公務員が嫌われる本当の理由とは?公務員が身につけなければならないのは高い倫理観である

「芦屋市」と「伊賀市」を例に、その財政状況を見てみる

さて、地方自治体(市町村)でもっとも平均年収の高い「兵庫県芦屋市」を例にとってみましょう。

2016年3月1日現在の、芦屋市の人口は 96,451人(芦屋市公式HPより)。

2014年度の財政状況を、芦屋市の公式HPより拾ってみます。


《歳入(収入)》
・市税
220億4,665万円(歳入の49.7%)

・地方交付税
23億0,860万円(歳入の5.2%)

・市債
27億0,859万円(歳入の6.1%)

ここからは、芦屋市の財政の半分が市税で賄われていることがわかります。

もう一つ、同じ人口規模(9万6千人)の「三重県伊賀市」を見てみます。

《歳入(収入)》
・市税
143億1,889万円(歳入の29.0%)

・地方交付税
114億1,905万円(歳入の23.1%)

・市債
68億9,720万円(歳入の1.4%)

伊賀市の「職員平均年収」は、全国で263位、627万円。

1位の芦屋市と比べて、100万円少ない額となっています。

では、芦屋市と伊賀市では、財政状況で何が違うのでしょうか?

芦屋市は市民税が歳入の約半分なのに対し、伊賀市は3割程度。

これに対し、地方交付税は、芦屋市が歳入の5%ほどで、伊賀市は23%に及びます。

一般市民から見れば、消費税や所得税、ガソリン税や酒税、住民税など、どこが徴収しているのか、どこに納入されるのかは分かりにくいものです。

ですが、芦屋市民の場合は、自分たちの住民税で、自分たちの市の財政の半分をまかなっており、伊賀市は4分の1ほどの財政を納税していることはわかるでしょう。

問題は、国からの「地方交付税」です。

国民が納税する様々な国税から、芦屋市にも伊賀市にも配分される額が、23億円と114億円あることになります。

いささか短兵急ではありますが、伊賀市は芦屋市に比べ、国庫から5倍多く財政援助を受けており、その結果職員の給与の差が 100万円 に表れている…という表現も間違いとは言い切れません。

ただ、ここには大きな問題も潜んでいることを理解する必要があります。

例えば、税収の元が一体何か…という点が気になります。

固定資産税が高い自治体なのか、それとも企業が治める税金が多いのか、あるいは高所得層が多く住むことから、税収が豊かなのか、などその理由を調べる必要があります。

ですが、もしそれを一律の方法で行ってしまえば、地方公務員の給与は市町村によって大きな格差が生じることになります。

企業では当たり前の、所得格差ですが、問題なのは自治体間の格差が民間ほどついては「いけない」というのが、国の考え方が根本にあります。

ここが、公務員への風当たりの根拠になりやすいところ、と言えるのです。

公務員の給与が高いか安いかの問題よりも、倫理観の問題が大きい

景気が良い場合は、民間企業の懐が潤い、公務員の方が身入りが少ない…と言われてきました。

現に、高度成長時代やバブル時代(1980年代)は、公務員から「民間並みに給与を上げよ」という組合の主張が大きかったのが事実です。

ですが、景気後退が進むにつれ、民間企業は様々な問題を乗り越えるべく海外進出や人件費の削減などで、延命措置を取ってきました。

不思議なことですが、景気が良い時代を知ってしまうと、人間は次第に不景気になることを「信じたくない」と思うようになります。

事実、山一証券や北海道拓殖銀行の不良債権、累積赤字は決算報告でうたわれていたのにもかかわらず、結局突然破綻してその大きさに驚愕するのが一般市民であり、ジャーナリストであり、経済評論家であったのです。

私たちは、常々「あの会社は今期100億円の赤字だ」と簡単に言いますが、実際に自分の力で食べている 経営者 か 個人事業主 でなければ勤務の際に緊迫感は生じません。

もし、公務員の給与が高い…と不満をいう人がいるとすれば、それは自営業者や会社経営者にとっては切実な問題でしょう。

生きるか死ぬかを体現しているからこそ、税金は払いたくない、そして払うなら使い道をしっかりしてほしい、と切に願うように思うのはこうした人たちです。

ですが、普段は自分の仕事をこなし、スキルをアップさせて会社に貢献していく通常の人たちは、公務員と比較することに「虚無感」を持って然るべきです。

なぜなら、比較しようにも公務員の成り立ちは「事業体の業績」とは関係なく、給与が与えられ、それが公共の役にたつことを目的とされているからです。

では、公務員への不満の多くはどういったことが原因なのでしょうか?

気をつけるべきは、公務員の家族にあり

公務員が身につけなければならないのは、高い倫理観ですが、昨今はそれが崩壊している状況があちこちで伺えます。 県庁に勤務するご主人、専業主婦の奥さんというケースの場合、嫌われやすいのは「奥さん」の方というのが世間の相場というものです。 公務員の場合、住宅ローンを組む際にも民間企業の社員よりも「収入が安定」していることから、金利を優遇するケースがあります。 また、公務員の共済制度は、組合が経営するホテル、病院の健康診断、引っ越し、旅行、買い物、住宅購入…とあらゆるものに及んでおり、民間企業も組合員の多さを商機と考えて、揉み手して近づきます。 こうした風潮が、結局のところ公務員本人ではなく、その家族を「殿様気分」「特権意識」へと導いてしまうのです。 これは、非常に由々しき問題ですが、公務員への風当たりとはこうした原因を、みんなが共有しやすいのも事実。 ですから、公務員は家に帰れば一般市民として溶け込むようでないと、今の時代はなかなか生き辛い面も出てくるでしょう。 経済は生き物、気分屋…という言葉があります。 自分はしっかり貯蓄したり、仕事の楽しさを覚えることで、アカの他人をあれこれいう暇などなくなるもの。 公務員を嫌う側、嫌われる側、実は両方とも問題を抱えているからこそ、公務員への「風」が生まれては消え、消えては生まれていくのです。

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