TPP条約の締結であなたの生活はどう変わる?

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農産物だけではないTPP条約締結が及ぼす影響

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が紆余曲折を経て締結されました。交渉は難航したようですが、同意に至ったようです。

このTPP条約の締結、あなたの生活に大きな影響を及ぼす可能性があるということをご存じでしょうか?

「我が家には関係ないよ」や「農産物とかの関税がなくなるんでしょ!」とお考えかもしれませんが、このTPPが締結された後に日本人の生活が大きく変わりうる様々なポイントがあるのです。

ですので、正しいTPPに関する知識を持っておくことであなたやご家族の生活や資産を守ることにも繋がるのです。

まずはTPPの基礎知識を確認しましょう。

  

TPPって何?

TPPとは、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定のことで、日本やアメリカを含む太平洋周辺の国々で関税を撤廃するなど数々の経済連携をしていくものです。

始まりは、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国が経済連携協定を行ったことで、その4カ国から対象加盟国をどんどん増やしていく交渉がなされてきたのです。

日本での報道では、日本とアメリカばかりが強調されているようですが(実際、TPP対象国域内GDPの91%を日本とアメリカの2か国が占めているのですが)、あくまで最初は4カ国で協定を行ったことが始まりなのです。

さらに、TPPの対象品目は農産物や物品だけだと思われがちですが、その対象は多岐にわたっています。

例えば知的財産権、法律や保険などに関しても規制緩和がなされます。

TPPとEUとの違い

TPPは環太平洋域内での自由貿易を促進することが目的ですが、そのいい見本として欧州連合、通称EUがあります。

EUは通貨や外交政策も統一されておりTPPとはその点で異なりますが、関税の撤廃による経済効果、人々の生活の変化については非常に参考になる見本だと思います。

EUの国々は統合以前から移民問題を抱えており、世界でいち早く少子高齢化も経験しています。

そして、大きな転換点となったのが冷戦の終結です。

東西の垣根が無くなったことで、東側諸国の労働者が西側に流れ込むなどの現象が起こり、特にドイツは東西ドイツの統合でめざましい経済発展を遂げました。

また、内戦の終結により経済発展をとげつつあるコソボのような国もある一方、観光のみで成り立っていたギリシャがデフォルトするという事態もおこっています。

ヨーロッパの統一も一筋縄ではいかないようですが、TPPはさらに距離的にも離れた国同士が行うため、より慎重に導入していかなければならないでしょう。

 

農産物の関税

さて、日本において特にTPPの影響が高いとされて問題となったのが農産物への関税です。

日本が輸入している農林水産物は2328品目あるそうですが、そのうち1885品目で関税が撤廃され、その割合はなんと約81%です。

輸入される品目の5分の4が関税撤廃されるということですね。

とはいえ、いきなり撤廃となるわけではなく、段階的に引き下げられていくようです。

ソーセージは現在の10%の関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、6年目に撤廃されます。

牛タンは、現在の12.8%の関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、11年目に撤廃されます。

鶏肉は、11年目までに関税を撤廃します。

生の果物や野菜はすべての品目で関税を撤廃します。

この決定に、日本の農業従事者は大きな危機感を募らせていて、TPP合意への大きな障壁になっていったのです。

当然のことながら、日本から輸出されるものの多くも関税が撤廃されていきます。

医療・金融商品などなどにも影響が!

