家計に直結する原油安問題を世界規模で考えてみよう「原油価格はなぜ下がった?」

ガソリンが安くてラッキー、と安心していて大丈夫ですか?

最近ガソリンスタンドに行くと、ガソリンがまた安くなってきたな、と感じませんか?

お金がない人にとっては原油価格の下落は喜ばしいことのようです。

これまでも高くなったり安くなったりと値幅の動きが激しいガソリンなので、この傾向がいつまで続くか分かりませんが、感覚的にしばらく安値が続くような気がします。

それにしても、化石燃料である石油資源は年々減っているはずなのに値段が下がるというのは、消費者としてはうれしいですが、その理由が気になりますよね。

原油価格はなぜ下がったのでしょう?

ガソリンの原料である原油価格が下がったのはなぜでしょうか?

普通に考えて、物の価格が下がる原因は「需要が減った」「供給が増えた」の2パターンがあります。

では、原油の需要は減ったのでしょうか?

これはある意味当たっています。

「人口がどんどん増えて、原発事故も起こったから原油の需要は増えているんじゃないの?」という疑問もあるかと思いますが、それは正しいのですが、実は原油以外のエネルギー資源が増えているのです。

それは太陽光発電でしょうか?

残念ながら太陽光発電などのいわゆるエコエネルギーはまだ火力発電や原子力発電にとってかわるほどの電力はまかなえませんし、原油を材料としたプラスチック製品などの代用もできません。

実は、原油にとってかわる存在として急浮上したのは「シェールオイル」と呼ばれる物です。

主にアメリカで採掘され、アメリカではシェール革命が起こっています。

地下深くまで掘る必要があったり、抽出の技術的な問題などからコストパフォーマンスがあうかどうかなどシェールオイルには問題点もありますが、少なくともこれまでライバルがいなかった原油に突然現れた強力なライバルであることは間違いなさそうです。

原油とシェールオイルの関係については後で詳しく述べます。

そしてもう一つ、原油価格が下がった理由として原油の供給が増えた可能性についてはどうでしょうか?

実は、こちらの影響もとても大きいのです。

石油輸出国機構(OPEC)は原油の市場シェア確保を目指す方針を打ち出し、近年増産に力を入れているのです。

国際エネルギー機関(IEA)のデータによれば、すでに1985年以降で原油の供給過剰状態の期間は最長となる見込みで、過去30年で最長になりそうです。

なぜここまで石油輸出国機構(OPEC)は原油を増産しているのかは、先ほど上げたシェールオイルに対抗するため、中国や新興国で工場稼働率が高まってきているため、それに答える形で増産に乗り出しているなどが理由のようです。

化石燃料である原油をあまり速いペースで採掘し続けたら、自分で自分の首を絞めるのでは、と思うのは自分だけでしょうか?

原油安はいつまで続く?

あくまで予測ではありますが、原油価格はしばらく安いままで推移すると思われます。

理由としては上記の通りすでに原油安は長期化していて、増産の傾向は続くであろうと予測されるからです。

例えが悪いかもしれませんが、家電量販店の安売り合戦のようなもので、アメリカもOPEC諸国もお互いにひけない状況にあるのかもしれません。

原油安がストップする可能性があるとすれば、原油の採掘が減り価値が高まることが考えられますが、今のところ原油の探査技術も向上しているのでその可能性は低そうです。

むしろ原油の採掘が減ってしまったら世界的なエネルギー危機が来てしまいそうですね。

さて、原油安といわれていますが、ここでちょっと視点を変えて主に日本における原油の価格推移を見てみましょう。

実は今以上に安かった時期はありました。
 

原油の過去の値動き

ここで原油価格について見ていきますが、原油価格とガソリン価格が必ずしも比例しないことはおさえておいてください。

当然ある程度は比例しますが、ずれはありますし、予想もつかない価格変動も過去合ったのです。

ガソリンにかかる税金も影響しますし、ガソリンスタンドが赤字覚悟で安売りするケースもあります。

その結果ガソリンスタンドの廃業があいついだ時期もありましたよね。

ガソリン価格が原油価格の一ヶ月後を行く、という投資的な分析もありますが、確かなことは言えません。

さて、オイルショックの頃を覚えておいでの方はどのぐらいいらっしゃるかわかりませんが、2度のオイルショックで店頭からトイレットペーパーが消えるなど社会に大きな混乱をきたしました。

