初売りって高いのか?安いのか?

初売りの商品を今年買いましたか?

新年になると多くの人が参加する行事として一番最初に初詣が挙げられると思いますが、初売りと言うのもまた庶民にとっては大きなイベントであると言えるでしょう。

「新春特価初売り」「どこよりも安い初売りセール」「初売りにつきサービス価格で提供」など色々な文言で初売りという所を主張して購買意欲をあげようとしているお店や企業を今年もまた目にしました。

しかしとても不思議に思われる疑問なのかもしれませんが初売りって安いものなのでしょうか?

例えば初売りの代表的なものとして見られる商品福袋、確かに中身を考えたのなら値段相応以上のものが入っているという事も少なくはなくお買い得かもしれません。

しかしそれ全てが自分自身が望んでいたものであるとは限りませんし、寧ろ中身全てが欲しかったものであるという事の方が稀でしょう。

欲しい商品だけでなく、あったら嬉しいものやどうしても欲しいという訳ではないけれども安かったから買った。

そうしたことにお金を使うことって多くの場合、日本人が嫌っている事に当たる無駄遣いになるとは思いませんか?

そう考えたら初売りと言うイベントに参加することは「高くつく」という事になるのかもしれません。

でも世間では安い印象が何故かあるのです。

今回はお正月の名物でもあり一大イベントでもある初売りと言うものについて考察してみました。

 

初売りの歴史

初売りと言うものが恒例行事となったのは実はかなり古く、お金と物をやり取りする商売と言うものの考え方が日本で一般的になってから直ぐに行われたイベントであるという事が出来ます。

初売りと言う言葉の意味はそのままであり、年が変わって最初に物を売り出すことを言うわけで、特に何かそこに深い意味や定義はありません。

それこそ近年では「初売り」とは多くの場合が小売店の新年最初の販売を指すわけですが、そもそもの意味合いとしてはお店側に商品をおろしている側が卸す物こそが初売りの対象であったとも言われています。

取引先からこれまでの感謝と「これからもよろしくお願い致します。」という意味を込めての値段の割引やおまけをつけたやり取りこそが初売り本来の形。

そう言われると確かにそうかもしれません。

そうした初売りの形が地域の伝統行事として大々的に行われているところが今でもあり、仙台市を初めとした旧仙台藩領内では、豪華景品や特典を付けた商品を取り扱う年初の期間を「初売り期間」として、その期間における商習慣を「仙台初売り」と言う名前の特例として国から特別に許可が出ていますし、佐世保市の初売りもまた有名なイベントとして有名です。

勿論年末から「正月にかけて商売と言うものはしない」としていた昔の方がこの初売りと言うイベントは一大行事であったのは言うまでもありません。

顧客からしたらやっとものが手に入る機会でもあり、商品を提供する側としてはやっとお金を手に入れられるチャンスです。

近代に当たる明治時代においてもそれは同じであったようで、例えば魚河岸の初売りは現代以上の賑わいであったと言います。

魚河岸の営業は1年のうち1月1日のみが休みと言う形であり、1月2日が唯一の休み明けであるとして初売りをしていました。

そんな休みと言う準備期間を経て、店先にはいつも以上に種類豊富で量もある魚介類が並べ立てられ、それを求めて飲食店を経営する人々や小売りのお店の経営者などが新年の挨拶をする意味もかねて数万人も集まったのだと言います。

正月と言う時期は特別なもの。

そういう考え方は古くから日本人には根付いており、その正月に行われる初売りなのでお店側もある程度のサービスもするわけですがそれ以上に客の方も祝儀の意味を込めて高価な品や必要以上に物を購入するというのが昔の日本の初売りの形でした。

現代の初売り

過去の初売りと言うイベントが理解していただけたところで現代の初売りと言うものに目を移しましょう

現代において初売りと言うイベントはどうなったのかと言いますとそうした古来よりの初売りと比べ少々形が異なりました。

例えば主に「初売り」を行うのは寧ろ小売店になったこと。

卸しもとの業者は寧ろそうした小売店の初売りに対して年末から元旦はいつも以上に業務に追われ、どれを初売りといっていいか把からない状態でしょう。

そして小売店が主に初売りをと言うイベントを行うようになってから初売りが行われる時期についてもまた変化が起こりました。

1980年代前半までは、官公庁の業務が開始される三が日明けの所謂「御用始」の1月4日以降に初売りを行う小売店が多かったと言えますが年中無休で24時間営業のコンビニエンスストアやファーストフード店が増えた現在では、スーパーマーケットや専門店での元日の初売りも珍しくなくなりました。

