「資産」と「負債」を考える‐「お金」の感性を高めよう

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「不動産」と「株式」を通じて「資産」と「負債」について学ぼう

 誰もが一生付き合い続けなければならないのが「お金」に関する問題です。

しかもこれは学校では教えてくれません。自ら率先して学んでいかなければならない分野です。

そうである以上、否定的な感情ばかりを抱いていては上手く学ぶことなどできません。

特に私達の身の回りにある様々な「資産」と「負債」について考える上では、まずここをしっかりと認識しておかなければなりません。

そうでなければ思考に余計な「フィルター」がかかってしまい、正しい判断を下すことができなくなってしまいます。

そのことを踏まえたうえで、今回は「不動産」と「株式」の話を通じで「資産」と「負債」について考えたいと思います。

「持ち家」は「資産」か「負債」か?

 
以前、別の記事でも取り上げましたが、ロバート・キヨサキ氏の名言である「貧乏人はお金を出して負債を買ってしまうが、金持ちは資産を買う」という言葉をもう一度取り上げて見ます。彼の言葉の真意は、自らに永続的にキャッシュを運んでくるものを「資産」としており、それ以外のキャッシュが出て行くものは全て「負債」であるということです。

特に彼は不動産投資に造詣が深いお金持ちですので、不動産に関してはかなり突っ込んだところまで説明しています。
 
最近でも巷では不動産屋さんが、「持ち家を買うなら今だ!」などという売り文句を謳っていますが、彼らは何を根拠にそのようなことを言っているのでしょうか?

なぜならば、現在、そしてこれからの我が国は、「資産」として「持ち家」を買うには全く適さない環境になっているといっても過言ではないからです。
 
不動産の価格は様々な要因で決まりますが、大体は「人口の動き」と「金利」そして、その土地に関する「トレンド」など中々予測しづらい定性的な要因が影響します。
 
まず「人口」についてですが、これは明らかに「持ち家」を買う上では重い制約となり得ます。

なぜならば、今の我が国は慢性的な人口減少国家だからです。

一説には、今の傾向が続く限り、今から約80~100年後には人口が半分になってしまうともいわれています。

当然家に住む人も半分になりますから、家余りが生じるのは誰の目にも明らかでしょう。

そうなってくると市場に空き家が溢れるようになるわけですから、全体的に不動産の価値は低下していくでしょう。

そういう意味では将来的に「持ち家」の資産価値はどんどん下がるということになりかねません。
 
しかも、昨今はアベノミクスの影響でデフレを脱却しつつあります。そのため実質金利が将来上昇する可能性があり、それもまた不動産を売る側からすればマイナス要素となるでしょう。

今現在は「マイナス金利」といわれていますが、マイナスである以上は、これから諸々の要素によって将来的には上がるしかないわけです。

最早下がりようがないからです。

さらには土地価格自体も慢性的に下落傾向にあり、将来的に特に上がる要素など見当たりません。
 
このように、現在「不動産」を買うことにはかなりのリスクがついて回るのです。

ですから業者の美辞麗句に騙されて祈願の「持ち家」を買ってしまい、月々のローンと管理費に永続的に悩まされ、いざ売ろうと思っても全く売れないという悲劇が待っている可能性があるのです。

事実、現在日本中で家余りが生じており、家を貸したい人や売りたい人々は頭を抱えているのが現状です。

にも拘らず、新築の家がどんどん供給されてきています。
 
つまり、今の我が国では「持ち家」を「資産」として持つなど全くといっていい程ありえない状況なのです。
 
無論、家に住まないわけにはいかないので購入すること自体は悪いことではないと思います。

しかし将来値上がりした時に売却するなど、かつてのバブル期のような真似は決してできないでしょう。

加えて後ほど説明しますが、我が国の住宅ローンはかなり購入者に不利な制度になっているので購入するにしても綿密な計画を立てる必要があります。

ですので基本は相続で受け継いだり、自分の生活に合わせて借り替えていくのが、現状では賢いやり方であると思います。
 
ロバート氏からすれば「持ち家」なんて初めから「負債」でしかないという認識なのだと思いますが、これは最早個人レベルではなく、国レベルで対策を講じなければならない局面にまで来ているのではないでしょうか?
 

「株」をしっかり「資産」として運用するコツ

「資産」が「継続的にキャッシュを運んでくれるもの」である以上、「持株」も自らに継続してキャッシュを運んでくれる銘柄に投資をしなければいけません。

そのために多くの投資家が日々株式投資の勉強をしながら投資活動をしています。
 
「株式投資」のポイントとは、ずばり「資金を増やす」ことです。

あまりにも当たり前のことなので拍子抜けしたでしょうか?
 