今の情報化社会でそこまで極端な現象は起こらないと思いますが、正しい値動きを知っておくことは必要ですね。

原油価格は2度目のオイルショック以降、下落を続け、1バレル30ドルを下回っていました。

それが2000年以降、急上昇しました。

2008年に1バレル90ドルを超えた後急下落しました。

あなたもガソリン価格が急上昇したり急下落したり、といった時期を覚えておいでかもしれません。

そして、先にも述べたように、一時は1バレル100円を超える高値をつけた原油ですが、急下落して現代に到るのです。

気になるシェールオイルと原油の関係

さて、自分が動向を特に注目しているシェールオイルについて詳しく見てみましょう。

今のようにシェールオイルが話題になる前に、長谷川慶太郎氏がシェール革命を予測されており、日経新聞などでシェールオイルが取り上げられるようになると「ようやくやってきたか」と思いました。

先にも述べたようにシェールオイルにも数々の問題点があり、ヨーロッパでは環境への配慮などからシェール層があるにもかかわらず採掘は見送っているそうです。

今後の予測ですが、シェールオイルと原油とで値下げ合戦は続くと思います。

その結果、双方に供給過剰の状態が続くと思います。

下手をすると、共倒れする危険もあるのかな?とさえ思ってしまいます。

アメリカの事情としては、デトロイトの破綻に象徴されるように国内産業が空洞化しているので、ゴールドラッシュを彷彿とさせるようなシェール革命は救いの神のようなものかもしれないので、こぞってとびついているのでしょう。

すでにアメリカは極端な格差社会になっていますので、低賃金の労働者や失業者に職を与えないといけない事情もあるのでしょう。

一方、OPEC諸国も原油以外の産業では今の豊かな生活を維持できません。

砂漠が拡がる国土なので、原油に頼る以外にありません。

観光業などはありますがそれ以外は厳しく、緑地も年々砂漠化が進んでいますので、新たな産業を見いださない限り原油で利益が得られなければならない事情があるのです。

原油は枯渇しないの?

ここで気になるのが、「原油は枯渇しないの?」という疑問です。

自分が小学校の頃の教科書には、自分が死ぬ(と思われる)前に石油が枯渇するかもしれない、という調査結果がありました。

実際には、今回のシェールオイルの採掘などで枯渇するまでの期間はまだまだあるようですが、とはいえ化石燃料なので、次にできあがるまでは何万年、何億年という単位の期間が必要なのです。

ちなみに化石燃料についてあまりご存じない人のために簡単に説明すると、化石燃料とは恐竜がいたぐらいの昔の時代から堆積した動植物などの死骸が地中に堆積し、長い年月をかけて地圧・地熱などにより変成されてできた、言わば化石となった有機物で、石油や石炭などのことです。

日本海に大量に沈んでいるとされるメタンハイドレードも化石燃料の一種で、地球にはまだまだ他の化石燃料もあるのかもしれませんが、作り出させるのに膨大な年月がかかることにはかわりがありません。

原油安の状況はを、温暖化防止という観点から解決できないだろうか

この記事を書いている2015年末では温暖化対策パリ会議(COP21)がおこなわれていて、初日から首脳会合を開催し新たなルール作りを模索しています。 地球温暖化が深刻になりつつあるということで、脱化石燃料化をはかっているということです。 1997年の京都議定書以上の成果が得られるのではないかとも期待されています。 しかし、それぞれの国がそれぞれの主張だけをおしつけあっていては、お互いが納得する数値目標は期待できないでしょう。 京都議定書の時のようにアメリカが離脱する可能性はありますし、人口増加が著しい中国やインドは一方で貧困問題も抱えています。 それ以外の新興国も人口が爆発していく可能性は高いですが、温暖化防止が足かせになって経済発展できないとなれば、当然反発も起こりうるでしょう。 そういった状況を考えると、今現在の国家間や企業間の利権などをいちどとっぱらって、本当に人類が存続するような仕組みを作っていかなければ、地球がもたないような気もします。 そう考えると、今の原油安の状況は原油などの化石燃料の時代が終わりを告げつつあることを象徴しているかもしれませんね。

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