筆者の女友達で、ドラマ「やまとなでしこ」のヒロインである神野桜子(演:松嶋菜々子さん)のような人がいます。
やはり彼女は、幼少の頃貧しかったそうで、何かにつけて「貧乏はイヤ!」と言って彼氏の条件は大金持ちのイケメンでした。
「私は高収入な人としか付き合えないの!」が口癖で、結婚してリッチな暮らしをすることしか考えていません。しかし、彼女は、ある時に転機を迎えます。
彼女は、金持ちのイケメンばかり彼氏にしていましたが、どれも長続きしていません。彼女は、見た目は純日本的な美人で、人前での振る舞いこそ上品でおしとやかでしたが、中身は高飛車で気が強く、いつも人をバカにしていました。
パッと見は、それこそ上品な「やまとなでしこ」といった感じだから、たくさんの男性からラブコールが掛かっています。
しかし、声を掛けた男性はたとえ超イケメンで性格が良くても、お金持ちでなければ無条件で断っていました。
筆者はお互い元々恋愛対象でなく、ただの友達でしたので彼女と険悪なことになることはありませんでしたが。
よく、昔からモテる男性の条件として三高(高学歴・高収入・高身長)とありますが、彼女はそんな男性しか相手にせず、その中でも高収入は特に重視しています。
素敵な男性が現れても、その男性よりイケメンでお金持ちの男性が現れればあっさりと鞍替えしています。
筆者は、そんな彼女に対して、不快感や怒りよりは、彼女の余裕のなさと幸福感のなさを感じていました。
そんな彼女は、男を取っ替え引っ替えで、平均三ヶ月で別れ、長く続いて半年だったので、筆者はさすがに「お前、いい加減にしたら?
金持ちの彼氏と付き合っている間もちっとも幸せそうに見えないよ。」と言ったことがあります。
彼女の本性を知らない他の男達は、清楚で美しく見える彼女がいつまで経っても一人の男に落ち着かないのを不思議がっていました。
しかし、彼女の本性を知っている筆者は、「そりゃそうだよ」って思っていました。素敵なアクセサリーや服を買って貰ったり、素敵なところでデートしたり、海外旅行へ一緒に行ってもあまり幸せそうに見えない。
しかも、彼女の求めるレベルは男を変える度にどんどん上がってキリがない。
男性には一方的に依存しているようでありながら、それがちょっとでも不満ならすぐに別れるの繰り返し。
そして、ただの友達である筆者には、愚痴をこぼしてばかりでした。
筆者は、逆らうのも面倒なので、適当に返事して、内心では「本当に哀れな女だな」と思っていました。よく、彼氏の写真を見せてくれたりしていて、取っ替え引っ替えの男は、皆イケメンなので、端から見れば、何が気に入らないのかってところです。
どんなにイケメンであったり、どんなに優しかったりしても、金持ちでなければ彼女の射程範囲に入りません。
そして、そんな彼女は、仕事が転勤で、遠方に行くことになり、その後、数年間顔を見合わせなくなります。
数年後、筆者は、会社帰りにバッタリと再会しました。
仕事が本社に戻ってきたからということです。パッと見は彼女の見た目にあまり変化はないが、どこか違う、そんな印象を持ちました。そうです。
また彼氏が出来たのです。
それまでの彼女を知っている筆者としては、「相変わらず金持ちのイケメンばかり狙っているのか?」と思いました。
でも、今度はどこか違うのです。
その彼氏は遠距離恋愛ではなく、単身赴任先で知り合い、戻ってくる際に一緒に引っ越してきた人でした。
そして、どんな人か聞いて、筆者はひっくり返るくらい驚きました。
今度の彼氏の写真を見たら、特別イケメンでもなくどこにでもいるような普通の男、また、ごく普通のサラリーマンでお金はあまりない、そんな彼氏です。
筆者は、とにかく金持ちであることを最重視するような高飛車だった彼女を知っているだけに、思わず「おいおい、大丈夫か?」と言ってしまいました。
彼女は、中身が別人のように変わっていて、金持ちでない男と付き合っているにも関わらず、むしろ金持ちのイケメンを取っ替え引っ替えしていた時よりもはるかに幸せそうな顔をしていたのです。
彼女が遠方に転勤で行っている間も、相変わらず金持ちのイケメンばかり探して婚活をしていました。
しかし、彼女は身内に不孝があり、落ち込んでいた時期があったそうです。
そんな時、当時付き合っていた金持ちのイケメンは、実は面倒くさがりな性格で、全く一緒にいてくれなかったとのこと。
そこで、彼女を、見た目の美しさだけで惹かれるのではなく、心から愛してくれて励ましてくれたのがその彼氏ということでした。
彼が貧しいということを最初から知っていたにも関わらず、その彼の優しさに惚れ、むしろ、心から「この人と支え合おう」という気持ちになって付き合ったそうです。
特別素敵な服を買ってくれたわけでもなく、素敵なデートをしたわけでもないけど、とにかく優しいということで、「お金はなくてもこの人には他の人にない優しさがある」ということに気付いたと言っていました。
辛い人生を経験して、彼女は、とにかく人に感謝する女性になっていたのです。
お金がないことが必ずしも不幸なわけではない、貧しい中にもささやかな幸せが見いだせる、そんなことを言うようになっていました。
彼女曰く、「お金はなくても、こうしてたまにどこかへ行ったり、食事に行ったりする、ちょっとしたことが楽しいの!」と。
何気ないラッキーなこと一つ一つに感謝して、その彼氏に出会えたから、「お金がないことは必ずしも不幸なわけではない」ということを知り、本当の幸せは自分が幸せと感じられるかどうかということを知ったそうです。
反対に、お金持ちだからってそれだけでは必ずしも幸せではない、昔の私はそういう意味では幸せではなかったな~とも言っていました。
そして、一年後にはその彼氏と結婚をしています。現在、それから5年程経っていますが、子供も生まれ、更に美しくなっているように思えます。
特に裕福というわけでもないようですが、幸せそうにしています。
彼女の変わりぶりを見て、改めて、「お金がないことは必ずしも不幸なわけではなく、むしろ、お金がなくなって得るものがある」ということを教えてくれているように感じられます。
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