お金の価値の移り変わりとこれからの形「世界最古の紙から金を生み出した東洋の錬金術師」

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お金とはどういう価値があるのか?

お金の価値というモノについて考えた事がありますか?

人が欲しがる物は千差万別でしょうが、その欲しいものを手に入れることが出来る「手段の一つ」であるお金が手に入って嫌な思いをしたことがある人は少ないでしょう。

ならばお金と言うものは多くの人に喜ばれ、求められるだけの価値があるということです。

ある意味で使い勝手の良さは間違いなく良いでしょう。

世の中のもので半数以上はお金を支払うことで穏便に手に入れることが出来るのですから、使い勝手の良さはお金の価値の一つです。

しかしそういう風に使えるという事意外での使い勝手は良くないです。

日常生活においてお金を欲しいものと交換するか、サービスを受けるために使う以外の使い方をする人は殆どいないでしょう。

希少性はどうでしょうか?

通し番号まで拘ればあるのかもしれませんが、それ以外では全くないといっても過言ではありません。

老若男女問わず日本国民の国民の殆どが持っているわけですからお金の価値は希少性ではないようです。

では芸術性はどうでしょうか?

非常に細かいデザインで簡単に同じものが作れないような高い技術を用いて作られている事は間違いありませんが、それでは同じものをいくつも欲しがる人はいないでしょう。

そうして考えた時にたどり着くお金の価値とは一体なんだとあなたは思いますか?

お金の価値の原点

昔から漫画やアニメでタイムスリップして違う世界や時代に行ってしまって自分の持っているお金が使えないと言う描写が良くあります。

タイムスリップした先で「こんな紙切れとなんて交換できると思っているのか!?」と怒られるとか、異世界で「どこの国の金だ?この辺りじゃ使えないぞ?」と言われている描写がありますが、このようにお金の価値を認識してくれない相手にお金の価値はありません。

お金の価値は相手に欲しがってもらわないとないのです。

特に紙幣はその傾向が強いでしょう。なんと言っても言ってしまえばただの紙切れです。

実際に歴史を振り返ってみると紙のお金は10世紀の中国で初めて生まれたと言われており、そのことを始めて知ったヨーロッパの人たちからは「何でこんな紙切れをお金だと思っているんだ!?」と言われたことも少なくなかったと言います。

それ以前にあった最初のお金と言えるような存在は主に貝殻貨幣と呼ばれるものです。

物品貨幣や商品貨幣と言われるものはあくまで物々交換であり、使われたものは実に様々で布や穀物、岩塩など様々なものが使われており、これがお金のやり取りと思う人はいないでしょう。

しかし宝貝(たからがい)と呼ばれる貝の仲間を使った交換は少し毛色が変わります。

この貝はそこそこ珍しく希少で、美しい色艶をしており、硬く、大きさがある程度揃っているので、ネックレスなどのアクセサリーとして使われたり、とくに大きく綺麗なものは神聖な儀式で使ったりもされるもので殆どの人間にとって大切なものであり、皆が欲しがりました。

そう、お金と一緒で、宝貝と交換だ、と言うと皆が欲しがるから量に応じてどんなものとも交換しようとしてもお互い納得して交渉が成立したのです。

この段階のお金の価値は「必需性」と「希少性」であり現代のお金とは「殆ど何とでも交換できるもの」と言う意味では一緒ですがその理由が異なります。

簡単に言うと誰もが欲しがるもので、ある程度の量を多くの人が持てるほど集めることが出来て、殆ど誰もが納得できる値打ちがある事をちゃんと証明できるもの、そして更に言うと持ち運びやすく、保存できるものである。

という事が宝貝のお金としての価値です。

これは交換手段を公平にし、もっと簡単に物をやり取りしようと言う多くの人々の意思から生まれた最初のお金の価値でもあったのです。

誰もが欲しがり、持ち運びやすく保存が利く。

これだけのポイントだと私たちのお金はバッチリ条件に見えますが誰もが納得できるか、と言うとお金としての価値はどうでしょうか?

私たちは紙の何に魅力を感じその価値に納得しているのでしょう?

お金の価値は材料にあった

時代が流れ、村や集落よりも大きな組織、国が出来てくるとお金の価値は少し変化してきます。

貝殻貨幣の次に出てきた物は金属貨幣、所謂硬貨の原型です。

その初期形態は秤量貨幣(ひょうりょうかへい)と呼ばれるもので長期保管しても変化しにくく価値のあるモノ金銀青銅などの量を重さで測りお金の価値を決める貨幣の最古の形態の1つです。

これらが進むと国や街が最初から一定の重さに量って鋳造精錬した貴金属を用いるようになります。

一回一回重さを量ってお金の価値を決めるのがめんどくさかったからです。

その初期はナゲット状のものや、球状のものもあったそうですが、更に時代が流れると金属加工技術の発達で同じ大きさで同じ形のものが大量に作れるようになると次第に薄い板状になり、やがて硬貨といわれるおなじみの形になっていきます。

