税務調査の仕組み ~脱税ってできるの?~

税金高い!

個人事業、または小さい会社の社長さんは一度くらい思ったことがあるのではないでしょうか?

特に家族経営などをしている方であれば、ちょっとくらいごまかしても大丈夫なんじゃ…とかも考えたりもしたことがあるのではないですか?

参考までに税務署の調査の実態を紹介します。

調査先ってどうやって決まるの?

税務署では毎年多数の事業者に対する税務調査が行われますが、その調査先はどのように決められるのでしょうか?
① 売上が激減した、経費が激増した

数年分の決算を並べたときに、売上が急激に減っていたり、経費が急激に増えていたりする場合には、売上を除外しているのではないか、経費を架空に計上しているのではないか、と税務署は考えます。

もちろん本当に業績が悪化しただけということもあり得ますが、結構重要な項目の一つです。

② 税理士さんがついていない

税理士さんに頼まずに自分で申告書を書いている事業者も調査対象になりやすいです。

当然ですが、税金を専門にしていない人の作った決算は、間違いが起こりやすいので、叩けば何かしらが出る可能性が高いと見ます。

③ 長期間税務調査をしていない

単純に調査をしていない期間が長いからそろそろ行ってみようというのもあります。

長らく調査が入っていないというのもありますが、もう一つは設立以来一度も調査が入っていないところです。

設立後5年ほど経過した会社には一度行ってみることが多いようです。

④ 以前にも脱税行為をしている

過去の調査記録を見て、前回調査において不正をしていた会社も、また同じことをしているのではないかという疑いの元、調査対象になりやすいです。

一度ばれたのにまた同じことなんてしないでしょ(笑)と思っていても、以外とこれをやる人は多いようです。

特に前回調査から期間が空いていると、税務署からすれば狙い目となります。

ここで紹介したものの要素を総合的に判断して、今が調査の時期だと統括官が判断すれば、調査が決定し、調査官が納税者に連絡をして調査の日取りを確定します。

実際に何を調べるの?

では実際に調査官が事務所を訪れたときに、彼らは何を調べているのでしょうか?

基本的に調査官が調べるのは、費用と収益の対応関係です。この対応関係を調べていくことで、売上が除外されていたり、架空の費用があったりした時に、うまく突合できない項目が生まれてきます。

例えば、A工事という建設工事があったとします。

この工事の売上が100万円であるにもかかわらず、この工事にかけた費用を合計すると110万円もの経費がかけられていたとするとおかしいですよね。

この時にA工事の売上金額を過少にしているか、ありもしない費用を計上していることが、可能性として考えられます。

もちろん想定外の費用が発生したことで単純に赤字の現場が発生した可能性もあります。

そうなるとまずは、請求書の金額と、帳簿に載っている金額を突合します。

振込入金であれば、預金通帳などで、実際の入金金額がいくらであったかも確認します。

この金額が違えば、誤りであることが確定しますが、一致していたとしても税務署はまだ安心しません。

この時に行うのが、「反面調査」というものです。「

もしかしたら請求書を偽造したのかもしれない」という可能性を捨てきるために、請求書の相手先に連絡をします。

電話で連絡するか実地の調査になるかは場合によります。相手方の決算書にも同じ金額が計上されていて、かつ、相手先に送った請求書の金額が入金されている金額と一致しているときに正しい処理と見なされます。

ここまで調査された場合だと、手元の請求書の金額を偽造しただけでは税務署を欺くことはできません。

取引先にも偽造の協力をしてもらわないといけなくなるため、かなりの手間を要求されます。

全ての経費と売上に対してこの手法を取る時間はないので、適当なものを数個ピックアップして調べます。

このような手法を用いて不正な処理がないかを検討していきます。

その他の調査方法

請求書、領収書、帳簿、通帳のような記録を頼りにして、漏れがないかを追求していく税務署にとって苦手なのが現金商売です。

例えば飲食店などでは、現金を受け取る際にはレシートを発行して、それを相手方に手渡すだけです。ですが、一般的な会社の行う取引と違って、相手方が誰なのかわからないままにレシートを発行しているので、税務署としては反面調査ができません。

