「低所得者ほど食事を見なおして」という言葉の波紋

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炭水化物は味方か敵か?

先日インターネット上で見た記事で所得別の栄養調査をした厚生労働省のコメントが、18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットの言葉とされる「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」に通じるインパクトがあるとネット上で話題になっているというものがありました。

マリー・アントワネットが本当に「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言ったかどうかはわかりませんが、貴族と庶民の感覚の違いを表しているもので、厚生労働省が庶民の気持ちを理解していないことに例えられているのでしょうね。

多くの人がこの厚生労働省のコメントに反発しているようで、そのお気持ちは理解できるのですが、自分はちょっと違う視点でこの問題を捉えました。

まずは厚生労働省のコメントについて詳しく見てみましょう。

  

厚生労働省のコメント

厚生労働省のコメントとは、一言で言うと、「低所得者ほど栄養バランスが穀物に偏る傾向」にあるとし、それを改善すべきというものです。

2014年の国民健康・栄養調査で所得別に栄養状態を分析したところ、所得が低い家庭は高い家庭に比べて食事が米やパンなどの穀物に偏っていて「栄養バランスが欠けている」傾向にあるとまとめていました。

全国約3600世帯の回答を元に集計したもので、食べている品目を詳しく尋ねて、所得と食生活の関係を調べたのは初めての調査だったそうです。

米やパン、麺など穀類の1日当たり平均摂取量は、世帯所得が600万円以上の男性は494グラムだったのに対し、200万~600万円未満は520グラム、200万円未満は535グラムでした。

女性も同様で、それぞれ352グラム、359グラム、372グラムで低所得ほど炭水化物の摂取量が多かったのです。

一方で、野菜と肉の摂取量は低所得ほど少ないという結果が出ました。

この調査結果に対する厚労省のコメントが以下のものです。

「所得が低い人は栄養バランスのよい食事をとる余裕がなくなっているのではないか、食事の内容を見直すなど健康への関心を高めてほしい」

この厚生労働省のコメントが、ネット上で非常に話題になっていて、最初に述べたマリー・アントワネットの言葉として伝わる「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」というフレーズを例に出し批判を生んでいるのです。

「栄養バランスの良い食事」は本当に必要?

厚生労働省の主張は「所得の低い人は炭水化物ばかり食べているので、肉や野菜も食べ栄養バランスを良くしなさい」というものです。

それに対し、「所得が低いんだから炭水化物に偏った食事になるのは仕方がないじゃないか」というのが主な反発理由でしょう。

ここで厚生労働省が言う「栄養バランス」とはなんでしょうか?

おそらく、炭水化物、脂質、ビタミンなど教科書通りのバランスの良い食事を1日3食とりなさい、ということだと思います。

でも、この「栄養バランス」がそもそも正しいのかどうか、そこについては今回の騒動の論点にはなっていないように見受けられました。

 

高所得者は実は少食?

あなたが高所得者に抱くイメージはどのようなものでしょうか?

「肥満体質で毎日贅沢な食事をしている」というものではないでしょうか?

でも、そのイメージは誤っているかもしれません。

実は高所得な人ほど少食だったり粗食だったりするかもしれないのです。

アメリカの事例を挙げてみましょう。

アメリカは経済の二極分化が進み富裕層と貧困層に分かれていると言われていますが、では富裕層がたっぷり食べて太っていて、貧困層がアフリカの飢餓に見舞われている人のようになっているかというとそんなことはないようです。

それどころか、富裕層は健康に気を遣って糖分や添加物を控えスリムなのに対し、貧困層は安くて量のあるファストフードなどを食べるため肥満傾向にあるそうなのです。

日本でも似たような状況になりつつあるのではないかとも言われています。

所得が高い人は、そもそもあまり食べないという意見もあります。

もしかしたら、高所得者は「肥満体質で毎日贅沢な食事をしている」というのは、アニメや小説などで作られたイメージかもしれませんし、昔はそうだったけど今は荘とは限らないということなのかもしれません。

できる男は超少食

タモリさん、白鵬関、水谷豊さんに共通することはなんでしょうか?

