世界遺産に登録された時の経済効果はどのぐらいあるの?

意外に知らない世界遺産登録とそれが及ぼす影響

昨年(2014年)に群馬県の富岡製糸場が世界遺産に登録されたのに引き続き、今年(2015年)には「明治日本の産業革命遺産」ということで「軍艦島」や「韮山反射炉」など、幕末から明治にかけての重工業施設を中心とした23施設が世界遺産登録されました。

登録に当たって某国による猛烈な反対もあったそうですが、無事に登録されましたね。

その23施設のうちの一つに萩の反射炉がありますが、こちらでは大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台になったこととの相乗効果でかなりの経済効果がありました。

他の世界遺産登録地も概ね同じような経済効果があったようです。

そこで気になるのが「世界遺産に登録されたらどのぐらいの経済効果があるの?」ということですね。

特に不景気にあえぐ自治体にとっては生活のかかった大きな問題ですね。

まずは世界遺産について理解していきましょう。


  

世界遺産について一分で理解しよう

だれもが世界遺産という言葉は知っていますね。

でも、世界遺産についてどれだけの人が「正しく」ご存じでしょうか?

以下、一分で理解できるようにまとめました。

「世界遺産とは1972年11月、第17回ユネスコ総会で採択された【世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約】(世界遺産条約)に従い、世界遺産リストに登録された“顕著な普遍的な価値がある”と認められた文化や自然のことです。」

世界遺産の目的は、国や民族の枠にとらわれずに人類共有の財産として守ることです。

世界遺産はその内容によって以下の3種類に分けられます。

・文化遺産・・・顕著な普遍的価値をもつ建築物や遺跡など。

・自然遺産・・・顕著な普遍的価値をもつ地形や生物多様性、景観美などを備える地域など。

・複合遺産・・・文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を兼ね備えるもの。

おおまかに理解していただいたところで、具体的なことを見ていきましょう。

あなたはいくつの場所を知っていますか?

そんな世界遺産で誰もが知っている有名な場所を紹介してみましょう。

中には地名は知っていても「ここって世界遺産だったの?」というものもあるかもしれません。

・マチュピチュの歴史保護区(ペルー)

マチュピチュというと分かりにくいかもしれませんが、インカ帝国の遺跡と言えばぴんと来る人が多いでしょう。

宮崎駿監督が「天空の城ラピュタ」のモデルにしたということで、日本人が行きたい世界遺産のトップにランキングされる場所です。

実はインカ帝国の遺跡の多くがスペイン人により破壊されたのですが、ここマチュピチュは奇跡的にほとんど無傷で残っているのです。

・エジプトのピラミッド

これは解説が不要なぐらい有名ですよね。

中でもクフ王のピラミッドは、世界中にあるピラミッドの中でも最大で、なんと4400年もの間、世界で一番高い建造物だったそうです。

・富士山

日本にも世界に誇る世界遺産があり、その中でも富士山は比較的最近登録されました。

真夏でも頂上は氷点下です。登山道は登山客が長蛇の列をなし、日本人だけではなくその中には外国人も多くいます。

さて、そんな世界遺産ですが、一番気になるのはやはり、世界遺産に登録されたらどのぐらいの経済効果があるのかですよね。

 

世界遺産に登録されたらどのぐらい得するの?

まず、世界遺産に登録されたらユネスコがお金をくれるのでしょうか?

実は、ユネスコは世界遺産を登録するだけで、保全のために費用を出してくれるわけではありません。

逆に、自治体がその世界遺産保全のためにたくさんの出費を余儀なくされることさえあるそうです。

でも、それを補って余りあるのが観光の効果です。

平泉が世界遺産に登録された時を例にしてみると、岩手県への経済効果は年63億円との推計があるほどです。世界遺産が与える観光地としての経済効果ははかりしれないのです。

世界遺産の登録場所はもちろんですが、その周辺のホテルや旅館、タクシーやバス・JR、お土産屋なども世界遺産登録の恩恵を受けることができるのです。

2015年に登録された「明治日本の産業革命遺産」23施設も、アクセスの改善やガイドの強化、ガイドブックの刷新、新しいお土産の開発などなど、様々な工夫を凝らし、観光客の増加に対応しています。

ただ、登録された直後に比べると徐々に注目度は薄れていきますので、継続的に経済効果を得るにはリピーターになってもらったり、口コミ評判でお友だちを紹介してもらったりする必要があるため、そのための努力を怠ったら一過性の経済効果しか得られないのです。

