燃費よりも自動車保険に目を向けよう!マイカー選びは付帯費用に注目

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自動車事故で、賠償額5億円!あなたは任意保険に加入している?

人身損害額、5億843万円…これは、2011年(平成23年)11月に判決が出た交通事故の死亡賠償額です。

被害者は眼科医、41歳。

彼は酒に酔い、酩酊状態で国道をふらふらと歩き、走行中のタクシーに衝突、死亡しました。

被害者は横断禁止の場所で歩いていたことから、過失割合が60%とされましたが、遺失利益が4億7,850万円と査定されます。

こうした高額賠償額の判決が昨今半ば「常識」として出される背景には、悪質なドライバー(酒酔い、信号無視、マナー違反など)による、事故が減らず、社会性を問う状況が高まってきたことが挙げられます。

ですが、被害者自体にも落ち度があるとはいえ、過失割合60%で、5億円もの賠償を請求される側は、納得がいかないかもしれません。

交通事故で必ず問題になるのが「自動車保険」の存在です。

日本で自動車保険を扱う損害保険会社は25社(2016年3月1日現在)あり、そのほかに共済(JA共済、全労済や特定の職業に特化した自動車共済)事業組合が複数存在します。

自動車事故を起こした場合、あるいは貰い事故の場合に当事者間でいざこざにならないようにする方法が、事故処理のプロである自動車保険・共済(以下任意保険とします)の担当者への委任です。

もし、任意保険に未加入で自賠責だけで、万が一事故に遭難した場合、補償額でモメるのは日常茶飯事です。

よく知られていますが、交通事故死の最高補償額は3,000万円、

まず、自賠責(自動車賠償責任保険)は「対人補償」しかない強制保険だということ。

事故で相手の死亡事故の場合は、最高3,000万円が支払われ、治療費・通院費・休業補償・慰謝料の合計は120万円まで。

これに、高度障害などの場合に最高4,000万円までの補償制度が加わっていますが、これがすぐに振り込まれるというわけではありません。

あくまでも「査定」あり、等級があり、その範疇で金額が支払われる計算です。

もし、あなたが車を運転し、よそ見をして赤信号で人を撥ねてしまい死亡させてしまった場合、被害者の収入が大きければ大きいほど、3,000万円では済まされない多額の賠償請求が舞い込んでくるでしょう。

そのために、任意保険が必要なのは言うまでもありません。

その任意保険の加入率はいかほどなのでしょうか?

統計上、任意保険の加入率は76%。つまり、100台中24台は未保険車

平成26年(2014年)3月時の統計(「損害保険料率算出機構」の資料による)では、3つの補償に分けて数字を出しています。

《損害保険料率算出機構とは、損害保険各社が会員となり、自賠責の様々なデータ、任意保険のデータ、自動車登録数や各都道府県の数字などをまとめているところ。公式サイトで数字は確認できる》

全国には、80,272,571台(数字はすべて、平成26年3月)の自動車が登録されており、58,927,196台が任意保険契約しています。

これは「対人賠償」「対物賠償」「搭乗者障害」のいずれかに加入している契約数で、その割合は73.4%に達しています。

これなら、100台中73台から事故に遭っても心配ない…というのは早合点です。

まず、「対人賠償」ですが、全国平均の加入率は76.5%でも、平均を上回って80%台なのは「大阪87.7%」「愛知 84.8%」「東京 84.6%」「神奈川 84.3%」と三大都市圏に集中しています。

一方で、低い加入率は「沖縄 56.0%」「島根60.0%」「宮崎 63.7%」「秋田 64.1%」などと地方に偏りがあります。

「対物賠償」の場合、全国平均の加入割合は73.4%。

「搭乗者障害」に至っては、全国平均で41.7%しか加入していません。

これは自分の身内だけが乗車することを想定しているのでしょうが、もし友人知人や、第三者を乗せて事故にあった場合に保険で賠償に応じることができない場合、自腹を切らなければならなくなります。

