お命頂戴致します!大企業を手玉にとる怖い会社とは?

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20万人の財布を狙え!

この世の中で、一番強い職種職業はなんでしょうか?

「医師」「製薬メーカーの社員」「公務員」…多くの人は景気の動向に振り回されないこうした職種、職業を「強い」と考えています。

日本企業で昔から人気があったのは、新日鉄、日本航空、ソニーといった企業でした。

新日鉄は1934年に創業した高炉メーカー。

つまり、ブラジルやオーストラリアから鉄鉱石を買い入れて、鉄板などを生産する企業です。

2012年に同業の住友金属工業と合併し、新日鉄住金という社名に変更しています。

鉄はどんな産業にも欠かせない原材料です。

建築、土木、自動車、航空機などはもちろん、ITや軽工業でも必要不可欠です。

ですが、こうした会社は広大な工場と従業員を必要としていて、現在の新日鉄住金のグループ全体で、7万人もの社員が働いています。

7万人の社員には、家族がいますので、少なくとも20万人は新日鉄住金で暮らしを立てている計算です。

仮に、毎月20万人からひとり1万円ずつ集めると、ひとつき20億円。

1年で240億円、10年で2,400億円にも上ります。

そして、10年後にお金を返す場合もありますし、返さない場合もある。

そんな商売があるのでしょうか?

実は、それが保険会社なのです。

社長も係長も平社員も、強制的に加入させられる保険とは

新日鉄住金ほどの大会社になりますと、出入り業者も半端な数ではありません。

取引先が自動車メーカーの場合、その企業も数万人もの従業員を抱えているわけです。

自動車メーカーは国内だけでも10社以上、その関連企業も含めると、1,000万人以上もの人たちが「鉄」に関わることになります。

保険の名前がつく言葉には、生命保険・損害保険といった「加入は個人の自由、な商品」のほか、社会保険・健康保険・年金保険といった「加入は強制、な仕組み」があります。

生命保険の場合、販売するのは女性が多く、会社に直接訪問して保険金の金額やプランを決めていきます。

これに対し、損害保険の場合は男性が販売するケースが多く、住宅や車の保険などを勧めてくれます。

ですが、こうした保険は基本的に強制的加入商品ではありません。

大会社ともなれば、会社同士おつきあいしている保険会社があって、暗黙の了解で加入する保険会社が決まっているケースもあります。

新日鉄住金、となればその一社は「住友生命」であることは間違いありません。

ただ、これは個人保険の話。

社長から平社員までが強制的に入らなければならないもので、なおかつ「保険会社」の商品、となるといったいどういうものなのでしょうか?

それは「退職金の積立保険」です。

退職金って、生命保険だったのをご存知ですか?

新卒社員や中途社員が大企業に入社して戸惑うこと、それは大企業ならではの福利厚生と組合活動です。

福利厚生といえば、家族手当、社員割引で買える自社商品制度、あるいはストックオプションなどが知られています。

ストックオプションとは、企業が売り出す株式をあらかじめ「いくらの値段で買える」という権利。

株式上場される前に購入し、上場後に買った価格よりも大幅に値上がりすれば、売却して多額の利益がもらえますし、一旦上場したものも含まれますので、上がればおいしい思いをすることができます。

このストックオプションの副産物は、やはり「社員のモチベーションを高める」効果です。

自分たちの努力次第で、会社が注目され、株が上昇すればそれにつれて業績も上がる…こういう好循環に、ストックオプションは利用されています。

ところが、モチベーションとは、3年も5年も持続されないのが人間社会です。

毎年新人社員を雇用する理由は、血の入れ替え、つまり新鮮な若者や異文化出身の個性を招き入れることで、ぬるま湯化した会社を活性化させようというもの。

つまり、企業は生き物であって、勢いは一時に過ぎないことは歴史が証明しています。

新日鉄が日本で一番の利益を上げていた時代は1970年代。

1980年の時価総額を見てみると、第1位はトヨタ自動車工業(現在のトヨタ自動車)で、新日鉄は5位にランクダウンしています。

その後、新日鉄は韓国や中国の製鉄メーカーの猛進やダンピングなどで、業績を落としましたが、しっかりと会社体制を維持するために住友金属工業と合併。

日本の製鉄企業はこの新日鉄住金とJFEの2社に集約され、世界で盤石な基盤を整えています。

ですが、その内情はどうなのでしょうか?

製鉄には、何千億円もの資金調達が必要です。

それを支えているのは金融グループであり、大株主の上位は信託銀行と生命保険会社。

その割合は、発行株式の34%を超えています(2015年3月)。

生命保険会社と信託銀行が出資している…と考えるのは早計で、実際には退職給付信託、という退職金積立のための商品を新日鉄住金に購入してもらっているのが実情。

つまり、金融会社は、企業の従業員のモチベーションまでしっかりと握っており、景気に大波が来ようとも、無事に長い航海を続けられるようなバックアップと利益の両方を図っている、というわけなのです。

そもそも、退職金を保険で行うということの意味は?