さて、ここまで聞くと、世界遺産に登録されたら大きな経済効果があり、メンテナンスやインフラの整備などに手を抜かなければ地元にお金が入り続けて良いことずくめのようにも思われますが、世の中そんなにうまくいきません。

実は、世界遺産に登録されたことでトラブルも多いのです。

こんなにあるトラブル事例

・観光客のマナー違反

修学旅行でお寺に落書きしたというニュースがよく流れますが、世界遺産に登録されていても例外ではありません。

むしろ、そのような価値がある場所に落書きをして自慢する人もいるというから困ったものです。

さらに、破損や破壊、持ち去りなども深刻な問題です。

・交通・宿泊の課題

登録前は単なる田舎町だった場所が、登録後に観光地に一変することが多いため、交通量が一気に増えることによる排ガス問題や宿泊場所の不足などが深刻になることもあります。

また、バス停の増設や宿泊施設の増加に伴う地元住民とのトラブルが起こるケースもあります。

・富士山のトイレ問題

富士山ではトイレが有料だということに驚かされますが、そうしないといけない事情があるのでしょうね。

・自然破壊

自然遺産として認定されたのに、観光客の増加で自然が破壊されてしまうという皮肉な現象が起きているのも事実です。

もちろんそうならないように観光地の側も様々な対策をとっていますが、生育まで途方もない期間が必要な高山植物を安易な気持ちで持ち帰る観光客がいたり、固有の動植物の生息地がふみあらされたりというトラブルもあるのです。

・地元民の不利益

世界遺産に登録されたからといって、そこに住んでいる人に等しく恩恵が与えられるわけではありません。

逆に、普段の生活がおびやかされることもあるのです。

岐阜県の世界遺産白川郷合掌造りは普通の民家が世界遺産に登録された珍しいケースですが、普通に生活しているところにいきなり観光客がやってきてのぞき見する、というトラブルもあったそうです。

2015年に新たに世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の23箇所でも、概ね経済効果があり地元経済が潤ったようですが、きっとトラブルも多かったのではないでしょうか?

さて、ここまで世界遺産に登録されることの経済効果とトラブルについてみてきました。

では世界遺産についてさらに知識を増やしましょう。

世界遺産トリビア

世界遺産のトリビア、いくつご存じですか?

・世界遺産登録数ランキングTOP3!

1位 イタリア 51箇所

2位 中国 48 箇所

3位 スペイン 44 箇所

ちなみに日本は19箇所でランキング外の11位です。

・最初の世界遺産

世界遺産に初めて認定されたのは、1978年に認定された12カ所です。

あなたはいくつ知っていますか?

1、ガラパゴス諸島(エクアドル)

2、イエローストーン国立公園(アメリカ)

3、クラクフ歴史地区(ポーランド)

4、アーヘン大聖堂(ドイツ)

5、キト市街(エクアドル)

6、ラリベラの岩窟教会群 (ザグウェ朝)(エチオピア)

7、シミエン国立公園(エチオピア)

8、ヴィエリチカ岩塩坑(ポーランド)

9、ナハニ国立公園(カナダ)

10、ゴレ島(セネガル)

11、メサ・ヴェルデ (アメリカ)

12、ランス・オ・メドー国定史跡(カナダ)

ちなみに、日本の世界遺産登録第一号は1993年に登録された法隆寺・姫路城・白神山地・屋久島の4カ所です。

中でも法隆寺は、世界で現存する最古の木造建築という理由で登録されたそうです。

あなたの街が世界遺産に登録されたらどうする?

いろいろなメリットがある反面、トラブルも伴う世界遺産登録。 知名度が上がるけれども、それに伴うデメリットもありますし、自然や貴重な建造物が破壊されてしまう危険もあるということは皮肉ですよね。 なかには「世界遺産に登録されてもいいことなんて何もない」という人も少なくないようです。 それでも、今回日本の「明治日本の産業革命遺産」23施設が登録されたように、毎年世界遺産は増え続けています。 もし、あなたの住む街が世界遺産に登録されたり、世界遺産に登録された街に引っ越したらどうしますか? その時は本記事を参考に、デメリットも踏まえた上でお金を稼ぐチャンスをぜひ探ってみてください。 もちろん自然や遺産を破壊しない方向で考えて下さいね。

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