よく考えなければならないのは、事故の賠償額は年々増加していることです。

高齢化社会であることは、人生での遺失利益(生きておれば受け取っているであろう所得)も以前より増加することになります。

また、全国の自動車事故の死亡数は年間5,000人程度ですが、これはあくまでも事故後「24時間以内」の死亡数でしかありません。

ですから、任意保険は「対人」「対物」「搭乗者障害」の3つは是非ともセットで加入するのが望ましい、と言えます。

ほかに「車両保険」がありますが、これは年式が古くなればそもそも車両価格が下落することから、これこそが「任意」で決めるべきでしょう。

車検に絶対不可欠の加入義務「自賠責」。実は保険料は決して安くない

任意保険の重要性は認識した上で、自賠責について考えてみましょう。

自賠責は、多くの人が「政府が運営する強制保険」と勘違いしていますが、実は損害保険会社が出資し、運営している組織です。

一例を挙げます。

「東京日動火災海上の自賠責」に加入していた相手の車に、自分の車がぶつけられた、としましょう。

この場合、あなたに損害賠償を支払うのは 東京日動 ですが、東京日動は加入している自動車賠償責任保険にひとまず「事故でかかった費用」に請求し、金額を受け取ります。

補償額は死亡なら最高3,000万円…といった具合で、限度枠まではどの保険会社も支払いを受けられ、そのお金があなたに給付されるという仕組みです。

この自賠責ですが、実際に各損保会社がお金を出し合い、非営利業態で費用負担しています。

また、この自賠責自身も「再保険会社」に保険をかけており(再保険とは、保険会社の保険を言います)、損保会社の共倒れを防ぐ方策を取っています。

平成25年度の全国「自賠責扱いの件数」は 1,189,459件、「対人賠償保険金」は 807,477,423,000円 に上ります。

(自賠責保険は、対人賠償しかありませんが、ここではわかりやすく記します)

自賠責では、事故1件あたり 678,861円、つまり「約68万円」程度しか、保険金が支払われません。

これに対して、保険料は 普通車 の場合は、37ヶ月で40,040円、軽自動車 の場合は、37,780円(沖縄や離島は除く)。

統計では、1兆283億円の保険料収入があり、8,074億円の保険金支払い。

この金額を見れば、任意保険で年間50,000円を支払って、対人無制限の補償額が給付される任意保険が、いかに「安い」かがわかるはずです。

ちなみに平成25年度の「任意保険の支払い保険金」に関して「対人賠償保険金総額」は385,982,876,000円、つまり3,860億円なのです。

これに、対物、搭乗者障害、車両の保険金を足すと、1兆4,293億円に及びます。

逆に言えば「自賠責」は結構高い保険料、とも考えられます。

ただ、任意保険と自賠責が全く違うのは、任意保険が「年齢」「等級」「運転免許証の色」などで、保険料が細かく分かれるのに対し、自賠責保険は一律の金額である、ということです。

自賠責に加入しなければ車検は通らず、だからと言って無車検無保険のまま、公道を運転する人が事故を起こした場合、その結果は悲惨です。

高い自賠責保険に加入しなければ、運転は不可、そしてそれだけで足りない補償額を考慮し、任意保険にも加入…実は、自動車保有者は、知らずしらずのうちに非常に高い「付帯費用」を払っていることになるのです。

 

燃費よりも、安全性に主眼を。保険料は確実に安くなる

ここでは、具体的に車種の一例を挙げてみましょう。

・「スバル インプレッサ スポーツ 2.0i EyeSight」
… 排気量 2.0ℓ
… 4輪駆動
… 燃費 16.2km/ℓ
… メーカー小売価格 2,257,200円 (消費税込み)
…年間の任意保険料 80,800円

・「マツダ アクセラ ハイブリッドC」
… 排気量 2.0ℓ
… 2輪駆動
… 燃費 30.8km/ℓ
… メーカー小売価格 2,473,200円(消費税込み)
…年間の任意保険料 86,800円

⚫︎任意保険の条件
…年齢 30歳以上 …年間走行距離 5,000km
…運転者限定 なし …対人賠償 無制限
…車両保険 あり …等級 15等級
…免許 ゴールド …運転者年齢制限 30歳以上
…対物賠償 無制限

スバル インプレッサ と マツダ アクセラ はスポーツ車としても人気の高い乗用車。

この2車種を比較したのは、一方は「iSight」という自動ブレーキシステム、もう一方は「ハイブリッド」という燃費向上システムの利点を強調したためです。

乗用車を購入する際、確かに、燃費性能は重要なファクターでしょう。

ですが、5年乗り、7年乗っていざ新車に乗り換える際のアドバンテージは、安全性に越したことはありません。

今までは「ぶつけられても、安全な車」が主流でしたが、これからは「相手にぶつけない」かつ「ぶつけられても安全」の二律背反を可能にする乗用車に人気が高まります。

現在はそれほど変わらない任意保険の保険料ですが、事故率の低い車により安い保険料を設定する動きが出てくるのは間もなく、と思われます。

そうなると、自動ブレーキなどの安全システムを搭載した乗用車に、よりランニングコスト軽減が見えてくるのです。

乗用車を購入することは、税金を払うということ。できるだけ払わないようにしよう

国の税収は、年々変化していきます。 高齢化で支出割合が増加している一方、企業税収は減税先行で減少しているのが実情です。 ですが、自動車にかかる税金は非常に重く、6種類から7種類の税金がかかっています。 こうした税負担をなくすには、実は「事故を減らす」ということも、大事になってくるのは言うまでもありません。 本来は乗って楽しい移動手段、それにはやはり安全性が担保されなければ意味がありません。 自動車は危険な乗り物ではなく、安全で楽しく、ランニングコストも安くする一因は、実は「まず、事故を減らすためのシステム」が不可欠、ということなのです。

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