レシートを破棄したうえでそのレシートに記載された分の現金を帳簿から除いてしまえば、簡単に売上を除外できてしまいます。

よって現金を中心とした取引をしている事業者に対しては、無予告調査、というものを行います。

無予告調査とは、名前の通り抜き打ちでの調査です。

通常の調査の手順は、調査の日程を納税者に連絡したうえで行いますが、無予告調査の場合はそれがありません。

そうすることで、ありのままの管理状況を調べることが可能になり、当日にゴミ箱に捨てたレシートを発見するなどの証拠を獲得できる可能性も高まります。

例えば、飲食店での無予告調査をする場合には事前に、内観調査というものを行います。

簡単に言うと、調査官が客を装って実際に店を利用します。

その時にやることは様々です。

事前に予約をして店に行くことで、予約簿に自分の名前が載っているかを後から見る。

勤務している人の人数、名前などを記録しておく。

レジ横のごみ箱にレシートが捨ててないかを見る。

滞在中に来た客の人数、入店時間、退店時間を記録しておく。

領収証を発行してもらい、印紙が貼ってあるかを確認する。

などを事前にやっておいて、実際の調査に来た時には、当日の帳簿記録と内観調査をした日の帳簿記録を特に念入りに調べます。

現金の管理方法を念入りに聞き込み、当日のレジ記録と実際の現金残高について一つ一つ突合していきます。

店舗の営業日における社長の動きも事前に把握して調査に来ていることがほとんどであり、店舗で調査宣言をするときには、同時刻に社長の自宅にも調査員を派遣して、当日のごまかしなどが出来ないように見張りを効かせます。

そのため、当日になってから対策することはほぼ不可能です。ごねるくらいしか方法はないですが、そうした場合、税務署はより疑いを強めて後日の調査を行うことになります。

税務署も鬼じゃない

一度調査対象に選ばれた会社は、税務署にとっては営業先みたいなもので、そこで数字を上げたくてたまらないのです。

よって、本当に隅から隅まで調査して不正を探し出します。

そんなとこまで疑うの?と思うこともあるでしょう。

調査官にとっては、不正を暴いた金額が、自分の営業成績みたいなものだし、統括官にとっても、自分の選んだ調査先で毎回不正が見つからないと、選定が悪いと見なされることもあるので、それぞれの立場で必死になります。

ですが、それと同時に、いくつもの調査事案を同時に抱えているので、叩いても大して金額も出なさそうなところをいつまでも調査しているわけにもいきません。

例えば、飲食店で買ったお米を家庭の食事で消費していることが分かったとしても、その金額が微々たるものであれば、注意のみで終わることもあります。

修正申告書を一つ出すためにも、その根拠となる証拠書類が必要になるし、多くの手間が要るので、注記事項として書いておく程度で済んだりもします。

逆に、少額の修正申告書を出させることで、税務署を“立てる”という決着をつけることもあります。

せっかく調査に来たのに、手ぶらでは帰れない調査官に、少額の経費を否認させることで、一応の成果を与えることを落としどころにします。

修正前の申告が赤字であり、修正後の申告も赤字である場合には、修正申告書を出したとしても税額が発生しないため、会社としても早めに調査が終わってくれたほうがありがたいし、調査官にとっても統括官に報告がしやすくなるでしょう。

徹底的に調査はしますが、税務署も鬼ではないので、見逃す点は見逃してくれます。

知らずに行っていた小さな間違いなどは、「以後気を付けてください」で許してくれることも多いです。

相手の立場も理解しながらコミュニケーションをとっていくことが大切だと思います。

調査官も人間なので。

税務署は強い

この記事で紹介した手法は税務署が行っていることのほんの一部でしかありません。 銀行の口座を徹底的に調べる専門の部署があったりもします。 書類であったり通帳であったり、どこかしらに記録は残っているので、不正を隠し通すことは難しいです。特に意図的に行われた不正については、調査官にとってはお宝を見つけたようなものなので、絶対に持って帰ろうとします。 知らなかった、ならともかく、悪意があった場合には本当に徹底的にやります。 重加算税はかなり重いので、最初から税理士さんとしっかり相談して、正しく申告することを個人的にはお勧めします。

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