ヨーロッパの金融を支えてきたドイツの今後が気になる!

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VW(フォルクスワーゲン)問題に揺れるドイツ!日本も他山の石として捉えるべき

VW(フォルクスワーゲン)問題、これはとても衝撃的でしたね。

世界で最高品質といわれ資金的にもお金がない訳ではないたドイツ車メーカーに、なんと排ガス規制を逃れるソフトウェアを搭載していたということで、世界に大きなインパクトを与えました。

2015年はイスラム国問題やシリア、ウクライナなど大きな事件が相次いだのですが、企業の信頼性を問うという意味では、このVW(フォルクスワーゲン)問題は一番大きかったのではないでしょうか。

まずは、VW(フォルクスワーゲン)が本社を置くドイツという国と、その信頼性の高さについてみてみましょう。


  

ヨーロッパにおけるドイツの位置づけ

世界史の授業のようになりますが、ヨーロッパにおけるドイツの位置づけについて簡単にみてみましょう。

ゲルマン民族が多数を占めるドイツは、ヨーロッパの度重なる戦乱を経ながら、15世紀を過ぎたころに初めて「ドイツ国」という名称を名乗るようになりました。

次第に中央集権国家になり国力を蓄えていったドイツ国は、第一次世界大戦でイギリス・フランス・ロシアと対立し、敗戦国になります。

その後、空前のインフレでドイツ経済は疲弊しましたが、それを救ったのがヒトラー。

しかし、そのヒトラーが率いるナチス党により独裁色を強めていき、第二次世界大戦が発生し、再び敗戦国になりました。

戦後は東西ドイツに分かれますが日本と並ぶ復興をとげ、ヨーロッパはもちろん世界でも有数の経済大国になります。

やがて東西ドイツは統一され、現在はEU(欧州連合)の中で中心的な位置を担っています。

EUの中でのドイツ

古来から数多くの戦争を繰り返してきたヨーロッパをEUによって統一されたのは歴史的に見て画期的だといえますし、その中でドイツが果たしている役割は大きいでしょう。

ギリシャのデフォルト問題においてもドイツがその解決に大きな役割を果たしていると言えます。

特に、東西ドイツの統一は象徴的な出来事でした。

東西冷戦の終わりを象徴するようなベルリンの壁の崩壊など、ドイツはヨーロッパだけでなく世界で注目を浴びている国です。

一方、移民問題は深刻なようで、職業上の差別があったり、「ネオナチ」と呼ばれる団体が民族主義を掲げ、ヒトラーの考えを復活させようとしているかのような動きもあります。

ちなみに、スポーツが盛んで大きな大会でも良い成績を収めており、例えば2014年にブラジルで行われたサッカーワールドカップでは見事優勝をしています。

 

ドイツの高い信頼性

さて、そんなドイツはヨーロッパ1の経済規模を誇る国です。

ドイツは世界的に見ても、アメリカや、中国、日本についで世界第4位の経済大国なのです。

それだけに、VW(フォルクスワーゲン)問題がもたらす影響は大きいとも言えます。

そんなドイツは工業が特に盛んで、ガソリン車やディーゼル車を開発したのもドイツです。

様々な製品に高い信頼性をもっていて、車はその中でも特に信頼性の高さで有名でした。

車に興味がない人でも、ポルシェやアウディなどの名前を聞いたことがあるでしょう。

戦前はその高い工業技術が戦車や戦闘機など、人を殺すために使われてしまいましたが、現在では車だけでなく旅客機、ロケットなどの宇宙開発事業、その他IT産業の技術の多くをドイツが支えているのです。

また、ドイツ人の職人気質は有名で、無口だけれどドイツ職人が作るこだわりの商品は絶対的な信頼を誇っています。

日本の昔気質の職人さんみたいなものですね。

VW(フォルクスワーゲン)問題が世界に与えた衝撃

上記のように製品の品質に絶対的な信頼があり、また環境問題への取り組みなどでも世界の最先端をいっているドイツで起こったVW(フォルクスワーゲン)問題がどれだけ大きなインパクトか、お分かりでしょう。

今回の事件は排ガス規制逃れに関する不正でしたが、車への信頼性と共に環境問題を軽視しているということも明るみに出たということで、二重の意味で衝撃的な出来事でした。

特に、ドイツ車を好んで買う多くの人に衝撃を与えたことでしょう。

また日本に与えた影響も決して小さくはないようです。

そもそも、「日本車は大丈夫なの?」と考えて消費者が新車を買い控える可能性が考えられますね。

以前、日本のトヨタ車のブレーキに欠陥があるのではないか、という指摘からトヨタ車がリコールされるという騒ぎがありましたが、自分の命を預ける車の性能に消費者が敏感になるのは当然のことですね。

