まだ二十代の若者が、お金がないことを不満に思い犯罪を犯してしまった際にこう言いました。
『遊ぶ金が欲しかった』
遊ぶためのお金を手に入れる為に取る行動としては犯罪行為はとてもリスキーではないですか?
そこまでの事をするには、物質的に追い詰められている状況に加え、精神的に追い詰められていると考えるのが妥当です。
では、金銭の犯罪を犯す人間は何に困っていたのでしょうか。
日本で一番多い犯罪が窃盗罪です。
三十秒に一回、日本のどこかで窃盗犯罪が起こっているのです。
未成年の犯罪で多いのも万引き等で、万引きをするのは小学生から高校生等の学生が犯しやすい窃盗犯罪です。
日本の万引き検挙率の調査では、グラフにすると下降を続けています。
因みに万引き検挙率の、未成年者は14歳から19歳までが対象になっています。
これは14歳未満の少年少女は「触法少年」という扱いになるからです。
日本の刑法では、14歳未満の少年少女の犯罪は罰せられない。という事になっていて万引きを検挙しても処罰の対象にならないので14歳未満は対象外となっています。
万引きの検挙数は98年代がピークで、近年では検挙率は低くなっています。
今はコンビニでは全てと言っていいほど防犯カメラが付いていますし、洋服店や雑貨屋さんでも防犯カメラ、または万引き防止の何らかの対策が取られています。
お店の万引き対策が強化して万引きをしにくくなった。というのが万引きの検挙数が低くなった原因だと考えられます。
万引きは窃盗罪にあたるので、発覚すると即逮捕になります。
窃盗罪の処罰は法律で、10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金になっています。
始めに万引きに気づくのはお店の人だと思いますが、お店側の責任者の考えによって警察に通報するのか、返金と謝罪で解放するのか選択肢があるので 逮捕に至るかは変わっていきます。
実際に、万引きをしても弁償と謝罪、厳重注意で釈放されて警察まで行くケースは少ないです。
警察沙汰にまでするとお店側も手間ですし、商品一つの単価はそこまで高くはないので高額な万引き自体が珍しく、大抵は数百円~の万引きなので警察沙汰にする事に対して「そこまでは…」と思われるようです。
本屋等は商品の五倍の価格で買い取りをさせたり、万引きをしたのが学生であれば警察に通報はなくとも学校に連絡がいき、学校で停学処分。または、退学処分を受ける事になります。
警察に通報となっても、日本の万引きは発生数が多いために全てを懲役刑にはしにくい事もあります。
初犯である場合はお店側からの処罰が軽くなる可能性は高く、仮に警察署まで連れていかれたとしても初犯の万引きは罰金や懲役等の法的措置も比較的甘くはなります。
ただ、常習性が高いと認められれば罰金額も高くなり懲役の期間も長くなります。
万引きが見つかりお店が警察に通報。
万引き犯が刑罰を受けるまでには、送検されてから検察官が起訴をしますが防犯カメラに犯行現場しっかり映っていれば問題ないですが、映像証拠が不十分だったり検察官の判断によっては起訴猶予となったりします。
万引き犯が警察に連れていかれて、検察が起訴をすれば100%、有罪判決を受けます。
万引き犯の中でも、『生活に困っていてどうしようもなく万引きをした。』という様な生活苦が背景にある場合は、罰金刑にはなりません。
この場合は罰金刑ではなく懲役刑になり、常習犯であれば懲役2~4カ月で執行猶予3~4年等の処罰が主流でしょう。
万引きには四つの動機がかんがえられます。
これらが代表的な四つです。
まず何らかの事情があり、所持品が底を尽きている状態が長く続いた時。万引きに手を染めやすい心理状況が整っています。
例えば小学生や中学生は一般的なアルバイトは出来ないので、親のおこずかいが収入源になります。
若い頃は物欲が高い時期ですので、お金が無くなってしまうと軽い気持ちで万引きをしてしまいやすいです。
このパターンは重症度は低いですが、成人がお金が無くて万引きをするパターンには様々な気力の低下が起こっており、万引きという行為に諦めの念があります。
