ノーベル賞受賞者が出ると地元活性化はあるのか?「過去の事例を検証してみた」

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あなたの街にノーベル賞受賞者がでたら、どうなるでしょう!

2015年度のノーベル賞受賞者が発表され、日本人からは2名が受賞されました。

ノーベル賞の授賞式は日本時間で12月11日未明に行われ、東京大学の梶田隆章さん(56)に物理学賞、北里大学の大村 智さん(80)に医学・生理学賞が授与され、その様子は日本でも固唾を呑んで見守っていたようです。

中でも、テレビではそれぞれの地元の様子が紹介されていました。

大村さんが普段立ち寄っているカメラ屋さんのご主人さんがインタビューされていたり、梶田さんが普段からにこやかであることなどが紹介されていました。

さて、そこで気になったのが「ノーベル賞受賞者の出身地や自宅がある地域にはなんらかの経済効果があるのかな?」ということです。

そのことに関して少し調べてみましたので、あなたも気になったのであれば、ぜひご覧になって下さい。

 

ノーベル賞について

まず、ノーベル賞について簡単にまとめておきました。

まさかノーベル賞を聞いたことがないという人はいないでしょうが、細かい部分は知らないこともけっこうあるかもしれません。

ノーベル賞とはダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルが創設したものです。

ダイナマイトという便利な反面、破壊兵器にもなるものを発明し、莫大な資産を築いたアルフレッド・ノーベルは、ある日兄のリュドビックがカンヌにて死んだときにフランスのある新聞が「アルフレッドが死去した」と取り違え、「死の商人、死す」という見出しで報道したのを見てしまったのです。

ノーベルの苦悩は計り知れないものだったことでしょう。

そこで、ダイナマイトの特許で得た莫大な資産の利子をもとに、「人類のために貢献した人」にその利子が与えられるという、いわゆる「ノーベル賞」を設立することを思い至ったのです。

その思いを遺書にしたため、ノーベルはなくなったのですが、現代にいたるまでノーベル賞は続いているのです。

日本人からも2015年に受賞した2人を合わせて24人にノーベル賞が授与されています。

ノーベル賞受賞者のお金に関するトラブル

そのような素晴らしい理念に基づくノーベル賞ですが、選考基準が不透明など様々な問題も抱えています。

そして、お金に関していろいろなトラブルもありました。

日本人がノーベル賞受賞に際して受け取った賞金は(経済学賞を除き)非課税となっているのですが、その理由は湯川秀樹氏が日本人初のノーベル賞を受賞した時、賞金に課税されることに世論の反発が起こったことが原因だと言われています。

また、記憶に新しいこととして2014年ノーベル物理学賞受賞者の中村 修二氏もあげられますね。

中村氏が元つとめていた日亜化学工業との訴訟合戦が泥沼化していて、後に和解しているのですが、ノーベル賞受賞者がそのようなトラブルを抱えていたことは話題になりました。

まあそのようなトラブルもあるものの、ノーベル賞を受賞することはおおむね好意的に捉えられ、なんらかの形で地域や企業の活性化に役立っているようです。

 

島津製作所の例

現役サラリーマン初のノーベル賞受賞として日本国内で大きな話題となった田中耕一氏をおぼえていらっしゃるでしょうか?

田中氏がノーベル化学賞を受賞したのは2002年ですが、現在でも受賞時と同じ島津製作所で勤めて研究を続けているとのことです。

先ほどの中村氏とは対照的にも見えますね。

どちらがいいかということについては言及しませんが、田中さんにとっては島津製作所で研究できたことは良い巡り会いだったのだと思いますし、島津製作所やその地域にとっても田中さんが居続けていてくれることで良い影響があり、この不況下でも安定した経営につながっているのでしょう。

ちなみに田中さん自身は、特許取得や出世・昇進にはほとんど関心がないようで、本人が無欲なことは好感が持てますし、それが島津製作所に大きなプラスになっているようですね。

ノーベル街道

さて、複数のノーベル賞受賞者で大きな地域活性化になった面白いケースがあります。

それは「ノーベル街道」と呼ばれる道路です。

国道41号の富山市から岐阜県高山市までの約90キロのことを「ノーベル街道」と呼んでいるのですが、その理由は2002年に小柴昌俊氏(ノーベル物理学賞受賞)と先述の田中耕一氏が受賞した際に、ノーベル賞受賞者4人ゆかりの地域がならんでいたからです。

ちなみに、2015年受賞者の梶田さんも加え、ノーベル街道にちなんだ受賞者は5人に増えました!

