日本初のマイナス金利が私たちに与える影響とは?

shutterstock_57951898

日本初の金融緩和対策のマイナス金利導入

1月29日の日銀金融政策決定会合で、日銀は、日本ではじめてとなる金融緩和策の導入となるマイナス金利を導入すると発表しました。

この追加金融緩和策は午後に発表されました。

発表された直後の証券取引所では、新たな金融緩和策が決定したと伝わるやいなや株価が急騰しましたが、しばらくして今回の緩和策に影響がでてくると予想される大手銀行株や保険などの株などは大幅に値下がりし、短い時間の間に株価が乱高下し、その幅は800円を超えました。

このマイナス金利とはどういうことなのでしょうか、また私達の銀行の預金口座には影響はあるのでしょうか、まとめてみました。 

マイナス金利とはどういうこと

金利は、通常一定期間でお金を貸し借りする際に受け取ったり、支払ったりする際に、発生します。

例えば通常、銀行などにまとまったお金を一定期間預けるとその預け入れしたお金に対して受けている利息を受け取ることができます。

反対に、住宅ローンなどを組んで銀行からお金を借りるとその借りたお金にかかる利息を支払うことになります。

通常金利は、年率で表されています。

今までは、金利がマイナスになることはありませんでした。

しかし、今回導入したマイナス金利は、金利が文字通りマイナスになるので、預け入れているとそのお金に対して金利の支払いが発生します。

つまり預けているとお金が目減りしていくということになります。

欧州では、金融緩和対策としてすでにマイナス金利を導入しています。

デンマーク、欧州中央銀行、スイス、スウェーデンの4銀行が行っていて、今回導入したマイナス金利も欧州でおこなっている方式を採用しています。

銀行に預け入れているとお金が減っていくということ?

今回、日銀が政策を発表したマイナス金利の導入は、当座預金の一部であって私達が通常利用している銀行口座の普通預金とは異なります。

マイナス金利は、欧州で採用されている階層構造方式で、日本銀行の当座預金を3段階の階層にわけています。

3段階に分けた一部がマイナス金利の対象になります。つまり、企業や私達の銀行口座は今回のマイナス金利とは対象外です。

日銀が導入した当座預金のマイナス金利は、金融機関が日銀にお金を預け入れる口座が対象になっています。

今までは、銀行が日銀にお金を預け入れると金利が0.1%ついていましたが、今後は、マイナス金利導入によって、銀行が日銀に預けている口座の残高には、金利を支払うことが必要になってきます。

ただマイナス金利導入することにより、今まで銀行が日銀に預け入れしていたお金の金利がいきなりゼロになってしまうとかなりの影響がでてしまう為、今まで銀行が日銀に預け入れしていたお金の金利は変えずに、新たに日銀に預け入れを行うお金がマイナス金利の対象になります。

今後、年間数十兆円のペースで増えていく見込みと言われています。

「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129a.pdf
本日の決定のポイント
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129b.pdf
(日本銀行ホームページより)

日銀はどうして金融緩和策をおこなっているの

アベノミクスが、経済政策目標としてかかげている3本の矢のひとつに「金融政策」があります。

そしてその金融政策において日銀はインフレ目標として、「2%の物価安定目標」をかかげているのです。

その目標を達成するため、具体的な金融政策について日銀は、「量・質・金利」の3つを使って金融緩和をすすめていこうとしています。

これまで日銀は、量と質に関しては政策を行ってきていました。

量に関しての政策として、日銀は、銀行の銀行として、世の中に回るお金の調節をすることができます。その世の中に供給するお金の量を年間80兆円になるよう増やしていくことを目標としています。

質に関しての政策として、資産の買い入れを行っています。

長期国債の買い入れは以前からおこなっていましたが、ETFやJ-REITなどは、それぞれ3兆円、900億円に相当するように買入れを行うなど金融商品の購入を目標としています。

金利に関しての政策として、今回はじめて当座預金の一部をマイナス金利に導入することを決定しました。

場合によっては、金利のさらなる引き下げを行うことも検討しています。

今までは、量・質のみでしたが、今回新たに金利の金融政策を導入することで、日銀の「量・質・金利」の3つを使って、異次元の金融緩和政策を強化し、早期に、2%の物価安定目標を行おうとしているのです。

