いま北朝鮮という国は本当に貧困しているのか

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世界で一番遠い隣国の経済状況

先日、北朝鮮でミサイルが発射され、日本をはじめ、各国のメディアの注目を集めました。

ミサイル問題や核開発問題、拉致問題などでは以前から様々な批判を受け国際的に孤立、経済制裁も受けてきた北朝鮮。

父である金正日(キム・ジョンイル)総書記の死後、金正恩(キム・ジョンウン)氏が第一書記に就任し、政治・経済と、今後どのような変化をもたらすのか各国が注目してきましたが、3年が経過した今の現状はどうなのか。

そんな世界で一番遠い隣国の経済状況を調べてみました。

世代交代で北朝鮮という国は変わったのか

先代であり、父金正日(キム・ジョンイル)総書記が急死した後、新たな指導者となった金正恩第一書記が、対韓国や、対外関係でどのような変化を見せるか注目されていましたが、金正恩氏は平壌で行われた金日成の生誕100周年を記念する軍事パレードの中で国民に向けて演説の中で「人民生活の向上」を政治の目標とする姿勢を示す一方で、「民族の尊厳と国の自主権がさらに貴重である」とも発言しており、核開発と経済発展を並行して進める政治の継承、核抑止力の保持を強調した軍事路線を国民生活より優先とする方針を明らかにしました。

幼少期にはスイスで留学し、バスケットボールが大好きな少年であったといわれ、温厚でクラスメートからの信頼も厚かったそうです。また、来日経験もあり、日本のマンガが大好きで、日本に対しても自国との経済的な格差を認める発言をしていたことなどから、異文化に寛容で温厚な金正恩氏には、父の時代とは異なる対外的で開放的な政治、経済に大きな期待がもたれましたが、この発言で国民や注目していた各国を失望させることになりました。

また、父の時代に手腕をふるった最高幹部を何人も粛清するという恐怖政治を行い、その権力を確固たるものにしていきました。

その最高幹部のうち一人は北朝鮮最大の親交国である中国と太いパイプがあったとされ、

粛清を受け中国との関係も次第に悪化していきました。

しかし、国家的な関係は悪化しても、経済的な関係の悪化とまではいかず、現在も最大の貿易国であることに変わりはありません。

北朝鮮が好景気な理由

日本では、ミサイル、拉致問題、核開発、食糧危機など、北朝鮮に関して悪いイメージのニュースがたびたび報道されますが、意外なことに北朝鮮国内の景気はそこまで悪くは無いようです。

中国外務省参加の出版社が出している「世界知識」の中で「北朝鮮の市場は活気に満ち、様々な自国製の日用品が続々作られている。

平壌や羅先(ラソン)の食堂を訪れる人も多い」などと、現在の北朝鮮の好景気について記載されています。

実際の平壌を取材した方のインタビューや、取材記事等を見ても国内(主に平壌市内)の生活水準は、年々間違いなく向上しており、最近では外国企業の店が増えたり、携帯電話を片手にデートしている若者等が以前に比べ増えてきた。

という報告もあります。

国際社会から経済制裁を受ける中、なぜ今北朝鮮は好景気なのでしょうか。

理由の一つとして経済制裁が挙げられます。

制裁を受けると、当然外国からの援助が無くなったり、資産を凍結されたり、対外との貿易が無くなり、国の利益が減少します。長期にわたると国としても成り立たなくなってしまいます。

そこで北朝鮮は、自国内の経済を活性化させるある政策を進めました。

その一つとして「農業改革」があります。

これは過去の農業政策を元にさらにその質を高める為に、「農業生産と技術において革命を起こす」ということをテーマに内閣主導で導入されたもので、生産と分配の独立採算制の拡大を目的としており、つまりどういうことかというと、祖父にあたる金日成氏が統治していた時代の「適地適作」「適期適作」という方針に現代の「科学農業」を取り入れたものです。

作物の育成に有効な肥料、生産法等、進歩した科学的農業法を取り入れ、これまでの無計画な農業法から、計画的、効率的な農業に転換しようという内容になっています。

そして、一定の労働に対して一定の分配が行われていたこれまでのシステムを変更し、成果給制を採用し、成果による差別分配を実施し始めたのです。

やるだけやった人にはそれだけ多い報酬があるということです。

また、農営に必要な経費や生活費を超える作物を作ると、超過分に対しても分配が行われ、農場や、個人がこの分配を制限付きではありますが、市場で売買できるようになりました。

これにより、従業員たちのモチベーションは上昇し、作物の生産効率も高まり、国内の自給水準も少しづつではありますが向上してきています。

北朝鮮では国内で飢餓者が死亡するほど、食料難の時代がありましたが、現在では落ち着いているようです。

また農業だけではなく、他には工業、海産物等の国内活性化に力を入れており、それが現在の景気の上昇に繋がっているのではないか、と思います。

「最大の親交国との現在の関係が今後の経済に影響を及ぼす」

現在北朝鮮の最大貿易国は中国です。驚くことに中国との貿易率は90%と言われており、殆どすべての取引を中国と行っていることになります。

また、北朝鮮の財源は、中国からの食料・重油などの経済援助が占める割合がとても大きく、

まさに必須のパートナーといえるでしょう。

なぜ、ここまで親交のある国になったのか、簡単に背景を説明すると、過去、戦争があった際に北朝鮮は、韓国・アメリカと戦いました。

そこに中国が現れ、北朝鮮側に大規模な軍事的支援をした事が始まりです。

中国は共産主義国家という形ですが、実際のところは独裁体制をとっています。

同じく北朝鮮も独裁体制をとっており、隣国としては話がしやすい関係にあります。

自由民主主義である韓国・アメリカに北朝鮮が破れ、韓国が今の北朝鮮領土を統治した場合、中国は国境を韓国と分けることになり、さらに韓国内にはアメリカ軍も従軍していますので、自由民主主義の思想が自国に流れてくることや、アメリカに対する軍事的な警戒を強める必要がありますのでそれを政府が嫌がったとも言われています。

苦しい戦いの中、助太刀をしてくれたことを北朝鮮は「血で固められた友誼(ゆうぎ)」と呼び親しみを露にしています。

そんな深い関係に今、亀裂が入りかけています。最高幹部粛清や、ミサイルの発射問題が原因です。

これまで、何かあった際には、北朝鮮を擁護するような動きを見せていた中国も不信感を示し、批判的な発言をすることが増えてきています。

あくまでも国際社会に向けたパフォーマンスという見方もありますが、もし、中国にそっぽを向かれてしまうと、北朝鮮は確実に倒れてしまいます。

また、せっかく向上してきている経済状況を今よりさらに好転させていくには、国内だけではなく、諸外国との協力なくしては達成はできないので、今後の外交関係がどうなっていくのか、隣国の住民としては気になるところです

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