VW(フォルクスワーゲン)の歴史

さて、そのVW(フォルクスワーゲン)の歴史について少し振り返り、どのように信頼性の高い企業に成長していったのかを見てみましょう。

VW(フォルクスワーゲン)の誕生は1934年にまでさかのぼり、ベルリンモーターショーで提唱した国民車(フォルクスワーゲン)計画に従い、著名な自動車設計者であるフェルディナント・ポルシェによってつくられた小型車に端を発します。

ただ、第二次世界大戦の間はヒトラーの名で軍用車に使われていました。

戦後、VW(フォルクスワーゲン)はようやく大衆車として普及し始め、ドイツ人技術者の高い技術もあって、性能では世界最高の大衆車として一躍名をはせていきました。

その後、アメリカを始めとした世界各国にVW(フォルクスワーゲン)車は輸出されていき、戦後疲弊したドイツ経済を復興させる一翼を担うことになったのです。

そもそもVW(フォルクスワーゲン)問題って?

それだけ長い歴史の中で信頼をかちとってきたVW(フォルクスワーゲン)が起こした問題とはどのようなものでしょうか?

おおざっぱにまとめると、『ディーゼルエンジン車のエンジン制御用コンピューターに特殊に処理を組み込むことにより、EPAがディーゼルエンジン車の排気ガスの排出試験を行う実験条件のもとで車が走行している場合には、エンジンの出力を低く抑えることにより、排気ガス中に含まれる環境汚染物質の量を少なくしていた』ということのようです。

要するに排気ガスに環境にやさしくない物質が含まれていても、それを正しく報告していなかったということですね。

その規制逃れは非常に巧妙に行われていたようですし、「まさかドイツ車がそんな不正を行うわけがない」という先入観も手伝って、なかなか明らかにならなかったのでしょうね。

そのVW(フォルクスワーゲン)問題の原因として、「世界一を目指した急な拡大路線」があるのではないか、という指摘があります。

どういうことかというと、2007年末に当時のVW(フォルクスワーゲン)のCEOウィンターコルン氏が「2018年に1千万台以上の世界販売を達成する」という10年計画を掲げたのです。

どうやらその目標が高すぎたのにも関わらず、その目標を達成しようとがんばりすぎて、不正に手を染めてしまったのではないかという説です。

内情を知る関係者は「軍隊のように厳しかった」と言っていたようで、その「2018年に1千万台以上の世界販売を達成する」という目標を是が非でも達成させようという雰囲気があったようです。

ドイツ人の生真面目さが裏目にでてしまった結果かも知れませんね。

VW(フォルクスワーゲン)の今後は?

このVW(フォルクスワーゲン)問題は今後のVW(フォルクスワーゲン)の発展に暗い影を投げかけています。

日本でも産地偽装問題や耐震構造欠陥隠しなど、近年企業の不正問題が多く取り上げられていますが、不正は高くつくということですね。

VW(フォルクスワーゲン)にとっても不正の代償は大きく、今後5年で350億ユーロ(約4兆7600億円)規模の金額(そのうち制裁金が約180億ドル(2.1兆円)といわれる)を払う必要があるといわれています。

これは、一企業の問題ではなく、ドイツ全体の問題ですし、もっといえばEU(欧州連合)の問題でもあるのです。

万が一ドイツにおいてVW(フォルクスワーゲン)が破綻することになったら、それは日本でトヨタ社が破綻するようなものです。

従業員の解雇、関連施設の閉鎖、交通に及ぼす影響、下請けの中小企業への受注の減少など、一つの企業の問題にとどまらず世界経済に激震が走る可能性があります。

ドイツの信頼性は復活するか

それでも、VW(フォルクスワーゲン)のファンが根強くいるのも事実です。 当然今後は信頼回復に努めないといけませんが、長い間VW(フォルクスワーゲン)車に満足し、次の車にもVW(フォルクスワーゲン)を選択する予定のユーザーもドイツだけでなく世界中に多数いるでしょう。 ドイツは今回の不正問題を謙虚に受け止められる器量を持っていると思いますので、一時的には苦労しますが、破綻には至らないのでは?と予測しています。

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