元日に休業するほとんどの小売店も1月2日までに初売りを行うようになっていますし、 ファッションビルや百貨店などでは近年初売りの後に更に冬のバーゲンセールを行うケースも増えていて、商品提供をするお店側は年末年始は休む時期ではなく、むしろ一年の中でも比較的忙しい準備に追われる時期になりました。

初売りで買い物をする側も、小売業を営む人や飲食店を経営する人たちつまり「業者」がメインであったのから、そうしたものとは関り合いのないような所謂「一般人」がメインへとなりました。

そうなってくると初売りをしている側に対して義理を立てたり、祝儀の意味合いを込めた大きな買い物をすることはなくなってきます。

私達一般人はお店そのものやお店を運営している人との縁なんてとても希薄で、私達と小売業の関係は正にただお金と物を交換する場所でしかないわけですから、コンビニやスーパーに義理立てしたり祝儀をあげるという発想はないからです。

そうなってくると初売りの形態自体がお互いに新年の挨拶を兼ねてするイベントではなく、ただ初売りと言う名前の残っているものが安く買えたり、おまけがもらえたりするイベントになったと言えるでしょう。

しかし初売りと言うものの伝統が現代の初売りにもちょっとしたことで残っているのです。

何故初売りには福袋が登場するのか?

初売りにおいて登場することが多い福袋と言うものがあります。

あれこそ実は新年のイベントの一つであった初売りと言うものの伝統が残っている形のひとつと言えるでしょう。

福袋とはご存知の通り購入する金額以上のものが中には入っていると言う中身の大体分からないセット販売商品です。

最初の方にも書かせていただいたように初売りで買う福袋の中身全てが自分自身が望んでいたものであるとは限りませんし、寧ろ中身全てが欲しかったものであるという事の方が稀でしょう。

しかしだからこそ「その年1年間の運試しの意味合いを兼ねて買うのだ」と言われたり、「こういうお買い得だと思えるものでないと纏まったお金が使いにくい」と言う人もいるでしょう。

そしてそれはつまり「新年問特別な日だからまとめて安く提供する」というお店側の意思と「新年と言う特別な日だから纏まったお金を使った買い物をする」と言う顧客側の意思が多少なりとも存在するという事なのです。

勿論ただ安いからと言う理由で購入するお客がいる事もあるでしょうし、こうして福袋と言うセット販売であれば売れるからと言うお店側の意思もないとは言えないと思いますが、それだけだったら新年のイベント初売りでだけで登場することもないでしょう。

特別な事にはお金をかけるのを良しとして、特別な日には財布の紐が緩んでも仕方がないと考える日本人であるからこそ、この初売りと言うもので登場する結構な値段のする福袋はよくよく考えたら割高であろうと購入される事も多くなります。

そしてこうした福袋のような「ちょっと安くなっていても高い物は高いのだけれど買ってしまう。」と言う気持ちになって初売りでお金を使うことがある意味で日本で古来から行われてきた初売りと言うものの伝統の名残だと言えます。
 

高いけれども割安であるし、お金を使っても良いイベント初売り

初売りと言うものが高いのか安いのかと聞かれるとちょっと高いものが全般的に多くなっていると言う所があると言えます。 しかし良いものであってその値段がついており、それが普段に比べると比較的安いという事も言えます。 それに加えて日本人の古来から続いてきた初売りと言うイベントに対する印象のおかげで、多くの人がお金を使うことが普通と思っていると言うのも初売りと言うイベントの良い所だと言えるでしょう。 お互い様と言う意識が強く、お盆と正月を特別な日としてきた日本人ですから初売りと聞くと思わず買ってしまいがちですが、そうしたことを踏まえた上で初売りに参加するも参加しないも考えてみてはいかがでしょうか? 実質多少高くともお買い得である事が多いので買う、あるいは結局高いと買わないという事だけでなく、何でこんなイベントがあるのかと考えてみるのも楽しみ方の一つだと言えるでしょう。

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