世界の富を引き寄せる「ドバイ」は、借金まみれで再建中だった

では、そもそも「ドバイ」とはどういう国なのか

ドバイは人口240万人の小さな国家ですが、実は首長国と呼ばれる王国のひとつです。

王、といっても欧州の王国とは違い、

アラブの部族が代々その土地での君主となり、

国を治めており、

国民は政治に興味を抱くような背景を持ちません。

欧州では立憲君主制(王は統治するが、憲法の下での権力は持たない。

政治はあくまでも国民の選挙で選ばれた議員により、執り行われる)が一般的で、王が政治を治める国はありません。

これに対し、アラブ首長国連邦のひとつ、ドバイは首長、つまり王族の長がおり、ドバイの政治権力を握っています。

すこしおさらいしておきますが、

アラブ首長国連邦、とは 「United Arab Emirates」 の略。
Emirate=エミレート、とは首長国と訳され、アラビア半島にある7つの首長国によって構成されています。

首長は、部族長であり王でもありますが、

アラブ社会でありイスラム教という文化では王は存在しないため、

各首長が治める国は、

それぞれ特徴があり、

イスラム圏の中でも穏健的な連邦国家と言われます。

女性の服装についても、顔を露出することが認められ、

イスラム金融と呼ばれる独特の制度を「逸脱」して金融センターを設置するなど、

UAEは大変先進的な一面を持っています(女性の服装については、

ドバイ内でも「ニカブ」と呼ばれる目だけを出し、

あとは黒い布で全身を覆うケースもあれば、

完全に顔を外に見せるケースもあります)。

ドバイ以外の他の6つの国も同じように、王とその一族が国を経営しています。

そのほとんどが石油資源に大きく頼っていることから、

国民には納税の義務がなく、

教育費用も無料、

人々は公務員として雇われますが、

無職であっても豊かな生活が営める、という特殊な背景を持っています。

ドバイはその中で「政治」「経済」で西側諸国からの資金調達がうまく、

国民に「政治参加」をさせない経済政策を行っています。

政治に参加できない…それは「国民の不満の原因では?」と思われるかもしれません。

ですが、ドバイ国民は基本的に「お上」からお金をもらって生活しており、働かなくても収入があります。

こうした中で、王政を廃止し、自分たちの国を自分たちの手で作ろう、と考える人は、生まれません。

それも、行く末は枯渇が叫ばれる「石油資源」があるにもかかわらず、

石油以外の振興策を積極的に進めていることから、ドバイは大変面白い経済国家として注目されています。

実はドバイ経済は順風満帆の…というわけでもない

2014年のドバイへの日本企業進出は431社に上ります。

そのなか、日本貿易振興会(JETRO)がドバイおよび周辺国に進出している日系企業を調査した資料があり、

149社のうち73.8%にあたる 110社 から回答を得ました(調査期間は2015年1月15日~2月13日)。

JETROの資料によれば、2015年の現地日系企業の48.6%は前年より改善し、39%が前年並みの営業利益となっています。

そして、企業における最も大きな問題は「現地人材の能力、意欲」であり、実に45.9%の企業が不安視しています。

実は、ドバイは2009年の ドバイショックは石油開発よりも不動産開発に軸足を置いた開発経済に、資金ショートという大問題をもたらしました。

ドバイ・ショック("Dubai crisis" または "Dubai debt crisis")とは、2009年11月25日に、アラブ首長国連邦 (UAE) ドバイのドバイ政府が、政府系持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請すると発表したことに端を発し、世界的に株式相場が急落した現象である。

むろん、ドバイはUAE第2位の経済国であり、

石油産出で有名なアブダビが債務の肩代わりを行うなど、

その火消しに躍起となります。

ですが、日本企業とJETROは安倍総理大臣直々の号令で、アブダビの石油採掘権を確保、ドバイへの進出を加速させます。

理由は「バブル期」を知り尽くしている日本経済界の、ドバイを見る視点でした。

2015年現在、ドバイは世界の金融センターの地位を着々と推し進め、

世界一の面積を持つドバイ国際空港(2013年、国際旅客数7,048万人を突破。

ロンドン・ヒースロー空港を抜き、世界第1位に)をさらに6倍拡張する計画を発表。

一時6兆円もの債務を負ったドバイですが、アラブの春といわれた民主化革命が、

周辺国で起こったことをきっかけに、政治的に安定し、

UAEという自由主義経済諸国からの信頼も厚い石油産出国に、日本政府も一目置いたのです。

ただ、ドバイは将来450万人もの人口を持つ国に成長することを目標とするため、

ドバイ国民の自己成長に必死に策を練っています。

もちろん、成長エンジンのカギは

  • 「政治的安定」
  • 「タックスヘイブン」、
  • 「イスラム教国でありながら、お酒や女性の服装への穏健的な政策」

など、自国民優遇にあり、問題とすれば、彼らドバイ国民が「借金癖を持っている」という点です。

この国では、借金踏み倒しはご法度であり、様々な刑の中でも麻薬保持=死刑に準ずる「国外追放」となっています。

つまり、この国では右肩上がりの経済国家像を緩やかに描いているとはいえ、

人々の消費(浪費)には歯止めが効いていないのが大きな不安材料なのです。

資本主義経済のほとんどは「北半球」国。ドバイはあくまでも他国の「経済成長の投資先」

1900年代が戦争の世紀であり、産業産出の世紀であったことは誰もが知るところでしょう。 戦争は、兵器産業を育て、情報産業の発展に大きな影響を与えました。 ただ、これらの産業を発展させ、富に変えていったのは欧米列強であり、資本主義経済の国々でした。 欧米では夏と冬という季節が生じますので、 そのためのライフスタイルが必要になります。 衣食住はすべて、これら気候変動に合わせなければなりません。 そこに耐性と工夫が付け加わり、人々は努力して富を得ようとしました。 一方、中東のドバイは、冬は砂嵐が飛び、夏は最高気温50℃にもなる灼熱の国。 冬でも15℃以下にはならないという亜熱帯の国であるため、 年中バカンスに訪れる人たちには、天候を気にしなくともいい国(年間雨量がゼロの年もある)なのです。 ですが、この国に住むというのは、 本当に幸せなのかといえば、なかなかそうとも言い切れません。 消費する、という名目で永住できるのはわずか15%に満たないUAEの人たちだけであり、 仕事を失えば、外国人は1か月以内に国外退去を命ぜられます。 この国は、あくまでも海外の富豪が余暇で過ごすところであり、 外国人労働者は言い方はよくありませんが「召使」さながら、といっても過言ではありません。 完全に外国人に開放されないドバイ人のためのドバイ。 それこそが、自国経済防衛策であり、この国が単なる投資先でしかないのは、その程度の経済圏でしかないことの証拠でもあるのです。 経済再建、経済創建、この2つを絶えず目標として掲げるイスラム文化国、ドバイ。 その行く末は、どうなるのかは誰にもわからないのです。

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世界の富を引き寄せる「ドバイ」は、借金まみれで再建中だった
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