スマホの値下げは実現するか?

スマホの値下げは現実的か?

先日、安倍晋三首相が携帯電話各社に料金の値下げ策の検討を指示しました。

日本の携帯電話、特にスマートフォン(以下「スマホ」と言う)の料金は外国に比べて高額だという声は少なくありません。

果たして、スマホの値下げは実現可能でしょうか。


スマホの料金体系

以前のスマホの料金プランと言えば、インターネットは使い放題で、通話は同じ携帯会社以外の人にかけると意外とお金がかかるといったものでした。

しかし現在の料金プランは内容が逆転し、携帯電話会社各社とも「通話定額料金」+「インターネット量に応じた料金」+「300円のネット接続料金」という形になりました。

従来のスマホ・携帯の料金プランとは全く違う考え方をしなくてはならず、変更当初は戸惑う人も多かったと思います。

また、MNP(乗り換え)という料金体系が浸透しています。
携帯電話会社を変更することで、一つの携帯キャリアを使い続けるより料金がお得になるだけでなく、販売店独自で数万円のキャッシュバックを実施していることもあります。

MNP(乗り換え)という方法は、お得に携帯を利用する手段として無視することのできないものです。

今までは他社携帯や固定電話にかける際にかっていた料金も、現在は全て通話定額に含まれます。
大手3社とも定額料金は全く同じで、スマホなら「2700円/月」、2つ折り携帯は「2200円/月」です。

現在の料金プランでは、インターネットを使うのに必要なデータプランの量を選ぶことでスマホ料金が変わってきます。

データプランの設定は「1ヶ月に速度制限なしで使用出来る容量」です。
この容量を超えると、通信速度が最大128kbpsに制限されてしまいます。

これはインターネットが使えなくなる訳ではありませんが、メール1通送るのにもかなり時間がかかってしまうということなので、ユーザーにとってはかなり不便を感じるはずです。

ただ、大手3社とも1GB1,000円のオプションを購入すれば、速度制限を解除し容量を追加することも出来ます。
auは500MBにつき550円というメニューもあります。
これは任意で行いますが、設定で自動購入にすることも可能です。

スマホの料金はなぜ高い

ガラケーの頃と比べて、スマホにしてから携帯料金が高くなったと頭を抱えている人も多いと思います。

そもそも、なぜこんなにスマホ料金は高くなってしまうのでしょうか。

まず、「オプション」の多さがその原因です。

スマホの明細を細かく見てみると、色々なオプションが付いていることに気が付く人も多いのではないでしょうか。

スマホを買う時に店員さんに勧められるまま有料オプションに加入し、そのことをすっかり忘れていて、
使っていないのに毎月オプション代だけを払い続けていたという人も多いと思います。

例えば、auだと「auスマートパス」や「ビデオパス」などがあります。
これはアプリを無料でダウンロードできたり、ドラマが見放題だったりとお得に感じますが、毎月そんなに利用していないのなら逆に損をしてしまいます。

入る時は「最初の月は無料なので」と言われていても、ずっとそのままだと無駄にお金を払い続けることになってしまいます。

2つ目の原因は「通話料金」です。

現在は基本料金2,700円でかけ放題のプランが主流になっていますが、昔のプランですと30秒につき20円の通話代がかかりました。

確かに通話をよくする人はかけ放題プランの方が得のようですが、今はLINEなどの無料通話アプリやIP電話など、通話代がかからないアプリもあります。かけ放題で2,700円と言ってもかえって高くつくかもしれません。

3つ目の原因は、スマホ料金の大半を占めている「パケット代」です。

スマホが高くなってしまう最大の原因が、パケット定額サービスの契約料金です。

auのパケット定額サービス「LTEフラット」の場合、定額料は月5,700円です。

データ容量が月7GBを超えると速度制限がかかりますが、どれだけ通信してもパケット代は一定というものです。

しかし専門機関の調査よると、日本人スマホユーザーの5割以上が3GB以下しか使っていないそうです。

つまり5割以上の人が、毎月使い切らないのに多くパケット代を払っていることになります。

外国のスマホ料金

総務省は、2012年に「通信サービス価格調査」を実施しました。

この調査では、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ストックホルム、ソウルの7都市において、それぞれの都市で最もシェアの高い通信キャリアの料金体系をもとに、音声通話が月99分、メールの送受信が438通(うち発信が215通)、データ利用量1.6GBという条件でスマホの利用料金を比較しました。