もともと国道41号は富山特産のブリを運ぶ「ぶり街道」と呼ばれていて、出世魚のブリにあやかって「出世街道」という異名をとっていたそうです。

それをノーベル賞と関連づけて地域活性化につなげているのですね。

このノーベル街道に住んでいる人が「次は自分も!」という意欲向上にもつながっていくのでしょうね。

街道の歴史をたどる「ぶり・ノーベル街道ウオークツアー」というイベントもあるそうで、特に今年は13年ぶりにあらたなノーベル街道出身の受賞者梶田さんがでたのでさらに観光客で盛り上がりそうですね。

ちょうど新幹線も北陸に行くようになってアクセスも向上したので、観光客も増加するでしょうし、地域活性化につながりそうですね。

ちなみに、ノーベル街道は、富山県の富山市から岐阜県飛騨市を仲介し、愛知県名古屋市にまで到る道となっています。

青色LEDの市場規模・経済効果

最後に、地域活性化というよりは人類社会全体に貢献していくと思われる技術に関する話です。

青色LEDの開発で2014年に赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の日本人3人がノーベル物理学賞を同時受賞しましたが、その功績はただ技術的に素晴らしいということだけでなく、青色LEDの省電力性やその他ありとあらゆる技術に応用可能ということで、経済効果、特に発展途上国の経済効果は大きいと期待されています。

青色LEDがなぜノーベル賞に値するのかについて疑問に思いませんでしたか?

自分の家でも青色LEDは普通に使っていますし、確かに便利で画期的だとは思いましたが、いまさらなんでだろう?という疑問は自分も抱きました。

その理由は、ノーベル賞を認定するスウェーデン王立科学アカデミーの公式発表を読めば分かりました。

その発表とは「赤崎勇、天野浩、中村修二は効率的な青色発光ダイオードを発明し、明るく省エネルギーな白色光源を可能とした」というものです。

つまり、青色LED自体が驚くべき存在なのではなく、青色LEDに伴い可能となった技術こそが、ノーベル賞授与にあたる審査の基盤となる“人類に最大の利益をもたらす発明”として認められた理由なのだそうです。

ノーベル賞を受賞することで、自分や自分の家族、自分の地域というだけでなく、全世界に素晴らしい功績を与えたということが受賞理由なのですね。

こう考えると、なにか人類史に残る新しい発明、発見をするというよりも、人類の生活をよりよくしたり、地球環境によりよい影響を与えた人や団体にノーベル賞は与えられるのでしょうね。

その良い例が、パキスタン人で史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララさんでしょう。

一時は銃撃されて命を失いかけたりもしながら、パキスタンや同じように女性など立場が弱い人に希望を与え続けているマララさんは、自分やその周辺の経済的利益というよりも、普通に教育が受けられたり差別されない世界を作りたいという思いが受賞の原因ですね。

もちろんそれを実現するためにお金が必要にはなります。

実際に「マララ基金」という就学機会を奪われた女性の教育を支援する就学支援事業があり、それをもとに女性が男性と同様の教育を受ける社会作りにつとめられているようです。

理想は社会的利益を追求すること

ノーベル賞を受賞することの最大の良さは何でしょうか? 名誉になる、名声が得られる、お金が稼げる、地元の経済に活気が出るなどなどいろいろあるでしょうが、最終的には本来のノーベル賞に理念でもあるとおり「人類に貢献する」ことでしょう。 まとめとして、人類社会に大きな利益をもたらしつつ、しかも経済活動に大きな発展している例をご紹介しています。 それは、バングラディシュ人のムハマド・ユヌス氏です。 「グラミン銀行」というものを考え出したムハマド・ユヌス氏は2006年にノーベル平和賞を受賞しました。 ムハマド・ユヌス氏の考え方は「ソーシャル・ビジネス」というもので、それは大きく2つの種類があります。 1つめは特定の社会的利益を追求する企業を作る社会です。 日本でもメセナ活動など、企業が社会貢献をすることも求められています。 そしてもう1つは、貧しい人々により所有され、最大限の利益を追求して貧困を撲滅するビジネスです。 この後者のほうは、当初「うまくいくわけがない」と猛反対されたのですが、ムハマド・ユヌス氏が無担保で少額の資金を貧しい女性を主対象に貸し出すマイクロ・クレジットという方法で実現しました。 貧困対策の新方策として国際的にも注目を浴び、ノーベル平和賞受賞にいたったのです。 そのような活動を通じて、結果として自分や家族、地域の人に利益がもたらされるのが一番良いのでしょうね。

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