北海道新幹線が「不要」と考えている北海道民が多い理由とは?

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これじゃ「函館新幹線だ」、札幌圏住民がしらける現状

2016年3月26日、JRグループのひとつ、JR北海道は新幹線駅を開業し、北海道に初めて新幹線車両がお目見えしました。


道南(北海道の場合は、道南=函館を中心とする地方、道央=札幌圏、道北=旭川圏、道東=釧路、北見、帯広圏などに分かれる)と青森とが、全長53.9kmの海底トンネル「青函トンネル」で結ばれてから、19年という時間が経過。

さらに言えば、1961年(昭和36年)に着工され、1987年(昭和62年)に完成するまで、26年もの歳月を付加すれば、45年もの時間がかかって、ようやく新幹線車両が北海道にやってきたことになります。

新幹線、それは本州以南の人々にとっては「超高速鉄道」の象徴であり、国内旅行やビジネスではなくてはならない存在です。

ところが、北海道の場合は全く事情が異なります。

JRの前身、日本国有鉄道は、北海道各地に線路を敷設しましたが、札幌と函館を結ぶ鉄路は、1906年(明治39年)にようやく出来上がり、1908年(明治41年)に青函連絡船が就航することで、ようやく本州と北海道との鉄路が整備されたことになります。

本州の鉄路が東京や大阪を起点とするのと違い、北海道の場合は炭鉱路線が独自に敷設され、それを最寄りの都市まで結ぶような形で、線路がつながっていきます。

つまり、明治の開拓民による都市開発が、道内バラバラに入植した結果、鉄路の後に町ができる、あるいは炭鉱町に鉄路が引かれるという、独特の交通事情があったのです。

平成に入った現在でも、北海道最大の都市、札幌と旭川を結ぶ特急路線と、新千歳空港を結ぶ路線、札幌ー小樽間の路線だけは、特急や快速が頻繁に走りますが、札幌と函館を結ぶ路線は、4時間以上もの時間をかけ、結ばれます。

つまり、札幌と函館の間は、バス路線や航空路などがあり、札幌市民にとって函館は「観光地」の意味付けが大きく、仙台や東京に行くのと変わらない、感覚なのです。

ですから、札幌圏に住む人にとって、函館に新幹線が来た、とはいっても、関心が薄いのは当然、と言えるのです。

本州の目線で考える新幹線効果は、間違っている

この45年もの間、新幹線は日本の大動脈として全国から建設要求が出されてきました。

その理由の多くは、東京とのアクセスの時間短縮にあります。

1964年の東京オリンピック開催は10月10日。

東海道新幹線の営業開始は、その直前、1964年10月1日でした。

大阪と東京を結ぶ大動脈の間には、観光地「熱海」、富士山が見える「新富士」、「静岡」「名古屋」「京都」といった歴史と産業の都市駅を停車し、2時間20分の移動時間を終えます。

東海道新幹線に続いて開通した、山陽新幹線の場合、東京駅から広島駅までのアクセスを高速化したことで、需要が増加しました。

もう一つは、山陽新幹線の始発終着駅が、九州の博多駅であることから、博多から新大阪までの時短を図ったことと、東京から博多までの乗り換えなしの高速鉄道網が完成したことに意義がありました。

ちなみに、東京ー広島間の時間は「3時間50分」、東京ー博多間の時間は「4時間53分」。

博多ー新大阪の時間は「1時間59分」、新大阪ー東京の時間は「2時間23分」。

もう一つ、東北新幹線については次の通りです。

東京ー仙台の時間は「1時間32分」、いずれも最速のケースです。

JR各社には、新幹線の条件として「拠点駅区間内を4時間以内で結ぶ」という鉄則がありますが、実際には2時間から3時間程度の移動距離に適している、というのが実際のところでしょう。

ですが、これはあくまでも本州での考え方であり、北海道の場合は広大な土地と冬期間の雪害を考慮せざるを得ず、本州新幹線の論理がそのまま北海道で通じるというわけではないのです。

ここで忘れてはならないことは、冬の北海道は「航空路」「高速道路」「鉄道網」全てに、不安定要素が襲いかかってくる、という現実です。

特に、雪害は新潟新幹線や秋田新幹線同様に考えては、大きな間違いを犯します。

ブリザードのように舞う、粉雪はホームの中でも容赦なく車両に吹き込み、車台にまで入り込みます。

高速で走る車両には、大きなつららが張り付き、ホームにはその氷を落とす専門の職員を配置する必要があります。

ちょっとした吹雪で、車両のドアセンサーが誤感知し、ドアが開けっぱなしになる事象。

あるいは、凍り付いたドアが逆に開かなくなる事例。

マイナス20℃以下になるのは道東だけではなく、新千歳空港では冬場日常的です。

雪かきを必要とする駅ホーム、それは機械化できない人海戦術だけが頼りです。

こうした大きな条件をクリアして、ようやく定時発車、定刻走行に近づけるようにしても、そのコストは大変なものになり、経済効果云々を議論するには、いささか時間が早すぎるのです。

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