「ネットカフェ難民問題」の本当の問題

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ネットカフェに難民?

ネットカフェ難民呼ばれる人々がいると言うことが言われて大分経ちますが、未だにどうもネットカフェ難民と呼ばれる人たちがいらっしゃる様子を先日拝見いたしました。

ネットカフェ難民とは、いわゆるホームレスの一種であり、実際難民とは言いがたいのですが、定住する住居がなく、寝泊まりする場としてインターネットカフェを利用する人々の生活スタイルを指す造語としていつの間にか定着しました。

最近は確かに値下げ競争や設備の充実やサービスの向上も相まって確かに夜を明かすのに快適であり、終電を逃した後に利用する場所としてとても適しています。

しかしもちろん基本的に宿泊施設ではないため、そこにまるで定住しているかのように生活されるのはお店としても他の利用者としてもとても迷惑です。

ですが「ネットカフェ難民」というモノにはそれ以上の問題があるという事に気がついた方はいますでしょうか?

そうした「ネットカフェ難民についての問題」について今回は考察してみたいと思います。

インターネットカフェを拠点にするホームレスの登場

ネットカフェ難民と呼ばれる人たちが発生する理由そのものは別に最近起きだした問題とは言えません。

これまで過ごしていた自宅や寮などの住居を諸般の事情で退去させられてしまった人と言うのはバブル期であっても一定数いたと言われていますし、ホームレスと呼ばれる人が日本にいると言うことを知らない人はいないでしょう。

そうした人たちがただ24時間営業のインターネットカフェや漫画喫茶と呼ばれる施設をホテル代わりにすることで夜を明かし、主に日雇い派遣労働と呼ばれる雇用形態で生活を維持しているだけの事であり、発生原因に関して問うのはとても今更です。

こういった定住場所を持たない、あるいは持てない人たちの多くは、かつてはドヤと呼ばれるところやカプセルホテル、もう一ランク落として深夜をまたいで仮眠が取れるサウナや健康ランドなどを生活の拠点としていました。

しかし2000年代に入ると、深夜に長時間かつ低額料金で利用可能な「ナイトパック」やシャワールーム、個室席などを備えた、インターネットも利用可能な複合カフェが普及したこともあり、それまでの可能な限り安い宿泊施設としての場所がネットカフェに移っていきました。

特に値下げ競争が激化した東京蒲田地区などでだんだんとネットカフェ難民と言われる人の存在が目立つようになり、そうした人たちの存在が社会の明るみに出て来るとそれを真似る人たちが出だしたという訳です。

効率で考えれば確かに寝る時間だけお金がかかり、空調設備はもちろんシャワーも使えるし個室で寝れる、パソコンも使えて娯楽提供までしてくれて食事も出来る、と考えたらとても良いかもしれません。

しかし「ネットカフェ難民」と言う存在は相当お店と他の利用客からすると迷惑なことです。

「ネットカフェ難民」が起こす問題

ネットカフェ難民と呼ばれる人たちが起こす問題としてまずインターネットカフェというモノに対するイメージの低下が挙げられます。

「難民」という言葉のイメージが悪いとして、業界団体である日本複合カフェ協会「JCCA」は、「ネットカフェ難民は差別語だ」とする声明を発表し、今後は使用を控えるよう訴えました。

そもそも難民と言う言葉を差別的に捉えている事にこそ問題があり、ホームレスの人と難民と呼ばれるような人を混同すること自体がおかしいのですが、最大の焦点はそこではありません。

この声明発表の理由は、これまで業界を挙げて幅広い層に店を利用してもらおうとシャワーや完全個室と言った設備を儲けたり、食事の提供や印刷をするサービス、場所によってはファミリー向けの個室やネイルサロンを設置するなどの経営努力を進めてきたのにも拘らず「ネットカフェ難民」と言う言葉が広まることですべて台無しになっているという所にあります。

確かに報道の仕方、ネットカフェ難民と言うものの扱いの影響により、「あたかも浮浪者風情の人が夜な夜な集まり犯罪の温床となっている」というイメージを植え付けられ、それ以外の人々の客足、特に女性利用客が遠のき、風評被害とも言えるダメージを受けたのだといいます。

また、「ネットカフェでは、どのような方でも利用料金を払っているお客様であると認識しており、難民とは考えていない。そもそもネットカフェ難民と呼ばれる人たちは難民の定義に当てはまらない。」という事も主張しており、最近あまり表立ってこのネットカフェ難民と言う言葉を聞かなくなった背景があります。

確かに別段違法行為を行っている訳ではありませんし、難民と言うものの定義で考えるとネットカフェ難民と言う人たちは難民ではありません。

しかしJCCAがそうした声明と一緒に主張した「ネットカフェ難民は地域によってはいるかもしれないが、大きな社会問題ではない。」との認識を示したことについては反論の余地があるでしょう。