今回日銀がマイマス金利を導入したわけ

マイナス金利を導入した理由としては色々なことがあげられています。

今回日銀が導入した当座預金のマイナス金利は、各金融機関が保有している当座預金になります。

各金融機関は、一定の融資残に応じて日銀に預け入れをしています。

日銀が国債を銀行から買い取っても、銀行はそのお金を日銀の口座に預けていても金利がつくのでそのまま残高としておいていたのですが、今回マイナス金利が導入されたことにより、新たに預け入れすると利息の支払いが生じます。

今後銀行は、新たに日銀に預けていれをすると預金が減ることになります。

そこで銀行は、日銀にお金を預けるよりも融資や株式投資などに資金をまわすようになるのではないかという効果が期待されています。

また、融資などに資金が振り向けられることにより、企業の収益改善による経済景気回復や日銀が目標としている物価上昇などにつながる効果があるのではないかともみられています。

マイナス金利の導入で為替についても海外に対して金利が下がることにより、金利差による円高の抑制にもなるのではないかともみられています。

今回の導入の背景には、バブル崩壊後の長引くデフレ脱却を止める為、ゼロ金利政策や量的緩和策などの金融緩和策を行っているが、今後この政策が行き詰ってくるのではないという懸念が出てきており、その懸念を払拭するために導入されたのではないかということも言われています。
 

マイナス金利が与える影響とは

景気刺激対策としての効果が期待し、今回マイナス金利が導入されましたが、はじめての導入で、景気によい影響を与えることが見込まれる一方、悪影響を与える懸念もあります。

マイナス金利が与える影響として、銀行は日銀に預け入れをするよりも企業への貸し出しなどを行う効果を期待しています。

世の中にお金がまわることで、景気回復につながる効果があるからです。

例えば、国債を買うことで利回り低下がすすめば、長期金利を指標としている住宅ローンなどの金利や企業向けの金利が下がる可能性もでてきて、住宅ローンが組みやすくなったり、融資がしやすくなる可能性もあります。

さらに経済が活発になれば、不動産市場などもいい影響がでてきます。

マイナス金利の導入により、私達の生活にいい影響がでればよいのですが、その一方で副作用の懸念もあります。

金利が低下することにより、銀行の収益悪化が避けられない状況になるからです。

市場の金利が低下することにより、銀行は貸出の利ザヤが縮む影響がおこるため、それを企業や個人の貸出金利を引き上げて転嫁してくる可能性もあります。

また、中小企業などへの貸出が抑えられるのではないかという懸念もあります。

金利の上昇は、景気の下げをすすめる要因にもなるため、この副作用がでれば今回のマイナス金利は、逆の効果をもたらしてしまいます。

すでに、短期国債などで運用している投資信託などは、短期金利のマイナス幅が広がって、お金を集めて運用しても収益があがらないため、新規の申込みを中止すると発表しています。

日銀は、懸念されている金融機関の収益悪化にならないよう、マイナス金利導入にあたって3段階の段階構造を取り入れて、ある程度の残高まではプラスもしくはゼロ金利にしたということをあげています。

また、既に採用している欧州では、日本より大きめのマイナス金利を適応していることもあげています。

今回の金融緩和策について

今回の追加金融緩和策をすることによって銀行は、融資や投資にお金を振り分ける。 世の中にお金が回るようになることで経済が活性化し、景気回復につながる効果が見込まれるそして、日銀が目標としている2%の安定物価安定に近づけるということが目的です。 しかし今回、日本ではじめて導入したということもあり、この緩和策がもたらす影響は、懸念も数多くあります。 日銀は、今後さらに金融緩和策が必要な場合、マイナス金利を引き下げるとも発表しています。 マイナス金利を先駆けて導入している欧州では、最近の原油安もありデフレの圧力が強まってきています。 欧州中央銀行のドラギ総裁は、今年3月にもさらなる金融緩和を実施すると発表しています。 マイナス金利の導入は、私達の銀行口座は対象外ですが、それ以外の所に影響がでてくる可能性が高い為、今後の日銀の金融政策には気を付けてみていきたいことのひとつです。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でお金が無い.jpをフォローしよう!

日本初のマイナス金利が私たちに与える影響とは?
Reader Rating 2 Votes