それ自体の分析」と「ポートフォリオの管理について」です。前者については「証券分析」と一般的にいわれ、ある「証券」がマネー市場において適切に評価されているのか否かを判断することです。

一方、今回のテーマである「ポートフォリオ管理」とは、投資家の好みとニーズに合わせて選んだ「証券」を「ポートフォリオ(証券などの金融商品の組み合わせをこのように呼ぶ)」に構成し、その「ポートフォリオ」を管理してその成果を評価する作業のことです。
 
「ポートフォリオ」は、もともと書類鞄とか紙挟みという意味でした。

資産の明細などは書類鞄などにまとめて保管されることが多く、それが由来となって「運用されている具体的な金融商品の組み合わせ」を指すようになったのです。

そして「ポートフォリオ」が具体的な金融商品の組み合わせを意味するのに対し、大まかな資産配分のことを「アセットアロケーション」といいます。
 
つまり、投資家の目的と金銭的な制約などを考慮したうえで、もっともよい「ポートフォリオ」を作り上げるためには、様々な種類の資産(株や社債・国債などの債権、預貯金、不動産、そしてデリバティブなど様々あります)のそれぞれに、どれだけの金額を投資すべきかという選択の問題が生じてきます。

それを考えるのが「アセットアロケーション」の問題ということです。
 
私達の資産を守り、運用していくための「投資」を考える場合、まず自分自身にとっての資産の運用目的や期間を考慮し、それに適した「アセットアロケーション」を見つけます。

そしてそれを前提とした金融商品を選んでいくことが重要となります。

そしてその選ばれた金融商品の組み合わせこそが「ポートフォリオ」であり、各々の金融商品の運用から得られる利益あるいは損失などを鑑みて、自らの「アセットアロケーション」を適宜見直していくのが投資の基本スタンスであるといえます。
 
そして、このことを深く理解するにはまず「リスク」と「リターン」について詳細に知っておく必要があります。

「ポートフォリオ」の理解に不可欠な「リスク」と「リターン」

 
たとえば、ある株式を10万円で購入し、現在の時価は12万円だったとします。

そうすると、この時点でその株を売り払うと2万円の儲けになります。

これを少し難しい表現に変えると、「投資収益率」が20%であるといいます。

計算式自体は簡単で、「(売ったときの時価-元値)÷元値」です。上記の例では(12万円-10万円)÷10万円=20%となります。
 
ではある株式を10万円で購入し、現在の時価は8万円だった場合はどうなるでしょうか?答えは簡単で、現在までの「投資収益率」は、(8万円-10万円)÷10万円=-20%となるということです。つまり2万円損をしてしまったということですね。
 
このように、投資から得られる収益のことを「リターン」と呼びます。

身近な例でいえば、カジノのスロットなどで「勝った」とか「負けた」というのは、この「リターン」があったかどうかを指します。

そして上記のように、「証券投資」においてよく使われる「投資収益率(収益÷投資額)」も「リターン」と呼ぶのです。
 
さらに収益は、いわゆる「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」に分けられます。

「インカムゲイン」とは利子や配当によって得られる利益で、「キャピタルゲイン(キャピタルロス)」とは資産それ自体の価格の上昇(または下降)によって得られる利益(損失)です。
 
たとえばある証券(株でも外国債権でも何でも構いません)を100万円で買って、120万円で売ったとします。また当該証券から2万円配当として受け取っていたとします。

するとインカムゲインは2万円で、キャピタルゲインは20万円ということになります。

逆に当該証券を80万円でしか売れなかった場合、キャピタルロスが20万円ということになるのです。
 
一方の「リスク」というのは、「投資」の世界においては「将来における結果の不確実性」のことを指します。

 例えば、ある株式に投資をしたと想定します。しかし今回の株式投資で将来儲かるか損するかは、事前に絶対確実にわかるわけではありません。

これが今回の株式投資における「リスク」なのです。

つまり、将来その投資が儲かるか、または損をするかが「わからない(不確実性)」程度の大きさが「リスクの大きさ」ということになります。
 
私達が「リスク」を考慮して投資を行う場合、最も損をする「リスク」の低い安全な戦略は、すべての「お金」を銀行に預けておくことです。

これには多くの利点があることは確かです。

何より安全ですし、投資する側からすれば、特別な専門知識はいらず労力もかかりません。

 しかし、もし投資家がある程度のリスクを進んで負うことも考慮しようというのであれば、より高い「リターン」を得る可能性が生まれてきます。

ちなみに、これを「リスクとリターンのトレードオフ」などという言い方をします。

詳しい用語解説は別の記事に譲りますが、要は「リスク」と「リターン」をなるべく詳細に知っておくことが資産運用をするうえで極めて重要ということです。

 