それは3人とも「1日1食」を実践されていることです。

実は仕事やスポーツで優れた結果を出す人に超少食な人は多いようなのです。

調理や食事、皿浅いに費やす時間や出費が抑えられるというメリットもありますが、最大のメリットは消化に費やすエネルギーを下げられることです。

食事をした後に眠たくなることは良くあると思いますが、人類を含め多くの生き物は消化に莫大なエネルギーを費やすのです。

そのことを「できる男は超少食」という本で船瀬俊介さんは述べられていました。

オバマ大統領やビル・ゲイツ氏も超少食だそうです。

1日1食や断食などをすることで驚くほど体調がよくなり、筋肉質にもなるのだとか。

過去の偉人の例でも、発明王エジソンも食事はとてもシンプルなもので、だからこそ睡眠時間をほとんどとらずに発明に没頭し続けられたとも言われています。

また、104歳で現役のお医者さん日野原重明さんも、食事はごく軽いものをずっと実践されているそうで、だからこそここまでご活躍できるのでしょう。

日野原重明さんの例は、これからの高齢化社会をのりきるための大きなヒントになるかもしれませんね。

炭水化物は敵?

「日本人ならお米を食べなさい!」とはよく聴く言葉ですが、これは本当でしょうか?

そもそも一般の日本人の食卓にお米、特に白米が並ぶようになったのはごく近代に入ってからのことです。

江戸時代には白米を食べられたのはお殿様など身分の高い人だけで、庶民やあわやひえなどの雑穀を食べていたそうです。

そして、お米、特に白米を食べる習慣がある地域は短命であるかもしれないのです。

古い本ですが、「日本の長寿村・短命村」という本では、著者が全国各地をフィールドワークして食事と生活習慣、そして寿命との相関関係を調べました。

その結果は驚くことに「お米を食べる村は短命」だということでした!

肉や白身魚、ケーキなどを食べると短命になるのは理解できるとして、お米を食べると短命になるとは、自分も読んでいて少し意外だと感じました。

野菜、穀類、小魚などを適量食べ、しかも農作業などで重労働をしている村ほど長命で、海女さんのいる村などをその典型例としてあげています。

また、「日本の長寿村・短命村」とは違った視点でお米やパンなどの危険性を書いた本が「炭水化物が人類を滅ぼす」です。

この本では炭水化物の代わりにタンパク質をすすめている点では少し主張が違いますが、お米などの炭水化物に偏った食事の危険性をのべています。

著者自身が、炭水化物中心の食事を改め、タンパク質と野菜を中心にした食事にした結果、体調も体格も良くなったそうです。

それらを考えると、炭水化物を大量に食べることはあなた自身の健康にとって良くないことかもしれません。

「安くて腹持ちが良い」からと炭水化物を好んで食べる人は多いでしょうが、それがもとて運動不足になったり、病気になりやすくなったりして、かえって医療費などがかさんでしまったり、仕事の能率が下がって収入が減ってしまうのであれば本末転倒ですね。

「炭水化物=敵」だと断定するつもりはありませんが、厚生労働省が“所得が低い家庭は高い家庭に比べて食事が米やパンなどの穀物に偏っていて「栄養バランスが欠けている」傾向にある”とまとめた主張はそういう意味では正しかったのではないかなと思いました。

栄養バランスって?

最後に、まとめとして「栄養バランス」とは何かについて考えてみましょう。 一般に、炭水化物、脂質、タンパク質を三大栄養素としてバランス良くとるべきだとしています。 おそらく多くの人が小学校の頃からそのように教育されてきたのではないでしょうか? でも、炭水化物を減らすことで健康や長寿を達成している例もたくさんあるのに、子どもの頃から三大栄養素をバランス良くとるべき、と教育し、それを大人になっても継続するようにしているのはなぜでしょう? 子どもの頃はもしかしたら必要かもしれませんが、大人になって糖分の摂り過ぎなどで病気になるケースが大いのは周知の事実です。 三大栄養素をバランス良くとるべきだという教育は、農家や漁師、さらには海外からの輸入業者をもうけさせるために、「栄養バランス良く食べなさい」と主張しているのではないか?とも思えませんか?

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