「ネットカフェ難民」と言う言葉こそが社会問題なのですから。

ネットカフェ難民と呼ばれた人達を区別する意味

ネットカフェ難民と呼ばれた人達を社会問題の一つとして捕らえた厚生労働省はJCCAに対し、ネットカフェ難民の実態調査への協力を打診しましたが、「ネットカフェ難民と言うものが存在することを前提とした調査手法」だとして、そのネットカフェ難民と言うものの存在自体を否定するJCCAは協力を拒否しました。

そしてさらにJCCAは「ネットカフェ難民と呼ばれる人たちの存在を作り出し、ことさら問題視して対策費を計上しようとしている」などと厚生労働省の姿勢を批判する持論も展開しました。

しかし厚生労働省は調査を断行、2007年に初の調査結果を発表します。

それによると、店舗への調査から推計される2007年時点でのネットカフェ難民の人数は5400人だったという結果が出ました。

当初は体力があり正に寝るための場所さえあれば基本構わないし、かかる費用が安ければいいという考え方でそうしたネットカフェ難民と呼ばれる人が生まれていると想定したので若年労働者が中心であると想定されていました。

しかし本調査では20歳代から50歳代など幅広い年齢層に亘っており、性別は男性6割に対し女性が4割とこちらもまたバラつきがありました。

加えて言うのであれば雇用形態についても同じくバラつきがあり、確かに非正規雇用が中心であるものの、完全失業者や正社員も中にはいたというのです。

この調査から分かったことはネットカフェ難民と呼ばれた人たちの共通点はただ一つだけ「ネットカフェを利用しているかどうか」だけだったと言えます。

この調査に対しては貧困問題に取り組むNPO法人などから「週1,2日といった利用頻度が少ない者」や、「ファーストフード店や個室ビデオ店といった他業種の店舗を利用する者」を調査対象から外してネットカフェと言う施設のホームレスと言う人たちを調査してなんになるのかと言う意見もあります。

そう考えてみれば確かにその通りであり、元々ホームレスと呼ばれていた人たちの中でネットカフェ難民と言うグループを特定して作り出すことに対して全く意味はないのです。

問題はそうした少しでも安く生活費を抑えていかないと生きていけない人たちがでている事にだけあるのです。

「ネットカフェ難民」と言うものの発生の原因

これまで説明してきたようにネットカフェ難民と呼ばれた人達に問題があるのではなくそうした言葉を作り出す社会構造に問題があります。

基本的に不満を持った人たちの不満を相手の欲求を満たすこと以外で抑えるのに昔から使われてきた手法の一つがそうした人たちよりももっと厳しい人たちの存在を作ることです。

例えば江戸時代に農民の不満を緩和するために作られた今では差別用語として使うだけでも問題があるような「えた・ひにん」と呼ばれる存在。

中世ヨーロッパの貴族への不満を和らげるために作られた市民以下の人を作る制度。

こうしたものを作ることで不満や不安をある人たちを「自分達はまだマシだ」と思わせるとてもお粗末な対策です。

日本経済の状態を考えるととてもいいとは思えませんし、この状態に不満を持った人だって多いでしょう。

しかしそれを一向に解決することが出来ないために「殆どの人」の生活が悪くなる中あえて意図的にその「殆どの人」よりも下に位置する人々を創出してしまうことでそうした「殆どの人」の不満を和らげるというものの表れがネットカフェ難民と言うものの登場なのです。

こうした自分達がマシだと思わせるためのメディアを解しての情報操作は今でも形を変えて私達日本国民に行われております。

それが中国経済のバブル崩壊であったり、アメリカの景気回復が遅れていると言う報道です。

実際にバブルがはじけた中国ではあっても経済力で日本を凌いでいますし、アメリカは寧ろ順調に経済力を回復させ寧ろ堅調していると言う実態を日本はそう報道することで国民の不満を和らげようとしているところがあるように思います。  

今の自分をちゃんと見ることの必要性

ネットカフェ難民と言う言葉そのものが生まれたことが実は社会問題になるべきことだという事が分かっていただけたでしょうか? 私は別に政治批判や日本批判をしたいわけではないです。 ただこのネットカフェ難民と言うものの問題から情報を得てそれをしっかりと自分で考える事の必要性を主張したいのです。 確かに何かと比べることにより物事はわかりやすくなりもしますが、比較するという事は本来の価値や本当の姿を隠してしまうという弊害があります。 本当に考えるべきは自分の生活と今後の将来であり、何かと比べてそれに影響されすぎないで判断することです。 これからの経済状態は消費税の増税を控えていますので少々厳しくなるでしょう。 しかしだからこそそれに耐えうるためにも下を見るのではなく上を見て、自分がどうして行くべきかしっかりと考えて生きましょう。

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