こうして作られた一定の品位・量目を多くの人が「信用する」人に「保証」された同じ大きさ、同じ形の貴金属を使って測る手間を省いた枚数によって交換価値を計る貨幣である計数貨幣という形にお金の取り扱いは変わっていき、更にお金の価値は少し変化しました。

お金の価値の原点、誰もが欲しがり、殆ど誰もが納得でき、持ち運びやすく保存が利く。

これらの条件を希少金属と言うものを使い、多くの人が共に所属する組織のトップが「保障」するという形で持ち運びやすくした硬貨と言うお金の価値は多くの人にすんなりと受け入れられていきました。

この段階でお金の価値は「必需性」が殆どなくなりますが「希少性」と言う特徴は残りそこに「信頼性」と言う要素が新たに加わってくるのです。

世界最古の紙から「金」を生み出した東洋の錬金術師

そしてお金の価値はついに「希少性」さえ今と同じように材料で保障する必要すらなくなってきます。

その始まりは10世紀の中国北宋時代で開発されたと言いますが、これを一気に一般的に広めたのは中国で興った巨大帝国「元」の王「フビライ・ハーン」です。

まず初めに最初、何故紙にお金の価値をつけようとしたのかと言う話から入ります。

実はそもそも紙にお金としての価値を持たせようとしたのではなく、その紙が硬貨や希少金属や宝石そのものなどの預かり証であったのが始まりです。

何せ硬貨や希少金属や宝石そのものは量が伴うと重いです。

そのためたくさん持ち歩くのは不便ですし、使うとき以外家においておいても邪魔ですし、それらを守る力がないと不安です。

そこで安心できるようなところや人にそれらを預け、それを預かったとする証書をもらう形ができたのです。

これが一般的に社会に流通し、国がこれに目をつけて「金銀財宝を国に預けこの紙に交換しろ、この紙は国が出す保証書だ」と、硬貨や希少金属を自分たちの手元に回収しました。

これが北宋の「交子」です。

しかしこの方法は微妙でした。

何せ「紙切れと交換でお前の財産をよこせ」といっているのに等しく、帰ってくるかどうかも微妙な状態なのです。

しかしこれを巨大大国「元」の王「フビライ・ハーン」が別の角度をつけて更に一歩進めます。

連戦連勝を重ね次々国を支配して領土を広げた大国のトップが「この紙に今使っているお金を交換しなさい」と言って来るのですからこうなれば応じざるを得ません。

そして一定以上の金銀財宝が集められてしまうと民の手元に物と交換する物がなくなってしまいます。

手元にあるのはその紙だけ、そうなると今度はその紙を使って物と直接交換することになり、今の私たちがしているお金で物を交換したりサービスを受けると言う行為が行われていくことになるわけです。

こうして彼は紙から「金」を生むことに成功し、「元」は負けてその力を失うまで巨大帝国を維持することに成功します。

こうしてついにお金の価値は「必需性」だけでなく「希少性」すら失いついに「信頼性」のみで価値が決まるようになっていきます。

お金の価値が「信用」だけで決まるのならば

お金の価値は更に変わろうとしているのかもしれません。 時代は更に進み現代では硬貨や紙幣、つまり現金を超えた更に持ち運びやすく保存が利くやり取りも一般化しております。 そう、クレジットカードや電子マネーです。 これらには実態すら存在せずただの電子情報で権利をやり取りしている状態であり、実質流れそのものとしては希少金属を硬貨と交換し、その硬貨さえも紙と交換してきた時代の流れと全く一緒です。 紙幣と物とのやり取りが一般化しても国がどうも信用できず一定量の金銀や宝石などを保有した人たちがいたように銀行や企業が信用できず現金を好む人がいるというのもこれもまた普通の事ではありますがいずれどんどん小数派の人になっていくでしょう。 人がお金だけで物を交換するようになったのは主に「お金でないと納税できない」と言う究極的な方法で形態の変更を強いられたからだと言われており、電子情報のやり取りのみでしか納税できないとなった時、現金に拘る人は更に減ることでしょう。 お金の価値が信用だけで決まる時代が続いて最早数百年の時が経ちました。 過去は空想の産物と言われていた世界統一の基準で使われる共通貨幣に近いもの、仮想通貨と言うものも登場し、もしかしたらまた世界は新たな貨幣の時代に入っていくのかもしれません。 あなたは今何を信用してお金を使っていますか? 日本と言う国が立ち行かなくなり世界から信用を失ったとき持っている日本円は、お金の価値は紙と金属片になるかもしれません。 もちろん日本に限ったことではなく、国民が国に不安を感じ、本気で信じられなくなったときその国のお金を使い続けることが出来るでしょうか? そうなったときこそ本当の意味で世界共通の貨幣を多くの人が欲し、そうした新しい貨幣が誕生するかもしれません。

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