その結果、最も高かったのは東京で月額7,357円です。

次いで、デュッセルドルフ7,012円、ニューヨーク6,493円、ロンドン4,626円、パリ3,915円、ストックホルム3,373円、そして最も安いのはソウルで2,702円でした。

ただし当時は円高であり、円換算しているために単純に東京が高くなっています。

為替の影響を加味して比較すると、最も高いのはデュッセルドルフの9,354円、次いでニューヨークの8,946円、東京(7,357円)は3番目に高いという結果になりました。

ロンドンの6,242円、ソウル5,209円、パリ4,808円と続き、ストックホルムが3,603円で最も安いということになりました。

東京のスマホ料金が高い原因について総務省(電気通信事業部)はこう述べています。
「海外の料金体系は、利用量に応じて課金される従量制を採用しているケースが多い。日本は定額制なので利用量が多い人にはいいですが、少ない人には向いていません。」

このように料金体系の違いが影響していると見ています。

また、今回の調査ではデータ利用量の条件を「1.6GB」と低めに設定しているため、「これを4GB、5GBと高いほうに合わせると、従量制を採用している(海外の)ほうが料金も高くなると思います」と説明しています。

比較した7都市で「定額制」を採用しているのは、日本(東京)とドイツ(デュッセルドルフ)だけです。

ただ、「日本の場合はSMS(ショート・メッセージ・サービス)料金なども含まれる完全定額制ですが、独ではSMS料金を別途徴収するなど、日本とは異なります」と、日本のような「完全」定額制はめずらしいようです。

また、SMS以外のメールやデータ通信の料金が他の都市よりも高いことも日本の特徴です。

スマホ料金の現在と未来

総務省の有識者会議は、2015年10月から「料金プランの多様化」、「端末代の透明化」、「格安スマホの普及」の3テーマに絞って議論してきました。

「料金プラン」については、最もお金のかかるデータ通信料に注目しました。

月7GBまで通信できる料金コースの契約者が最も多いのに、実際の通信は1GB未満が目立つとして大手携帯電話会社に2GB未満のコースの検討を求めました。

また一部年齢層や機種に限れば、通話料も含めて月5千円以下になるコースがあることにも触れ、この価格帯を参考にして新コースを設けるように促しました。

「端末代」については、端末の買い替えや携帯電話会社の変更時に、「実質0円」といった大幅な値引きを行うやり方を見直すように要請しました。

これは値引きによる減収を埋めるために、携帯電話会社が通信料金を割高にしていると考えたためです。

ただし、携帯電話会社が値引きの原資として販売店に支払う「販売奨励金」の上限を明示することは見送り、
携帯電話会社の改善策を総務省が検証できるようなシステム作りを提案しました。

「格安スマホ」は、格安スマホ会社がから通信回線を借りて利用するシステムです。
しかし大手携帯電話会社が契約者情報を握っているため位置情報サービスが使いづらく、これまで格安スマホ会社が大手に対して情報の開示を求めてきました。

有識者会議の報告書では、契約者情報は「開示すべき」と結論付けました。

総務省はこれらの提言を基に指針を作成します。
指針自体に強制力はありませんが、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社は2016年の春までに料金の見直しを行うとのことです。

有識者会議のメンバーの一人は、
「料金は市場での競争で決めるべきだ。格安スマホが大手を動かし、スマホ料金の競争が起きないと、恩恵を受ける利用者が一部になってしまう」
とコメントしています。

大手3社はいずれも私企業ですから、本来であれば「自由競争」によって料金の引き下げが行われるべきところです。

今後のスマホ料金の値下げの流れはまだまだ不透明です。

スマホ料金の値下げは色々な問題を含んでいる

外国に比べて高い日本のスマホ料金ですが、格安スマホの盛況や「販売奨励金」の問題をクリアしない限り、なかなか前に進みそうもありません。

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