生命保険とは、簡単に言ってしまえば「死亡したら、死亡保険金を払います」という仕組み。

そのために、会社は毎月せっせと社員一人ひとりを人身御供にして、生命保険に加入させます。

彼らは毎月給与天引きで、5,000円、10,000円、20,000円といった金額を、保険会社に支払います。

これは会社がまとめて支払い、払った分の半分が税金で落とせる仕組みになっていたり、と複雑ですが、節税対策にも行われているのです。

これらの商品は、掛け捨てではありません。

ですから、定年の65歳には満期保険金が受け取れるように仕組みが出来上がっています。

ただ、今時の生命保険商品は、この満期保険金が「決まっていない」ものがほとんどになっています。

会社は、規定書を作って、社員に公開します。

そこには「基本給×年数」「昇級した場合は、一定の係数をかけて、退職金としてもらえる」など、様々な仕組みが公表されます。

ただ、こうしたお金の積立は、元来は「銀行に積み立てていた現金」でしたが、長年のバブル崩壊で、銀行預金の金利は100万円預けて、わずか100円ほど。

これでは昇級係数に達する社内貯蓄は適いません。

そこで、出てきたのが生命保険という仕組みです。

生命保険は2つの顔を持っています。

一つは「死亡保険金」です。

会社は満期退職金だけを積み立てるために保険に加入するのではありません。

社員が万が一死亡した場合の死亡退職金も、当然社内規定に盛り込まれています。

問題は、この死亡退職金が直接遺族のところに行くのか、それとも一旦会社が受け取り、その後そこから遺族に渡されるのかで、会社が支払う税金がかなり変わります。

もう一つは、積立金は発生する生命保険商品です。

掛け捨てではない、ということから、退職金積立のために使われる保険商品は「解約返戻金」という戻り金が付いているものになります。

俗に、終身保険がこれにあたりますが、中には、変額終身保険という商品を退職金用にあてがうケースがあります。

ちょっと難しくなってきましたか?

要は、保険の中で「死亡保険金は最低保証がある」もので、死亡せず退職まで勤め上げ、いざ退職金を受け取ろうとしたときに、退職金がいくらになっているのかがわからない、という「運用型商品」なのが、変額終身保険。

これは、毎月支払う積立金1万円、3万円といった金額から、半分程度を一定の株や最近に投資して、その利ざやで元金を膨らませるものなのです。

大企業に勤めることは、大船に乗ることではなくなった。自己責任能力が必要なのだ

日立製作所、新日鉄、NTT、三井物産、トヨタ自動車…日本のリーディングカンパニーの多くは重厚長大産業でした。

そして、現在その体制は崩れるどころか、新しい企業グループをこれらの老舗企業が次々と買収して、新たに大きな企業グループができつつあります。

その社員になることは、ゆとりある給与、多くの手当て、そして恵まれた休暇制度…といった面を考えすぎている若者が多すぎるのが実態です。

ですが、実際にはこうした企業こそ、株主の多くは信託銀行や生命保険会社であることを忘れてはいけません。

信託銀行とはどんなことをしているのでしょうか?

生命保険会社が会社幹部と話し合っているのはどういう意味なのでしょうか?

これはつまり、従業員の命と引き換えにお金を出させ、万が一の時にお金を払うシステムが出来上がっていることに他なりません。

多少下品な言い方ですが、社員は「キン玉を握られている」状態で、毎日勤務しているわけです。

欧米の会社は、こうしたことは一切ありません。

なぜならば、転職が当たり前として会社が成り立っていますので、従業員には給与を支払い、その中で家族を養い、家族の保障を考えなければならないからです。

ただ、変額終身保険という商品が退職金に組み込まれている、ということは、誰もが株や債権に興味を持たなければならないことになります。

株や債権が上がったり下がったりすることで、将来受け取り年金額に大きな変化がある、となれば、社員は会社に勝手に退職金積立のシステムを提示され、それに加入させられ、おまけに将来受け取れる金額は5,000万円かもしれないし、500万円かもしれない…という賭けでもあります。

実は、これが企業に勤めるという現実なのです。

死亡保険金額を巡る、臭い

お命頂戴致します…しょうしょうおどろおどろしいタイトルから始まった、話も、いよいよ最終幕に差し掛かりました。

そうです、あなたの死亡保険金についても、すこし触れておかなければなりません。

死亡保険金は税金がかからない、というのは誰もが知るところです。

ですが、これは自分が毎月の保険料を支払って、保険金を受け取る場合に限られます。

自己防衛のために自己出費するからこそ、遺族が受け取る保険金には税金がかからないのです。

ところが、問題は会社が掛けていた場合の保険金です。

会社では死亡退職金の規定もしっかりと決められています。

ですが、生命保険商品の死亡保険金の額が7,000万円で、規定が3,000万円の場合、差し引き4,000万円が会社の懐に入ってしまいます。

こうした場合、会社は将来何千万円、何億円も会社に貢献してくれるであろう人物を失うわけですから、死亡退職金の一部が会社の損失補填に使われても文句は言えないわけです。

ところが、こうした一時的なお金が入ってくると、会社の経理上ややこしい問題が起こります。

本当に7,000万円もの保険金が必要だったのか?そういう議論もあるかもしれません。

会計処理を間違えると、死亡事案そのものが疑われることさえ少なくないのです。

怖いのは、金貸し。そしてもっと怖いのは、命を担保にする金貸し。

金貸し、といえばサラ金や街金をイメージする人が少なくないようです。 ですが、実際に怖い存在なのは、金融シンジケートと呼ばれる銀行や保険会社の「法人営業部」です。 会社を相手にする金融マンは、企業の経理トップや経営者に会い、多額の契約を行います。 それは、何を意味するのでしょうか? 一般社員には全くわからず、会社の福利厚生に手を突っ込まれてしまい、社員ひとりひとりの個人データも洗いざらい持っていかれます。 それが当たり前になっている社会が、日本の現実。 お金のあるなしは誰が知っているのか、それは日本の銀行と生命保険会社です。 彼らは5年後10年後、20年後の日本の経済予測をわずか数分でデータ化できるほどの情報を握っているのです。

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