元も子もないような言い方になるかもしれませんが、株式に投資して資金を増やすには「安い時に買って、高い時に売る」以外に方法はありません。

むしろ、これが株式投資の全てであると言っても過言ではないでしょう。

もちろん「ポートフォリオ」などを組んで、他の証券と絡ませて全体として安定した運用を目指すというのであれば、銘柄の選定はもちろん、マクロ経済の動向やROE・PERなどの指標を駆使して様々な分析を加えなければなりません。

長期的に見て資産を守るためならば、安定して資金を増やすためにじっくりと分析を加える必要があるでしょう。

しかし、単純に資金を増やすという側面だけを見るならば、ポイントは「安い時に買って、高い時に売る」以外にはないのです。
 
無論、それでもある程度の銘柄選定や分析は必須なのですが、目標はなるべく単純化することをお勧めします。

なぜならば、株式投資において「本来の目的」を忘れてしまう人があまりにも多いからです。
 
様々な銘柄を詳細まで分析し、また細かい経済指標やカントリーリスクなどを詳細に分析している投資家が多くいます。

しかし彼らの大半は全くといっていいほど儲かっていません。

キャッシュを得られていないのです。

なぜならば「資産を増やすことが目的であることを忘れ、分析や銘柄集めなどが目的化してしまっているから」です。
 
何のために投資をするのか?そこを見誤ってはいけないということです。

目的を見失ってしまい、本来手段でしかなかったことが目的化してしまうと、たいてい悲惨な結果になってしまいます。
 

上記で述べた「持ち家」などでも、住むことが目的のはずが、いつの間にか「家を持つこと」自体が目的化してしまうようになり、結果として経済状況がどう見ても不利になっているにも拘らず、盲目的に持ち家を購入しようとする人が後を絶たないのが現状です。
 
本来の目的を果たせないまま、実際には碌に役にも立たない分析に拘泥するくらいならば、小さな失敗を繰り返してそこから学んだ方がよほど有用です。

ですから「安い時に買って、高い時に売る」。

これを目下の目標にして経験を積む方がいいと思います。

当然失敗もするでしょうが、そこから学んだことの方が結局役に立つことが多いものです。

無論、一気に全財産を投入して再起不能になるなど馬鹿な真似はしてはいけません。

基本は少額から投資をはじめ、失敗しながらも学んで行くスタイルがベストだと思います。

繰り返しますが、分析や銘柄集めを目的化させてしまってはいけません。
 
そして「損切り」は素早く行うこと。これに尽きます。
 
たとえば、買ったときよりも「~パーセント下がった」ならば、即座に売ってしまうというように予め決めておき、実際その基準まで下がったら有無を言わさずに売ってしまうということです。

「長期保有」や「分散投資」という言葉に甘えて、下がる一方の株を持ち続けることは絶対にしてはいけないのです。

ですから、自分が買ってもいいと思った株価から、一定額下がってしまったら売ってしまうことをお勧めします。

実際、いかなる分析を用いても株価は予想のつかない動きをすることがよくあります。

「上がる」という無根拠な勘を信じて、値下がりするような株に投資し続けることは、永続的に自らに「楔」を打ち付けるに等しい行為ということです。

これはあくまでも短期的な投資の話ではありますが、仮に長期で考える場合でもある程度の値下がり基準を設けることは重要です。

 


 

「ローン」という恐ろしい楔に気をつけよう

 
最後に「資産」を守るうえで「大敵」となる「ローン」のお話を少しします。特に不動産の「ローン」などは「資産」をしっかりと守るうえで特に気をつけなくてはならないものです。

得に住宅のローンはそうです。
 
なぜならば、仮に火事や災害などで家を消失してしまっても「ローン」だけは残り続けてしまうからです。

実は、海外ではそのようなリスクを貸す側がとってくれるような仕組みを持つ場合が多いのですが、我が国の場合はそのような制度はほとんどないのです。
 
ここで仮に、我が国で大災害かリーマンショックのような出来事が起こったとします。

もしこれがアメリカだったとすれば、それによって住宅ローンが払えなくなった場合は最悪家を出れば残りの支払額を貸す側が引き受けてくれる場合が多いようです。

つまり支払いができなくなっても家を追い出されるだけで済みます。

無論、一時的にホームレスになりますが、ゼロからの再起をはかることもできます。
 
事実として、リーマンショックが直撃したときのアメリカでは、公園生活を送りながらも再起をはかろうとする人々が溢れていました。

日本でもこういう人々の様子がニュースで報道されたりしていましたね。
 
しかし我が国の場合はそのような消費者向けの制度はほとんどありません。

そこで同じような事態に陥った場合、私達は「ローンの残額を支払う途中で」路上に放り出されるという事態になりかねないのです。

家を失っても、ローンはなくならないのです。
 
つまりゼロからどころか、マイナスからの再起をはからねばならないという事態も考えられるわけです。

これは本当に恐ろしい事態といえるでしょう。
 

このように、一見消費者にとって便利な「ローン」であっても、実はそのウラには恐ろしい現実が待っていることが多いので、よく知識を身につけてから検討することをお勧めします。

まずは自分なりに勉強するか、専門家に相談してみることをお勧めします。

「お金」の勉強をはじめよう

多くの人が、「お金」の勉強を必要性を感じていながらも、結局は始めないことが多いです。 しかし私達一人ひとりが「お金」の勉強をしなければならない時代です。 放っておいても勝手に不動産価格が上がってなどという楽観的な時代ではない以上、自分の資産は自分で考えて管理しなければなりません。 そのために、少しずつでもいいので「お金」の勉強を始めましょう。 ※参考文献一覧 ロバート・キヨサキ(2000)『金持ち父さん貧乏父さん』筑摩書房. ロバート・キヨサキ(2002)『金持ち父さんの投資ガイド 入門編―投資力をつける16のレッスン』筑摩書房. 上念司(2016)『家なんて200%買ってはいけない!』きこ書房. 八木剛(2016)『誰も触れない 不動産投資の不都合な真実』幻冬舎. 中川優也(2015)『夫婦で読む 家を建ててお金持ちになる家族、貧乏になる家族』アスペクト.

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