離婚しても夫の年金の半分は私のもの!?離婚における年金分割

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本当に分かってる?離婚における年金分割について

最近毎日のように、不倫報道がなされていますが、配偶者の不貞が原因の離婚は、以前より増えているのだそうです。

昔は妻に生活力が無かったので、夫の浮気も我慢していたのが、最近は働く女性が増えて我慢しなくなった、ということでしょうか。

離婚と決意したらもう相手の顔も見たくない!

すぐにでも離婚届に判を押したくなりますが、その前にきちんと決めておかなければいけないことがあります。

そう、お金のことです。

慰謝料、財産分割、養育費 …決めることはたくさんありますが、目先の事に気を取られて、自分の老後の事を忘れないようにしましょう。

老後に頼れるのは、年金です。

離婚時の年金分割の制度を知っていますか?

「夫の年金の半分がもらえるんでしょ?」

どうも誤解している方が多いのですが、これは間違った知識です。

今回は、離婚時の年金分割について調べてみました。

万が一、離婚という悲しい事態になってしまった時にも、冷静に対処できるように正しい知識を身につけておきましょう。
 

年金分割出来る人、出来ない人

そもそも年金分割の制度が始まったのは、平成19年度3月からです。

それ以前は、このような制度はありませんでした。

一般的な、会社員の夫と専業主婦が離婚した場合、老後の年金は、夫は国民年金+厚生年金、妻は国民年金のみとなってしまい、妻の老後は経済的に非常に厳しいものでした。

夫が安心して仕事に専念できたのは、専業主婦の妻が家庭を守っていたからであり、夫の年金も夫婦の「共有財産」である。

ということで、夫の年金を妻に分割することになったのです。

この共有財産は夫の年金全部ではなく、厚生年金、あるいは公務員における共済年金の部分だけです。

夫が自営業で国民年金しか加入していない場合は、年金分割は行われません。

ですので、年金分割の対象を間違えないようにしましょう。

例えば、結婚当初から5年間は会社員だったが、脱サラして自営業になって5年。

その後離婚、となった場合、最初の5年間の厚生年金の部分が分割対象になります。

大手企業や公務員には、厚生年金の他に更に「3階建て」と呼ばれる、厚生年金基金や共済年金の職域加算分が上乗せされていますが、その部分は分割されませんので、注意してください。

一般的に男性の方が収入が多いので、夫から妻へ分割。としていますが、妻の方が収入が多ければ、妻から夫へ分割することになります。

年金分割されるのは、婚姻期間のみ

年金分割は、婚姻期間だけが対象です。

当たり前ですが、結婚前や離婚後は対象外です。

婚姻期間が短ければ、それ程大きな金額は期待できない、という事です。

ですので、「元夫の年金の半分もらえる」という認識だと、老後困ったことになるでしょう。

例えば、夫は40年厚生年金に加入。婚姻期間が20年、その間妻は専業主婦という場合、20年間の部分をどのように分割するか協議することになります。

妻が老後もらえる年金は
・自分の国民年金
・自分の厚生年金(働いて厚生年金を払った期間があれば)
・元夫の厚生年金(20年分のいくらか)

夫側からみると、
・自分の国民年金
・自分の厚生年金20年分(全額)
・自分の厚生年金20年分のいくらか(分割後)

ということになります。

 

年金分割の割合はどのように決めるの?

年金分割の割合は、最高で2分の1までです。

どのような割合にするかは、夫婦間で協議して決めます。

決まらなかった場合は裁判で決めることになります。

このような分割方法を「合意分割」と言います。

双方の合意に基づいて決めるからです。

この他に、「3号分割」という制度があります。

こちらは、平成20年4月以降の婚姻期間、かつ、妻(夫)が第3号被保険者だった期間のみ対象になります。

平成20年4月以降に第3号被保険者の期間がある妻(夫)が請求すれば、配偶者の厚生年金の2分の1が自動的に妻(夫)に分割されます。

第3号被保険者とは、会社員や公務員など、厚生年金、共済年金加入者の配偶者を指します。(扶養に入っている方達です)