そして、農産物よりもさらに日本人の生活に大きな影響を与えるのではないかといわれているのが、医療・金融商品などのサービス業への影響です。

どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

まずは医療について。

アメリカが日本における医薬品の規制緩和を迫ってくると、薬や医療機器の価格が高騰する可能性があります。

またさらに危惧されるのが、TPPによってアメリカの民間企業が病院経営に参入してくると、株主に支払う配当を確保するために、患者が受けるべき必要な医療を削ったり、売り上げを伸ばすために過剰な検査など行われる可能性があるということです。

「医は算術なり」になってしまいそうで、医療の安全性が脅かされたり、裕福でないと受けられない医療が増えてくる可能性があるのですね。

もちろんそうならないように交渉はなされるでしょうが、健康が脅かされるような事態はぜひ避けてほしいですね。

TPPで金融商品にも影響あり

次に金融商品にも大きく影響がありそうです。

むしろ、農業・水産よりも、また医療よりも取引金額が大きいのではないでしょうか。

現在の金融資本主義においては、金融商品の自由化による影響ははかりしれないほど大きいともいえ、特にアメリカにとって日本の規制が緩和・撤廃されることは大きな市場開放になるので、TPP締結の最大のメリットとなっています。

以下、生活に関係がありそうなことを列挙してみます。

・日本で英語を使った裁判が行われる可能性がある・・・裁判制度、弁護士の資格などで自由化を迫られた結果、世界でスタンダードな英語を扱える弁護士による裁判が日本国内で行われる可能性があります。

・簡易保険の自由化を迫られる・・・アメリカにとっては、簡易保険があるためにアメリカの保険会社が日本に参入しにくいという現状があるので、TPP締結と共に簡易保険を解体することを要求されるかもしれません。

・日本の農地と農業法人がアメリカのものになる・・・先に農産物の撤廃による影響を書きましたが、それ以上に大きいのが日本の農地や農業そのものがアメリカ資本のものになってしまう可能性があることです。

あなたの生活や資産を守るには?

こうしてみてみると、ややデメリットの方が強いように見えるTPP。

しかし何事も良いこともあれば悪いこともあるので、その見極めが重要です。

日本とアメリカ、他のTPP加盟国の国家間のパワーバランスもあるのでそちらを考慮しつつ、上記のことも参考にしながらTPP締結後にどのような展開になるかを予測していく必要があります。

農産物の関税撤廃は国内の野菜や肉・魚が売れにくくなるかもしれませんが、裏返せば日本の品質の良い農産物をアピールするチャンスsであり、日本食ブームで環太平洋域内の国への輸出を活発にすることもできるでしょう。

医療に関しては年々医療費の増大で日本の財政や家計を圧迫しているので、これを契機に健康食や適度な運動、予防医学を発展させて、病院や薬に頼らない生活スタイルを獲得するチャンスになるかもしれません。

金融商品については、どのような要求が(主にアメリカから)行われるか未知数な部分がありますが、事前に予測ができていればそれに対する対策もとれますので、インターネットなどからの情報に敏感になり、データ収集しながら先見力を養っていけばよいでしょう。

いずれにしても、あまり情報に惑わされずに、問題の本質をしっかり見抜いていくことが大事ですね!

TPPは日本にとって得か損か?

結論として、TPPを締結することは日本にとって特か損か、見極めにくい部分があります。 主にアメリカとの関係を見てきましたが、当然アメリカ以外にもTPP加盟国はいますし、シンガポールのように貿易が盛んで裕福な国もあります。今後爆発的に成長する新興国が出現したり、新たな国が加盟する可能性もありますね。 そして日本にとって得か損か、というよりも、TPPの本来の(表向きの)目的である環太平洋の諸国の強調でそれぞれの国が助け合うことによって様々な効果が期待できます。 特に、雇用の強化で各国の貧困を減らし、経済格差をなくすことは、大きな成果と言えるでしょう。 一つの例として、日本では外国人労働者の受け入れには消極的で規制が強いですが、今後高齢化が進んで労働者が減っていけば働き手がいなくなって生活自体が成り立たなくなってくる可能性があります。 それに備えて海外労働者、特に地理的にも近い地域からの労働者を多く受け入れることは、日本にとっては労働力の確保、海外にとっては余った労働力の輸出ということでお互いにメリットがあることになりますね。 特に医療・介護従事者や工事現場の労働力不足は年々深刻になっているので、期待されている分野だといえるでしょう。

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