次は別名、配給型と呼ばれる動機で、アルコール中毒や薬物中毒の患者が行う万引きを差します。
何かの中毒者が、中毒対象が手元に無い状態で更にそれを買うお金が全く無い場合。
中毒対象を盗んでしまうのが配給型です。
心理的には四つの内で最も切羽詰まった状態です。
学生などがグループになって及ぶ万引きで多い、遊び感覚またはストレス発散を目的とした万引き。
未成年らしい理由であるために一見、重症度は低く思えますが 心理的にはストレスが溜まりかけている様な状態で、普段の生活の鬱憤が蓄積しているのを出す為の手段が万引きになっているので
万引きが発覚してから周りの対応が間違えば、ストレスの対処方法がズレ続ける恐れがあります。
そして四つ目は万引きの常習犯は殆どがこれに当てはまる、万引きの行為に依存しているタイプ。
クレプトマニアとも言われますが、精神疾患に入ります。
幼い子供が万引きをする場合は、愛情不足が原因である事があり子供の頃に両親の愛情を受け取れなかった人が大人になっても、万引きで取った商品を戦利品にすれかえ 両親の愛情の代替品として心を満たそうとしているのです。
万引きをする事に快楽を覚えているので、例え通報を受けて逮捕に至ったとしても中々辞められないのです。
万引きに多い四つ目の動機で万引きを何度も繰り返す物をクレプトマニアと呼びます。
クレプトマニアは病的窃盗とも言います。
クレプトマニアの依存の構造は、万引きの時のとてつもない緊張感とスリルを味わいながらも目的物を手に入れた、
その成功で伴う緊張の開放感と、満足感を得る事で脳が快楽的気分になり徐々に依存状態へとなってしまうのです。
クレプトマニアは盗んだ後の物や、万引きが終わった後の窃盗の結果にはさほどの関心がありません。
盗んだ物自体、一般的にはあまり価値がないものも盗品には拘っていないので盗みます。
盗んだ後は捨ててしまったり、他の人に渡したり、部屋の何処かに隠し溜め込んだりします。
盗む行為だけ味わった後はお店へ商品を返却する人もいます。
専門的にはクレプトマニアが万引きを行うのは、利益のための窃盗ではなくて、窃盗のための窃盗と定義付けられています。
辞めようと思っても、物を盗む衝動を抑えられなくて何度も万引きを繰り返してしまうそうです。
子供よりも大人の万引き犯の方が、より高額な物を捕るようで積み重なると何百万もの損失になるケースもあります。
コンビニや本屋等でお店が閉店してしまう原因に、万引きによる損失額の大きさも少なからず含まれているのです。
今はかなり万引き対策も厳重になって、検挙数も減っているのにまだ万引きによる被害でお店が潰れる事もあるのですから、万引きの威力は恐ろしいですね。
手を染めやすい万引きですが、それが如何に重い罪で盗んだ商品の金額が積み重なれば、他人の生活も脅かす様な犯罪か 認知が高まるべきです。
子供の教育が課題となる
万引きをしているのは、未成年者が全体の40%以上と大きく占めており未成年者の中で一番多いのは中学生です。 子供の窃盗は、周囲へのSOSのアピールであり万引きを見つけた後の大人達の対応は、その子供のこれからの心理状態を左右します。 万引きは他の犯罪と並べても、再犯率が高く依存症の一つに万引きもある位です。 そこには、原因と呼べるものが幾つもあった訳ですがもしも子供が万引きを犯した時に、その原因を子供と共に見つめて一緒になって解決するまで付き合ってあげる様な愛情が、子供の万引きの再犯を無くす大きな方法だと思います。 子供の万引きに大人が適切な対処をする事は、後の大人の万引きの数を減らしていく事にも繋がります。 子供の教育は、失敗しない様に結果を教える事だけではなく。 失敗をした課程を共に解決していくのも子供の教育ではないでしょうか? 一つの過ちには、必ず引き金を引くような何かが潜んでいて それに逃げずに向き合うには、時には一人では心が苦しい事もあるのです。 日本の窃盗犯罪である万引きについて、考えて戴けたら幸いです。
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