具体的な例で見ていきましょう。

平成10年に結婚して、平成27年に離婚した夫婦がいます。

婚姻期間中、夫は会社員、妻は専業主婦の場合、平成10年から平成20年3月までの期間は、夫婦間で話し合って、分割の割合を決めます。

平成20年4月以降の期間については、妻が請求すれば夫の同意なしに2分の1が分割されます。

実際には結婚当初から離婚に至るまで、妻がずっと専業主婦ということは少ないと思います。

妻が働いていて厚生年金に加入していた期間があれば、夫と妻の厚生年金を合算した上で分割することになります。

たとえ夫側に離婚の原因があっても同じです。 

年金分割の手続きは結構複雑

年金分割は、離婚した後に年金事務所に行けばすぐに手続きをしてくれるわけではありません。

必要な手順がありますので、次にご紹介します。

まずは、合意のいらない「3号分割」についてです。

こちらの手続きのみでしたら、第3号被保険者が次の書類を準備して年金事務所に提出すれば、手続きは終了です。

・年金手帳
・元夫婦双方の戸籍謄本

もう一方の「合意分割」の場合は、これより複雑な手順をふむ必要があります。

具体的に見ていきましょう。

1.「年金分割のための情報通知書」の入手
まずはこの書類を入手しましょう。

分割割合を決める際に、夫婦それぞれの年金の情報が無ければ何も決められません。

この通知書に、年金分割に必要な情報がつまっています。

この情報通知書は、年金事務所に行って、「年金分割のための情報提供請求書」に必要事項を記入し、
・請求者の本人確認書類
・請求者の年金手帳
・戸籍謄本、または住民票
を添付して提出すると、3~4週間で発行されます。

離婚前に請求すれば、請求者本人にのみ通知書が送られます。

配偶者に秘密にしたい場合は、その旨を申し出れば、対応してくれます。

離婚後に請求した場合は、請求者本人と元配偶者に通知書が送られます。

2.分割割合を決める。

情報通知書を元にして、分割割合を決めます。

話し合いでお互い納得いく割合が決まったら、「改訂請求」をします。

改訂請求は離婚後に行います。離婚前には出来ません。

手続きには、必ず2人一緒に年金事務所に行く必要があります。

代理人でも可能ですが、その場合は委任状が必要になります。

改訂請求と一緒に提出する書類は、
・年金分割の合意書
・双方の年金手帳
・双方の戸籍謄本
です。

公正証書を作成した場合は、どちらか一人でも手続きできます。

3.話し合いで決まらなかった場合

離婚する相手ですから、話し合いがスムーズに進むとは限りません。

その場合は、調停、審判、裁判で分割割合を決めます。

決定後は、どちらか一人が年金事務所に行って手続きを行う事が出来ます。

提出書類は
・調停などで決定された謄本
・双方の戸籍謄本
・年金手帳
です。

離婚してから分割割合を決めるのは難しいと思います。

離婚前から「年金分割のための情報通知書」を入手しておくことをお勧めします。

年金分割の制度を利用せず、離婚してしまった場合でも、離婚が成立してから2年以内でしたら手続きできます。

但し、離婚相手の所在が分からなくなると、添付書類を集められなくなるので注意が必要です。

年金分割が済んでからも安心できない?

年金分割が済んだからと言って、老後の年金は安心ではありません。

老後の年金は、25年以上きちんと保険料を納めた方だけがもらえる年金です。

離婚前から勤め先で厚生年金に加入していた方は、特に心配はありませんが、
それまで夫の扶養に入っていて第3号被保険者だった方は、
離婚後は自分で国民年金の保険料を支払う必要が出てきます。

母子家庭などで、生活に困窮して保険料を滞納してしまい、保険料の納付期間が25年に満たない場合、老後の年金が支給されなくなります。

これは、年金分割の部分も含まれます。

もし、保険料を支払う事が難しい場合は、必ず免除申請をしましょう。

免除が認められた期間は、納付したことと見なされます。

いかがでしたでしょうか。

離婚は悲しい出来事ですが、まだまだ人生は続きます。 ずっと先の老後の事もしっかり考えましょう。 年金分割は夫婦で築いた共同財産を分割するのですから、きちんと清算して、お互いに前を向いて進みましょう。

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