「ポートフォリオ」にまつわる「統計学」の話

「リスク」とは「将来における結果の不確実性」のことであるといいました。

この「結果」が「リターン」ということになります。

「結果の不確実性」とは、要は投資で儲かるか損するかがわからないということ、つまり「リターンにバラツキがあること」を意味します。 
 
言い換えれば「リスク」とは「将来におけるリターンのバラツキ」であるということもできます。
 
つまり「バラツキ」が大きいということは、儲かるときはものすごいリターンを得る可能性があるが、損をするときも大損をする可能性が高いということです。

競馬で大穴に大金をつぎ込むようなものです。

これが即ち「リスクが大きい」ということなのです。

 反対に、ほとんど儲けもないけれども損もそれほどしないという場合が「リスクが小さい」ということになります。

投資以外で「リスクが小さい」という場合、必ずしも結果(リターン)が期待できないということを意味するわけではありませんが、投資の世界ではほとんどの場合、「リスクが小さい=リターンが小さい」ということを意味します。
 
この「リスク」と「リターン」を理解することが、「ポートフォリオ理論」を理解するために不可欠です。

そして、この「リスク」と「リターン」をなるべく厳密に計算するには「数学」や「統計学」の知識が多少なりとも必要となります。
 
近年の証券投資に関する数々の理論は、そのほとんどが数学(主に統計学と確率論)を使います。むしろ、「証券」の「リスク」と「リターン」を厳密に把握するために高度な数学などを使うことが多く、それに伴って金融工学や高度なファイナンスの理論などが発展してきたといっていいでしょう。

詳しい話は別の記事でしますが、とにかく「投資」を学ぶうえで欠かせないのが統計学などの数学に関する考え方です。

投資信託などプロに任せっきりにするだけではなく、自ら「投資」をやりたい人は、積極的に学ぶことをお勧めします。

「リスク」と「感情」の話を少々

 
投資はあくまでも「ゲーム」です。そういわれると、自分の大切な「お金」をそんなふざけた気持ちで使えるのか、とか、「投資」は社会に貢献する優良企業を育てるために大事な行為なのだから、そんな捉え方をしては不謹慎だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実際、前回の記事では社会の健全な発展のために「投資」があり、「マネーゲーム」は単なる「遊び」でしかないという趣旨のことを書きました。
 
しかし、「個人的な投資スタンスとして」考えるならば、あくまでも「ゲーム」として捉えることが大事です。

なぜならば、あまりにも「投資」を真面目に捉えすぎると、知らず知らずのうちに自分の「感情」に支配されてしまうからです。

「投資」はあくまでも客観的視野に立って、冷静に「リスク」と「リターン」を判断しなければなりません。

そのためには自分自身の感情をうまく制御をすることがとても重要です。

「証券投資」において自らの資産を守り・増やして行くためには自分自身に振り回されてはいけないのです。

しかし気をつけてはいるものの、たとえば日経平均株価の上下に気持ちが揺り動かされてしまう投資家が何人もいるというのが実情でしょう。

中には仕事すら手に付かなくなってしまうという人もいます。

これでは自らの資産を増やすどころではありません。下手をすると自らの精神を疲弊させることになってしまいます。

 そんな状態を回避するために、あくまでも「ゲーム」として「投資」に取り組むことをお勧めします。

巷には様々な「ゲーム」がありますが、そのほとんどに攻略法が存在します。

たとえばテレビゲームなどがそうですが、攻略法を編み出して公開しているのはほとんどゲームを楽しんでプレイしている人です。

彼らは楽しみながらもどうすれば効率的に攻略できるかを冷静に分析して答えを出しています。

そこに一切の焦りなどないでしょう。

「投資」にも彼らのようなスタンスが必要です。

「感情」に振り回されず、冷静に自分なりの攻略法を編み出して適宜修正を繰り返して行く。

あくまでも「プレイ」しているという感覚を忘れてはいけないと思います。
 

「ポートフォリオ」について理解しよう

「証券投資」をする上で、「リスク」と「リターン」を常に意識することは基本です。 そして自分自身の大切な「お金」を守るために、然るべき「リターン」を得られる金融商品を見極めましょう。 そしてそれらを「ポートフォリオ」に組み込むことで、安全に資産を増やして行くことができます。

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